クラシックで彩る 華やかな年末年始


いよいよ2017年が終わりを迎え、2018年が始まります。これまでの日々を振り返ったり、新しい年への期待にワクワクしたり…。思い思いの年末年始をお過ごしのことと思います。この時期は忙しさのあまり、つい気持ちが焦ってしまいますが、今回はそんな慌ただしい年末で疲れた心を癒したり、年末年始を華やかに盛り上げ、またいい一年が送れるような気持にさせてくれる作品をセレクトしました。ぜひこれらの曲をBGMに新しい年を素敵に彩っていただければ幸いです。

ヨハン・シュトラウスII世: オペレッタ『こうもり』より「序曲」


まずは大みそかの晩の出来事が題材のオペレッタの冒頭を飾る一曲を。個性豊かな登場人物たちが次々と登場し、魅力的な旋律が歌われていくこの作品の“ハイライト”的な作品になっています。ウィンナ・ワルツの優雅なリズムにのせて演奏される色とりどりの名旋律たちは、今年一年を振り返る最高のパートナーになってくれることでしょう。 

喜歌劇《こうもり》 序曲 (Live At Musikverein, Vienna / 2002)
Wiener Philharmoniker/Seiji Ozawa 

 

ヨハン・シュトラウスII世: オペレッタ『こうもり』より「乾杯の歌(シャンパンの歌)」


オペレッタ『こうもり』の第2幕最後で演奏される曲で、舞踏会で変奏した登場人物たちがシャンパンを片手に“酒の王を称えよ、シャンパンは苦しみを洗い流す”と歌います。色々な悩みを吹き飛ばしてくれそうなスピード感のある楽しい旋律に浸って、色々あったイヤなことを忘れてしまいましょう! 

Im Feuerstrom der Reben (Orlofsky/Chor/Adele/Eisenstein)

 

ヨハン・シュトラウスII世: 南国のばら 


2018年のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートの演奏曲です。オペレッタ『女王のレースのハンカチーフ』に登場する曲がメドレー形式でまとめられた作品で、全体に優雅さが漂っていますが、クライマックスは太鼓の連打やファンファーレによって華々しく終わります。いいことが待ち受けているような気にさせてくれる豪華なワルツです。

ワルツ《南国のばら》 作品388
Boston Symphony Chamber Players

 

ヴェルディ: 歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」 


『こうもり』の「乾杯の歌」と同じく舞踏会でのシーンで使われる曲ですが、こちらは19世紀半ばのパリが舞台。社交界の華、高級娼婦ヴィオレッタと、青年貴族アルフレードの出会いと愛の芽生えが描かれています。さまざまなお祝いの場でも演奏される曲で、華やかさの中に格調高い優雅さが感じられ、ワンランク上の大人になったような気持ちにさせてくれます。イヤなことは“オトナの余裕”で流してしまいましょう。 

乾杯の歌:友よ、さあ飲みあかそう(ヴェルディ:歌劇《椿姫》より)
Luciano Pavarotti/Dame Joan Sutherland/The London Opera Chorus/The National Philharmonic Orchestra/Richard Bonynge​​​​​​​​​​​​​​

 

チャイコフスキー: バレエ『くるみ割り人形』より「花のワルツ」 


クリスマスの夜を題材としたバレエからの一曲は、聴いているだけで楽しい気持ちになってしまう美しいメロディが次々と聞こえてきます。夢と魔法に満ちた作品で、聴いていると楽しい思い出が続々よみがえってくるはずです。 

バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71より 花のワルツ
上原彩子​​​​​​​

The Nutcracker - Ballet, Op. 71, Act II: No. 13 Waltz of the Flowers
Sir Simon Rattle​​​​​​​

 

ホルスト: 『惑星』より「木星」 


『惑星』というタイトルですが、天文学ではなく占星術から着想を得て書かれた組曲です。「木星」には“喜びをもたらすもの”という副題がついていて、活発な音楽が展開していきます。平原綾香さんの「Jupiter」は中間部の旋律に歌詞をつけたもので、すべてを包み込んでくれるようなスケールの大きさがあります。新しい一年の目標を立てるBGMにいかがでしょうか。


ウィリアム・スタインバーグ&ボストン交響楽団(原曲)
Holst: The Planets, Op.32 - 4. Jupiter, The Bringer Of Jollity

平原綾香​​​​​​​
Jupiter

 

ヨハン・シュトラウスI世: ラデツキー行進曲 ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートのアンコールでかならず演奏される一曲です。1848年革命の最中に、当時はオーストリア帝国領であった北イタリアの独立運動を鎮圧したヨーゼフ・ラデツキー将軍を称えて作曲されました。後拍にアクセントのあるリズム、装飾音の入ったテーマは力強さと同時に優雅さも湛えていて、どんなに疲れていても思わずシャキッとさせてくれます。 

Radetzky-Marsch, Op. 228
Wiener Philharmoniker/Gustavo Dudamel​​​​​​​

 

ベートーヴェン: ヴァイオリンソナタ第5番「春」 ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​


ヴァイオリンとピアノが会話するように進むこの曲は、優雅な歌と、転がるような速い音型が次々と交代していきます。あたたかさに包まれていて、聴いていれば冬の寒さを忘れさせてくれます。2017年に大変なことが続いた人も、新しい年はきっといいことがあるはず……と信じさせてくれるような期待がもてることでしょう。 ​​​​​​​

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 《春》 第1楽章: Allegro

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 《春》 第2楽章: Adagio molto espressivo

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 《春》 第3楽章: Scherzo. Allegro molto

ヴァイオリン・ソナタ 第5番 ヘ長調 作品24 《春》第4楽章: Rondo. Allegro ma non troppo

ジャンルカ・カシオーリ/庄司紗矢香

 

クライスラー: 愛の喜び


ウィンナ・ワルツのリズムにのって、華やかなメロディが演奏されていきます。楽しいメロディのためにそうとは感じないのですが、随所にヴァイオリンの高度な技巧が駆使されています。美しさや素敵さの陰には努力がつきもの。いつも優雅なあの人もきっと影ではものすごい努力をしているはず。気持ちを引き締める一曲にぜひ。

Liebesfreud
Ryu Goto/Philharmonia Orchestra/Christopher Warren-Green​​​​​​​

 

ラヴェル: ボレロ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​


ジルベスターコンサートでよく演奏されるため、すっかり年末の曲としておなじみのかたも多いかもしれません。終始同じリズムが反復され、メロディは2種類のみ、というシンプルな構成のため、オーケストラの楽器の違いと魅力を存分に堪能できます。少しずつ楽器が増え、音量を増して大団円で終わるこの曲とともに一年の終わりと始まりを迎えれば、素敵な日々が待っているかも……!? ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

ラヴェル: ボレロ​​​​​​​
フランス国立リヨン管弦楽団/レナード・スラットキン(指揮)

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