ロックからインストまで!ベースレスのバンド10選


ロックバンドのリズムと重低音を支える弦楽器といえば、勿論「ベース」です。バンドを組むにあたって、必須楽器の一つともいえるベース。ところが、世の中にはメンバーにベーシストがいない、ちょっと変わった編成のバンドも存在しています。そして、そんなバンドの多くが、その特異な編成から独特の色気を放っているのです。今回のリストでは、カッコ良い"ベースレスバンド"を大特集します。

#1. The Doors - ハートに火をつけて

ベーシストを擁さないバンドとして、世界で最も有名なのが、このThe Doorsでしょう。スタジオ盤では、曲によって録音メンバーにサポートベーシストの参加はあるものの、何といってもその一風変わった形態が何ともカッコよく、バンドの幻想的な雰囲気の盛り上げにも一役買っています。オルガン担当のメンバーがメインのメロディを奏でつつ、低音が出るピアノも同時に弾くことでベース音を賄うというアイデアと演奏技法は、今でも斬新です。

Light My Fire
The Doors

#2. The White Stripes - Fell In Love With A Girl [Live]

「赤・白・黒」の三色のイメージカラーに身を包み、「ロック」の初期衝動とダイナミズムに溢れたサウンドで2000年代の音楽シーンを席巻したのが、ジャックとメグの疑似姉弟によるこのバンド。ギターとドラム、そしてヴォーカルのみという、これ以上ないほどにシンプルな編成で、ロックンロールのエクスタシーを突き詰める姿勢が何よりの魅力でした。超キャッチーなこの曲も収録されたライブ版は、バンドの入門編としてもオススメです!

Fell In Love With A Girl [Live]
The White Stripes

#3. THE JON SPENCER BLUES EXPLOSION - ブラック・モールド

ベースレスのバンドと聞いて、真っ先にこの人たちの名前を挙げる方も多いことでしょう。USオルタナ番長、ジョン・スペンサー率いるTHE JON SPENCER BLUES EXPLOSION! 低音域を強調したギターに、ソウルやヒップホップといったブラックミュージックのエッセンスを加えたゴッタ煮サウンドは、ひたすらに硬派で迫力抜群です。ベースがなくてもロックンロールはできる!とばかりに、独創的な音を聴かせてくれました。

ブラック・モールド
The Jon Spencer Blues Explosion​​​​​​​

#4. KING BROTHERS - 黒くぬれ!!

兵庫県西宮発のロックバンド、KING BROTHERS。スーツでビシっと決めつつも、ステージで大暴れする破壊的なパフォーマンスでファンを魅了しました。時代毎に楽器編成の変遷はありますが、ベースレスの3ピース体制で日本のロックシーンに喧嘩を挑んでいた初期の曲は、特にオススメです。この曲が収録されたミニアルバムは、ジョン・スペンサーによるプロデュース作。冷ややかなクールさと、凶暴な熱が渦巻く名盤です!

黒くぬれ!!
KING BROTHERS​​​​​​​

#5. N'夙川BOYS - プラネットマジック

KING BROTHERSのメンバーも在籍していた男女三人組による変則的なポップバンド。担当楽器をシャッフルして演奏するアバンギャルドなスタイルでもリスナーの注目を集めました。歌心一杯でありながらフリーキーなポップロックが最大の持ち味で、ロックの固定概念を覆す、ベースレスかつ流動的な編成が何とも痛快。先ずは、代表曲の一つである“プラネットマジック”で、そのセンチメンタルな歌世界をご堪能ください。

プラネットマジック
N'夙川BOYS​​​​​​​​​​​​​​

#6. The Gories - Nautiloid Reef

The Goriesは、アメリカで活動していたガレージロックトリオです。「これぞ、ガレージロック!」と言いたくなる、テクニック度外視な演奏と、シンプルなロックンロールこそが、このバンドにとって最大の武器。ベース音が無い為、他のガレージ系バンドに比べても音が軽くてカラッカラに乾いているのですが、それが却って良い味になっています。ギターウルフやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTが好きな方にもオススメです。

Nautiloid Reef
The Gories​​​​​​​

#7. SOSITE - 暮レ子

bloodthirsty butchersのドラマーである小松さんが、女性ギターヴォーカリストと結成した男女混合デュオ、SOSITE。音響的でオルタナティヴな質感のインストナンバーが中心ですが、純朴な歌声が何とも快い歌モノナンバーもあります。美しいギターの音色と低音の効いたドラムの打撃音に、優しい歌が絡むこの曲は、ベーシストがいないこのデュオならではの音楽的持ち味が体現された楽曲です。

暮レ子
SOSITE​​​​​​​​​​​​​​

#8. Sleater-Kinney - Jumpers

解散、再結成を挟みつつ、長年に渡って活動を続けるガールズロックトリオが、このSleater-Kinneyです。オルタナティヴロックらしいパンキッシュな音が特徴のバンドで、ベーシストがおらず、弦楽器による重低音がカットされたサウンドアプローチが、このバンドのラフな質感をより一層高めています。その編成のユニークさも含めて、インディースピリッツを全身から発散している名バンドです。

Jumpers
Sleater-Kinney​​​​​​​​​​​​​​

#9. Japandroids - The House That Heaven Built

カナダ出身のヴォーカル&ギターとドラムによる二人組。二人にとって、このJapandroidsが音楽人生で初めて結成したバンドにも関わらず、ベーシストが見つからなかったからというシンプルな理由でベースレスの編成になった過去を持つユニークなバンドです。複数のアンプを併用することで音に厚みを増したギターサウンドは、とにかくパワーがあり、キャッチーでエモーショナルなメロディを更に後押ししています。

The House That Heaven Built
Japandroids​​​​​​​​​​​​​​

#10. ANIMALS AS LEADERS - Physical Education

ヘヴィメタルを演奏しているにも関わらず、ベーシストが正規メンバーにいないという異形の編成で知られるANIMALS AS LEADERSは、インストゥルメンタルなメタルを引っ提げて、世界的な知名度を誇るバンドです。ベースレスという形態だけでも驚きなのですが、このバンドの場合は、多弦ギターと超絶的な演奏技術で、そのサウンドに重さとグルーヴを与えることに成功しています。その壮大な曲世界にもご注目ください。

Physical Education​​​​​​​​​​​​​​
Animals as Leaders​​​​​​​


​​​​​​​いずれも、ベーシストが存在していないことがマイナスどころか、プラスになっている名バンドたち。すぐにシンガロングできてしまうメロディアスでキャッチーなサウンドも大きな聴きどころです!ぜひ、聴いてみてくださいね。

メイン画像提供:写真AC