【第2回】Web版『エレキギターの教科書』~SALTY's塩澤(ピスタチオ小澤)の恵比寿リキッドルームまでの道~

12月18日(火)に恵比寿リキッドルームにてワンマンライブ「大さじ1000SALT」を開催する、よしもと発の塩顔男子エアバンド・SALTY's(ソルティーズ)。「チケット1,000枚売れなければ解散!」というノルマを達成すべく、ギター担当の塩澤(ピスタチオ小澤)はワンマンライブで本当のギター演奏を披露することを決意し、デビュー曲「ソルティードッグ」のギター演奏に挑戦中!
エアバンドのギタリストは本当にギターが弾けるようになるのか!?

ギターの持ち方、チューニングなどを覚えた第1回に引き続き、第2回は単音弾きと複音弾きを中心に、ギター演奏で大切なポイントを学びます!

今回もギター初心者の入門書『エレキギターの教科書』(ヤマハミュージックメディア)を使ってレッスンしていきます。

第2回レッスンダイジェスト動画

ギター演奏で重要な弦の押さえ方を学ぶ

前回と違うギターを持っている塩澤さん。どうやら、練習前日に新しいギターを購入したようです。
先生やスタッフから「似合ってますね」とお世辞を言われて「まぁ、よしもと∞ホールを代表するギタリストなので」とドヤ顔。完全に調子に乗っているようですが…理由はどうあれ、モチベーションが高まるのは良いことですね!

この日はまず、弦の押さえ方から学びます。
「ソルティードッグ」のエンディングで登場する“単音弾き(音を一つずつ弾くこと)”や、「ソルティードッグ」の大部分を占める“コード弾き”など、ギタープレイ全般で大事な項目です。

また「ソルティードッグ」の場合、複数の弦を指1本で押さえる“セーハ”の習得も重要です。

塩澤「制覇…」

“制覇”ではなくて“セーハ”ですよ、塩澤さん。

塩澤「え、違うんですか!?」
 

弦の押さえ方(『エレキギターの教科書』p23より)

<指の角度>
基本的にはしっかり指先を立てて押さえますが、状況によっては多少寝かせ気味にする場合も。また、複数の弦を指1本で押さえるとき(セーハ)などで完全に寝かせることもあります。

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<押さえる位置>
フレットを押さえるときは、そのすぐ左側のギリギリの位置をしっかり押さえましょう。フレットに近い位置ほど少ない力で押さえることができます。 弦は押さえたフレットからブリッジまでが振動するので、押さえる位置は例えば5弦の3フレットであれば2フレット側に少しずれた位置となります。

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押さえる位置のさまざまなパターンのイメージ図。理想の位置で押さえられるようにしよう。


~塩澤さんの場合~

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教科書でポイントを確認しながら、弦の押さえ方を学んでいます。

 

タブ譜の読み方を覚える

タブ譜を見ながら単音弾きに挑戦する塩澤さん。先生と同じ音が出せて「イエーイ! ギタリスト~♪」と大喜び。しかし、先生に「これ以上速くできないというスピードで弾いてみてください」と言われると、全然弾けなくてパニックに。真のギタリストへの道はまだまだ遠いようです。

タブ譜とは、押さえるポジションを譜面化したもの。コードフォームをわかりやすく図案化したダイアグラムと一緒に、読み方を覚えておきましょう。

タブ譜の読み方(『エレキギターの教科書』p20より)

普通の楽譜は五線ですが、ギターのタブ譜は六線で、それぞれの線が弦を表しています。上からもっとも細い1弦、そして一番下がもっとも太い6弦となります。
音符の代わりに書かれた数字はフレット番号で、これにより何弦の何フレットを押さえて弾けばよいかわかるというわけです。またフレット番号のない弦は弾きません。全音符や2分音符は白玉の代わりにフレット番号を丸で囲むことで表し、音の長さを表す符尾や休符など、その他については通常の楽譜と同じ表し方となります。

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タブ譜をフィンガーボード(指板)に当てはめたもの。タブ譜は弾くポジションをそのまま譜面化したものです。


