いまさら聞けない!ギタープレイの基本~アコギ編~ feat.たんこぶちんMADOKA


“押入れからギターを引っ張り出してきたけど、久しぶりで弾き方を忘れてしまった…”
そんな人や初心者、そして今まで何となくで弾いてきた人にも見直してもらうため、いまさら聞けないギタープレイの基本を、たんこぶちんのMADOKA(Vo,Gt)がレクチャー。
土台をしっかり固めることは、上達のための近道。本講座でイチから学び、楽しくギターを練習しよう!

アコースティックギターの構え方をチェック

正しい構え方を学んだ上で、自分に合ったスタイルを探す

ギターの腕を磨くための第一歩は、正しい構え方で練習すること。いつか人前で演奏してみたい!と考えている人は、立って弾くことにも慣れておこう。座って弾く場合と立って弾く場合では、弾き心地がまったく違うのだ。座るときも立つときも、できるだけギターの位置が変わらないようにすると弾きやすい。また、肩に余計な力を入れずに、リラックスした状態で持つことが大切。正しい構え方を学んだ上で、自分に合ったスタイルを探してみよう。

<座って弾く場合>
座って弾く場合

▲ボディのくびれ部分を右足の上に置き、肘は直角近くに曲げてボディの縁に乗せる。ヘッドが水平、または水平より少し高くなるように持つのがスタンダード。
 

<立って弾く場合>

立って弾く場合

▲ギターにストラップをつける。座ったときと同じくらいの高さにすると弾きやすいので、ストラップの長さで位置の調整を!


★MADOKA's アドバイス
アコギを持つときは、位置をあまり低くしないです。私のギターの場合、エレキよりもネックが太いし、私は手が大きくないので。位置が低いほうが見た目はカッコいいんですけど、ライブでずっと持っていると手が疲れてきちゃうので、エレキより高めで設定して、自分が持ちやすい高さ、疲れない位置にしています。座るときは、自然な位置にアコギがくるのでそのまま弾いています。足を組んで持つことが多いですね。
 

練習前には必ずチューニングを!

チューナー/実音を使ったチューニング方法を紹介

各弦を正しい音程に合わせることをチューニングと呼ぶ。方法はいろいろあるが、ここではチューナー/実音を使った2パターンを紹介!
チューナーを使う方法は、一番簡単で確実。チューナーにはさまざまなタイプがあるが、代表的なものはスタンダードタイプ/クリップタイプ/ペダルタイプの3つ。アコギにおすすめなのはクリップタイプだ。そしてチューニングの方法は、開放弦(どこも押さえていない状態)を1本ずつ弾き、ディスプレイ部の針が中心を指すようにペグを回して音程を合わせよう。高いときはいったん低くしてから、少しずつ高くするようにして合わせること。

実音を使った方法は、チューナーがなくてもできるやり方なので、覚えておくと便利。実音とは、弦を普通に弾いたときに出るそのままの音のこと。まず、5弦の音程を音叉(叩くとAの音が出るU字型の金属)などで合わせたら、6弦5フレット(A)の音と5弦開放の音を交互に鳴らして6弦を合わせる。同様に、5弦5フレット(D)=4弦開放、4弦5フレット(G)=3弦開放、3弦4フレット(B)=2弦開放、2弦5フレット(E)=1弦開放の順にチューニングしていこう。

<クリップチューナー/実音チューニング表>

チューニング表

▲チューナーを使う際、特にアコギの場合は、ヘッドに取り付けるだけでチューニングできるクリップタイプがオススメ。写真はヤマハのYTC5。右の図は実音チューニングの際の参考にしてほしい。練習前には必ずチューニングを確認しよう!


★MADOKA's アドバイス
チューニングは基本に忠実にしているんですけど、ポイントとしては、音が高すぎるなと思ったら一回下げて締めるようにしています。6弦から順に1弦までチューニングして、チューニング中に若干ずれたりするので、またE(6弦)に戻ってくる感じです。
 

コードを押さえてみよう

指はしっかりと立てるのがコツ。根気強く挑戦!

コード(和音)とは、音程の異なる複数の音で構成される響きを指す。ここでは、EのオープンコードとFのバレーコードを例に、押さえ方の基本を紹介。“オープンコード”とは、開放弦も鳴らすコード。そして、1本の指で同フレット上の複数の弦をまとめて押さえることを“セーハ”といい、セーハが含まれるコードを“バレーコード”と呼ぶ。バレーコードの代表例がFコードで、いわゆる“初心者の壁”とされているだけあり、難関! ここで挫折してしまう人も少なくないが、練習をすれば誰でも必ず押さえられるようになるので、根気強く挑戦してほしい。
なお、どのコードを押さえる場合も、フレットの近くを押さえ、他の弦に触れないように指はしっかりと立てるのがコツ。爪が伸びていると指が寝てしまい、隣の弦に触れて音がキレイに鳴らなくなってしまうので、きちんと手入れをしておこう。

<Eのオープンコード>
Eのオープンコード

▲人差指で3弦1フレット、中指で5弦2フレット、薬指で4弦2フレットを押さえる。1弦ずつ音を鳴らしてみて、すべての弦がきちんと鳴っているか確認しよう。


<Fのバレーコード>
Fのバレーコード

▲人差指は伸ばしきらず、軽くカーブさせて傾け、1~6弦をセーハする。中指で3弦2フレット、薬指で5弦3フレット、小指で4弦3フレットを押さえる。左手の親指をネック裏の真ん中あたりまで下げ、手首を少し前に出すように構えよう。まずは人差指だけで押さえて、すべての弦がちゃんと鳴っているかチェックするのがおすすめ。


