SALTY'sの恵比寿リキッドルームまでの道 ~完結編~


よしもと発の塩顔エアバンドSALTY’s(ソルティーズ)が12月18日(火)恵比寿リキッドルームにて開催したワンマンライブ「大さじ1000SALT」。公演の数日前に発表された通り、見事ソールドアウトを達成! ひとまず解散は回避したが、この日はこれまでドキュメントしてきた塩澤(ピスタチオ小澤)、塩チョ(西村ヒロチョ)が練習の成果を発表する日でもある。mysoundでは、主に2人の様子を中心に当日の模様をレポート!

エアバンドならではのパフォーマンスでフロアが熱狂

1年前のこの日、キャパ1000人という最大規模の会場でのワンマン開催、そしてチケットが完売しなければ解散することを発表した彼ら。それから1年、無謀とも思えるこの挑戦は、彼らの地道な努力とファンの支えの甲斐あって、見事ソールドアウトを達成! 満員の観客で埋め尽くされたフロアは、開演前からハッピーな空気に包まれていた。

1曲目は本公演に向けた想いを詰め込んだ「Never塩ding story」。ペンライトでカラフルに彩られたフロアを見て、メンバーも感慨深そう。塩村(松村惇史)も涙で声を詰まらせながら歌っていた。冒頭のMCでは、塩澤(ピスタチオ小澤)の顔が満月のように丸いことを塩野(ダイヤモンド小野)がいじり倒すなど、巧みなトークで会場を温める。
その後は立て続けに楽曲を演奏。ヘドバンをしながら激しくギターを弾き倒す(ただしエアで)塩澤の姿はもはや本物のギタリストで、弾いていないのに練習の成果が滲み出ていた。さらに塩チョ(西村ヒロチョ)はサックス演奏のみならず、「好奇心の病」ではフルートも演奏。時には振り付けで観客と一体になり、時にはメンバーが拳を上げて煽り、時には塩野が小道具を使って楽しませてくれたり、さまざまなアプローチでフロアを沸かせる。特に塩野のネックが光るベースは強烈なインパクトがあった。また「やっぱ塩やねん」では、演奏がストップして昭和のコントのような小芝居に突入するというくだりを何度も繰り返して笑いを誘う。
エアバンドだからこそできる自由なパフォーマンスと塩チョの本格的なプレイ、そしてお笑いの要素。SALTY'sにしか成し得ない唯一無二のパフォーマンスは、会場の熱をどんどん上昇させていく。

 

エアバンドならではのパフォーマンスでフロアが熱狂

 

いよいよ挑戦コーナーに! まずは塩チョが練習の成果を発揮

 “塩喜劇”と題したショートコントを経て「うすしおスクールテイズ」を披露すると、いよいよ4人がこの日に向けて行ってきたチャレンジの成果を発表する“挑戦コーナー”に。
一番手は塩チョのピアノ弾き語り。ステージの中央でスポットライトを浴び、鍵盤を見つめる塩チョは明らかに緊張している様子…。緊張がひしひしと伝わってきて、こちらまで手に汗握ってしまう。しかし「NOTICE」を弾き始めると、ロマンティックなピアノの旋律と優しい歌声に観客はうっとり。曲が次第にダイナミックになる展開や、間奏の“お楽しみコーナー”など、レッスンの成果を存分に発揮。何より、お客さんを感動させたいという塩チョの想いが一音一音に込められているのがわかった。演奏後、ピンクの紙を取り出した塩チョ。「NOTICE」の楽譜かと思いきや…そこには“愛してるよ”の文字が! 楽譜ではなく、ファンへの想いを書いてしまったようだ。暗譜して本番に臨むとはさすが塩チョ、しっかり者である。ちなみに直筆の“愛してるよ”だが、よく見ると“愛”の字が間違っていた。塩チョ、うっかり者である。

 

いよいよ挑戦コーナーに! まずは塩チョが練習の成果を発揮(1)

いよいよ挑戦コーナーに! まずは塩チョが練習の成果を発揮(2)

 

エアギタリスト塩澤、ついに真のギタリストに!

続いて、塩野が「白いサンタさん」でタップダンスに挑戦。塩村の歌声と演奏に合わせて軽快にステップを踏んで大歓声が上がる。
お次は、塩澤が「ソルティードッグ」のギター演奏にチャレンジ! 最後のレッスン(連載Vol.5)では「リキッドルームが見えなくなりました」と泣きごとを言っていただけに、演奏の途中で匙を投げたりしないか心配…。そんな編集部スタッフの不安は何のその、塩澤はお立ち台に堂々と立ち、パワフルにギターをかき鳴らす! レッスン時に上手く弾けなくて喚いていた姿や、焦って内股になる姿はなく、そこにはただ“ギタリスト塩澤”がいるのみ。不安や緊張などは一切感じさせず、むしろ笑顔で楽しそうに演奏。勢いで弾いている感も否めないが、アップストロークもクリアし、“ぷぅーーん”(グリッサンド)もばっちり決めて、歌を口ずさみながら弾く余裕も見せていた。レベルはともかく、何よりもまず楽しむ。音楽で一番大切なことを、ギタリスト塩澤は教えてくれた。のちのMCでは、最後のレッスンで塩澤をさんざん叱責していた塩野が「めっちゃカッコ良かったッス!」と絶賛し、ずっと練習に付き合っていた塩チョも「泣きそうだったので、必死に満月を思い出して堪えました」と照れ隠しをしながら賞賛。その気持ちは、連載やSNSなどで塩澤の練習を見守り続けてきたファンも同じだろう。
最後は、塩村が「#モテたい」でボイスパーカッションを披露。塩村が生み出す性急なビートにより、会場の熱量はさらに高まって行く。本編最後はポップチューン「勝手な日曜日」で、コール&レスポンスも交えて盛り上がった。

アンコールでは、SALTY'sのイメージキャラクター「ソル太君」に扮した塩野が登場したり、初の舞台公演の実施など嬉しい告知も。さらに塩野が、7月の4周年に向けてCDを出したいと想いを吐露した。「またここに」では、塩野も少しだけベースを演奏し、塩澤がギターをかき鳴らして応酬。そして塩チョはWサックスを披露! 最後は、彼らの始まりの曲「ソルティードッグ」を再び演奏。来年への大きな期待を胸に、ライブは幕を閉じた。

 

エアギタリスト塩澤、ついに真のギタリストに!(1)

エアギタリスト塩澤、ついに真のギタリストに!(2)

 

Text:神保 未来
Photo:藤澤 孝代

 

【塩澤と塩チョの特訓に密着した連載はこちら!】

https://mag.mysound.jp/post/saltys_1000salt