~塩澤さんの場合~

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いろんな用語が登場し、覚えるテクニックも多く、思い悩んでいる様子。

 

スムーズなフィンガリングをマスターしよう

複音フレーズ(『エレキギターの教科書』p65より)

ちょっとしたフレーズやメロディーなどを弾くことを、リードプレイと呼びます。リードプレイは常に単音とは限りません。2音を同時に弾く複音フレーズも弾いてみましょう。

 

そこでポイントとなってくるのが、フィンガリング(指を動かす動作)。つまり指使いです。運指とも言います。スムーズなフィンガリングによって、効率よく、かつカッコいい演奏が実現します。
なお「ソルティードッグ」のギタースコアには、タブ譜部分に指使いも記載されています。

塩澤「みんなこの指を使って弾いているんですか? 自分はこっちのほうが弾きやすいということはないんですか?」

とてもいい質問が出ました。前後のフレーズや演奏する人のクセなど、すべての人が同じフレーズを同じ指使いで演奏するとは限りません。しかし、はじめは譜面に倣って合理的な指使いで弾いてみると良いでしょう。

フィンガリングがスムーズにいかず、テンパる塩澤さん。「厳し~い!」と絶叫しながら、いい大人が地団駄を踏み始めました。

~塩澤さんと塩チョの場合~

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今回もレッスンについてきた、ギター経験者の塩チョ(西村ヒロチョ)。スムーズなフィンガリングを実現するためにアドバイスしてくれました。

 

ギタープレイで超重要なミュート

塩澤さんが複音のフレーズを鳴らしていたところ、先生がとても驚いていました。まだ教えていないのに、ちゃんとミュートしてるじゃないですか!

塩澤「いや、先生を見て真似して…」

「才能ですね」と、またもやドヤ顔の塩澤さんですが、ミュートはギター演奏で非常に重要なテクニック。それを自然と実践できていたのはすごいことです。
 

左手人差指を使ったミュート(『エレキギターの教科書』p27より)

弾いていない弦のことを余弦と言います。余弦はうっかり弾いてしまうミスピッキングや、鳴っている弦の振動の影響で共振し音が出てしまうこともあります。これを未然に防ぐため、ミュートが必要なのです。

例えば、3弦を中指で押さえて弾いているときに、人差指はその後ろでその他の弦に触ってミュートします。さらに6弦を親指でミュートすれば3弦以外のすべての弦がミュートされたことになり、ミスピッキングや共振が防げるというわけです。 構えたときもっともヘッド側に位置する人差指は、余弦のミュートを担う大事な指といえます。

 

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3弦を中指で押弦時、人差指は1・2・4・5弦に触ってミュートしている。『エレキギターの教科書』p27より)

 

~塩澤さんの場合~

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自然とミュートを実践して周囲を驚かせ、満足気です。

 

今回新しく習ったコード

 

今回は「ソルティードッグ」サビ前で登場する「F#7」「A」の2つを練習。
今の時点では「F#7」は1~3弦を、「A」は1~4弦を押さえるフォームで弾きます。完全フォーム(本来のフォーム)とは異なりますが、演奏しやすいところから練習していきます。「やっべー、もう…パニックです…」と放心状態ですが、大丈夫でしょうか。

塩澤「わからん! テンパる! 難しーーーー!」

<ダイアグラム>

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~塩澤さんの場合~

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先生が楽曲に合わせて演奏してくれましたが「速ぇ~!」と絶叫。素っ頓狂な声が塩澤さんの焦りを表しています。

 

塩チョによる、タメになるお言葉

 

あまりに弾けない塩澤さんを見て、塩チョも「毎日ギターを持ち歩いて、移動中も練習しないと間に合わないですよ」と心配。ちょっと弾いてみてよと唐突に振られますが、まだ塩澤さんが練習していない部分まで弾けちゃっています。