★MADOKA's アドバイス
小6でバンドを始めたときに小学校の先生に教えてもらったのが、人差指の付け根を支点にして動くことで。コードを押さえるとき、人差指の付け根をネックに付けることを意識しながらやっています。オープンコードを押さえるときは、たとえばAなら親指で6弦をミュートしたり、コードチェンジがスムーズにいくように、いつもギャッとホールドするようにギターを持っています。
バレーコードは、まずセーハをキレイに鳴らせるようにしています。エレキから始めたので、アコギを弾いたときは“弦、硬いっ! 太いっ!”って思いましたね(笑)。当時はエレキよりも弦が鋭く感じて、高い弦を押さえるときは指にめり込んで痛かったけど、もう弾き込むしかないですよね。近道はそれしかないと思います。
 

コードチェンジを練習しよう

最小限の動きで、ゆっくりのテンポから始めて徐々に速く

コードチェンジはギター演奏では絶対に必要なノウハウで、曲を滑らかに気持ち良く演奏するためには避けて通れない。ここでは、A→B→E→C♯mのコードチェンジの練習をする。リズムキープしながら(メトロノームを使うとベスト)、最小限の動きで押さえ替えるのがポイント。次のコードとの共通ポジションの指は動かさないようにしたり、指だけを動かそうとせず、手首ごと動かして押さえ替えるようにすることも大切だ。まずは右手は動かさず、左手だけで練習してみるのもいいだろう。はじめはゆっくりのテンポから挑戦して、徐々に速くしていきスムーズなコードチェンジができるようにしよう。

コードチェンジ

<Aコード>
Aコード

▲Aコードは、ダイアグラムのように人差指4弦2フレット、中指で3弦2フレット、薬指2弦2フレットを押さえる。MADOKAは次のBコードの移動を考慮して、中指・薬指・小指で押さえている。このように、コードチェンジしやすいよう押さえ方を変えてもOKだ。

 

<Bコード>
Bコード

▲難易度高め。人差指で1~5弦2フレットをセーハし、中指で4弦4フレット、薬指で3弦4フレット、小指で2弦4フレットを押さえる。6弦は鳴らさない弦なので、人差指の先で軽く触れてミュート(消音)しよう。中指、薬指、小指がAコードと同じ指の形(共通フォーム)であることに注目!

<Eコード>
Eコード

▲人差指で3弦1フレットを押さえる。中指で5弦2フレット、薬指で4弦2フレットを押さえる。中指と薬指のフォームは崩さないようにしよう。

 

<C♯mコード>
C#mコード

▲こちらも難易度高め。人差指で1~5弦4フレットをセーハし、中指で2弦5フレット、薬指で4弦6フレット、小指で3弦6フレットを押さえる。Bコードと同じく、6弦は人差指の先で軽く触れてミュートしよう。慣れるまで素早く押さえるのは難しいので、繰り返し練習して感覚を身につけよう。


★MADOKA's アドバイス
初心者の方なら、まず指の位置(=ポジション)を覚えるところが大変だなって。1本ずつ順番に押さえたり、間違って覚えちゃったりすると思うんです。なので、まずは指の位置を覚えてください。そして、いろいろな曲を弾けば、基本的なコードの流れやよく出てくるコード、コード進行がわかってくると思うので、いろいろな曲をコピーしていくといいと思います。
 

ストロークの基本を学ぼう

手首のスナップを効かせて。実際に弾いてコツをつかもう!

ギターを弾く上でもっとも基本的な奏法で、右手でかき鳴らすようにジャカジャカと弾くことをストロークという。6弦から1弦に向かって腕を振り下ろすのがダウンストローク、1弦から6弦に向かって振り上げるのがアップストロークだ。肘を支点にして、手首のスナップを効かせて一気に鳴らそう。力が入らないよう自然な腕の振りを意識し、ピックは弦を撫でるように当てること。鏡などを見ながら、動きを確かめることも大切。

ストローク

<ダウンストローク>
ダウンストローク

▲腕と手首の両方を使ってピッキングする。手首から先を柔らかく振るのがベスト。


★MADOKA's アドバイス
ギターを始めたときは(動きが)固かったんですね。ジャー!ジャ!ジャー!みたいな(笑)。ボーカル&ギターになって、ストロークがメインになってきたときに、軽く弾くように意識して。肩とかに力を入れずに、力が入ってるなと思ったら、抜く。手首の振り落としを柔らかくして、固くなりすぎないことがコツだと思います。
弾き語りをすることに憧れてアコギを弾き始めたんですけど、歌を歌いながら弾いていたから、リズムに気をつけていました。楽譜に書いていないところも、リズムを取りながら弾いていて。リズムをちゃんと捉えてストロークすれば、空ピッキング(休符の部分で空振りすること)も自然と弾けるんじゃないかなと思います。
 

00:00~ チューナーを使ったチューニング
01:05~ 実音チューニング
03:03~ コードチェンジ
04:02~ 8分のストローク


たんこぶちんプロフィール
2007年、小学校6年生の頃に同級生で結成。メンバーはMADOKA(Vo,Gt)、YURI(Gt)、NODOKA(Ba)、HONOKA(Dr)、CHIHARU(Kb)。11月より《ワンマンライブツアー『たんこぶちん ニドナツ・ワンマンLIVEツアー』》を開催!
http://tancobuchin.jp

たんこぶちんNEW ALBUM
『二度めの夏、二度と会えない君 feat.Primember』
2017年8月30日リリース
【TYPE-A】¥1,389+税
【TYPE-B】¥2,130+税
【TYPE-C】¥2,315+税
(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)
https://mysound.jp/album/177314/


吉田円佳(MADOKA)出演映画
映画『二度めの夏、二度と会えない君』
2017年9月1日ロードショー
http://nido-natsu.com


Text:藤原未那・神保未来(FAMiLIES)
Photo:溝口元海