塩澤「誰もそこまでやれとは言ってないよ! 何、調子乗ってんだ!」

いわゆる逆ギレですね。ここで塩チョからアドバイスが。

塩チョ「2手3手先のことを頭に入れて、次の音を弾く準備をしておく。次はこうって常に考えておけば、指は自ずと動きます。あと、ギターのフレーズを歌いながら弾くクセをつけたほうがいいですね。塩澤さんはテンポが速くなるクセがあるので。あと、全部一気に弾こうとしないほうがいいです。難しいことをそのまま理解しようとしないで、簡単にして飲み込んでいくという作業が大事だと思います」

ギターの先生ですか?と尋ねたくなるくらい、素晴らしいアドバイス。塩澤さん、ぐぅの音も出ません。

塩チョ「いいカッコしようとするから、難しいんですよね。このくらいできるよって気持ちを押さえて、基礎的なところからやっていくことが、練習では大事だと思いますよ」

塩澤「…はい。」

塩チョ「うぬぼれるなってことです。歌いながらやること、ゆっくりやること、分解してやること。この3つが大切です」

塩澤「はい! 頑張ります!」

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自分のギターを使ってカッコよく演奏する塩チョに、嫉妬しているように見える塩澤さん。

 

 

意気消沈気味だった塩澤さんも、塩チョのガチなアドバイスのおかげで、再びやる気が出てきたようです。これは次回が楽しみですね!

レッスン全編の動画はこちら!

 

Text&Photo:神保 未来

 

■講師プロフィール
阿部比呂史
『ギターマガジン』や多数の著書の執筆で知られる宮脇俊郎氏に師事。
宮地楽器で10年以上講師を勤めている他、都内でのセッションワーク、ギター雑誌、ムックやバンドスコアの執筆なども行っている。
ヤマハミュージックメディアの入門書「エレキギターの教科書」を執筆。

■「ソルティードッグ」楽譜も配信中!
今回のレッスンに使用している「ソルティードッグ」ギター譜を『ぷりんと楽譜』で配信中!
https://www.print-gakufu.com/scene/detail/2043/?ref=ms

■エレキギターの教科書
全ページオールカラーでDVD&CD付、スマホ対応動画は演奏者目線アングル! かゆいところに手が届く、いたれりつくせりの教則本が登場。これがヤマハ入門教則のスタンダードだ!!
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(ヤマハミュージックメディア/¥1,700+税)
http://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTL01095109
 

 

■SALTY’s
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<プロフィール>
世界初の塩顔男子4人グループ「SALTY's」(ソルティーズ)
Vo.塩村(テゴネハンバーグ・松村)、G.塩澤(ピスタチオ・小澤)、Sax./Fl./DJ 塩チョ(西村ヒロチョ)、B.塩野(ダイヤモンド・小野)
巷ではあっさりした薄顔イケメンを"塩顔"と称してブームが起きている中、彼らの人気も上昇中!芸人ならではのコーナー(塩喜劇)を交えたライブスタイルと、芸人らしからぬクオリティの高い楽曲でVo.塩村が手がける塩顔をテーマにした歌詞が彼らの持ち味となり、渋谷ヨシモトホールにて定期開催しているライブは、全て満席で立ち見が続出!!音楽イベントにも進出し始めている注目のバンド。
G.塩澤、B.塩野エアー演奏でライブを盛り上げ、Sax./Fl./DJ 塩チョは日本大学芸術学部音楽学科卒でサックスを専攻していた本格派。
Vo.塩村の甘く切ない声が見事にはまった楽曲で虜になること間違いなし!
昨年末には、2018年の年末にキャパ1000人のワンマンライブを成功!実現できなければ解散!とLIVEのMCで発表。
大きな目標を掲げ、背水の陣で挑む1年になる。

<ライブ情報>
【タイトル】SALTY's SP LIVE 「大さじ1000SALT」
1000枚売れなかったら解散!!
【会場】恵比寿LIQUIDROOM
【公演日】2018年12月18日(火)
【時間】18:30開場・19:30開演
【チケット】前売 3,000円 当日 3,500円 (ドリンクチャージ別)
ちけっとよしもと、各プレイガイド、メンバー手売りにて発売中
http://yoshimoto-me.co.jp/artist/saltys/news_detail/4779/

<NEW RELEASE>

Never 塩ding Story/SALTY's

<今回の課題曲>

ソルティードッグ/SALTY's