すのこ型エフェクターボードを作ってみた【Let's Do It Yourself!】

ギタリスト・ベーシストのこだわりと生き様が詰まった小宇宙、それがエフェクターボード。近ごろでは、アマチュアミュージシャン同士が、手塩にかけた盆栽を見せ合うかのごとく、自慢のエフェクターボードをネットにアップし合っています。そんな“足元の世界”をより華やかに彩るべく、今回は人気のすのこ型エフェクターボード製作に挑戦。前回のギタースタンドよりはやや難易度が低いので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください!
はじめに
設計図/カット図PDFはこちらよりダウンロードできます。
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1. 必要な材料と工具はこれ!
まずは木材を用意します。木材を購入し、ノコギリなどを使って自身で切断加工するのも良いですが、お店にお願いするのが断然ラクです。こうした切断加工サービスは、多くのホームセンターや木材通販サイトで行っていて、1カット50円程度だったりと金額的にもお手頃です。材の種類や塗装については前回記事を参照してください。また、グレードアップ版として底面の板を追加するのも良いでしょう。さらに、内部にパワーサプライを収納することもできるので、その際はあらかじめ側面に電源ケーブルを通すための丸穴も空けてもらうと、より美しい仕上がりとなります。
■用意する木材
・土台1(縦)「長さ300mm×幅90/30mm」×2
・土台2(前方)「長さ450mm×幅80mm」
・土台3(手前)「長さ450mm×幅30mm」
・横板「長さ450mm×幅50mm」×4
木材の切断加工
前回同様、今回も21mm厚のラワン合板から部材を切り出しています。東急ハンズでは「910mm×300mm×21mm」のラワン合板が1,880円(税別)。ワンランク上のシナ合板は、同サイズで2,365円(税別)。切断工賃はトータルで850円(税別)でした。
■木材以外で用意するもの
・面ファスナー(フック/ループ)各1.8m
・ゴム足(すべり止め)
・木ねじ「太さ3.8mm×長さ55mm」×16本
・木ねじ「太さ3.8mm×長さ32mm」×8本
・木工用ボンド
・ドライバー
・定規
面ファスナー
いわゆる「マジックテープ」。必ずフック起毛側(オス)、ループ起毛側(メス)が対になるように買ってください。シールタイプのものを選びましょう。東急ハンズでは1m当たり900円(税別)で、10㎝単位で購入できました(45cm×4=1.8m購入)。
ゴム足
厚さや大きさ、形状など、さまざまなタイプがあります。すべり止め素材を購入して、お好みの形に切って貼るというのも良いでしょう。
2種類の長さの木ねじを用意
木ねじは、頭が平らなものを選択。太さは3.8mmがおすすめです。長さは基本的に55mmのものを使いますが(14本必要)、部分的に少し短めの長さ32mmの木ねじも使用します(8本必要)。
木工用ボンド/ドライバー/定規
木工用ボンドは接合面に使用することで、より強度を高めます。工具はプラスドライバーが最低限必要ですが、できれば下穴をあけるためのハンドドリルやキリも用意したほうが良いでしょう(合板材ではなく無垢材を使用する場合は必須)。今回は、前回マメができてしまった反省を踏まえ、思い切って電動ドリル&ドライバーを導入しました。
今回も室内作業のため、100円ショップで購入したビニールシートを使用。そして、ケガ防止のためにも作業用の手袋や軍手を着用すべきです。ギタリスト/ベーシストたるもの、手のケガには要注意!
2. まずは「土台」を作成!
【「土台1」と「土台2」「土台3」の接合】
「土台1」と「土台2」「土台3」の接合からスタートです。ねじ穴の位置は目分量でも構いませんが、正確に測りたい方は、定規を使って計測しましょう。試しに定規なしでやってみたところ、見事にズレてしまいました(汗)。
ハンドドリル(電動がおすすめ!)やキリを使って、ねじ穴の位置に下穴をあけておくと作業がよりスムーズに。ただしドリルを使う場合は、ねじの太さよりも0.5~1mm程度細いドリルを使用しないと穴が緩くなって強度が下がってしまいます。また、ドリルの勢いで狙った位置からずれてしまうことも多いので注意が必要。ケガ防止のためにも慎重に作業してください。
「土台1」と「土台2」の接合
木材の両面を見比べ、美しいほうを外側に。下部に10mmの隙間を確保しているのは、ケーブル類を通せるようにするため。まずは電動ドリルやハンドドリルを使って下穴をあけます。後の工程でねじ同士がぶつからないよう、木ねじ4か所のうち上側の2か所には長さ32mmの短い方を使用してください。なお、より強度を高めたい場合は、接合面に木工用ボンドを塗ってから木ねじで固定します(さらに強度を高めたい場合は6点留めにしてください)。
「土台1」と「土台3」の接合
後で「横板」を乗せていくため、より簡単に製作したい場合は「土台3」はなくても構いませんが、今回は強度面を考慮して取り付けることにしました。まずは下穴をあけ、左右1か所ずつ、長さ32mmの短い方の木ねじを打ち込みます。
「土台1」と「土台2」「土台3」の接合が完了しました。床に置いてがたつきが出る場合は、前回記事を参考にして、できる限りこの時点でゆがみを解消しましょう。
3. エフェクターを乗せる「横板」を接合
「横板」4枚を土台に接合していきます。前方の2枚がエフェクター1列目、手前の2枚がエフェクター2列目になる想定です。「横板」の間隔は、均等に30mmとしましたが、実際に配置するエフェクターのサイズに応じて調整してもらってももちろんOKです!
【「土台」と「横板」の接合】
「横板」の1枚目(もっとも前方)と「土台2」の間には、ケーブル類を通すための10mmの隙間を確保します。また「土台」同士を接合している木ねじに当たってしまうことを防ぐため、「横板」1枚目の上側2か所と4枚目(もっとも手前)の下側2か所には、長さ32mmの短い方の木ねじを使用してください。なお、特に「電動ドリル&ドライバーって最高だな!」と感じたのがこの工程。16か所もの下穴あけ~ねじ締めを行いますが、時間がかからず、しかも疲れません。
4. 面ファスナーとゴム足を接着して完成!
「横板」4枚に貼る面ファスナーを各45cmの長さに切り分け、貼り付けます。エフェクターの裏側にも、面ファスナーを貼り付けます。注意点は、フック起毛面/ループ起毛面をボード側とエフェクター側で決めて、間違えないようにすること。ゴム足は貼り付けるだけなので超簡単です。
面ファスナーを貼り付ける
「横板」側はループ起毛面、エフェクター側はフック起毛面など(逆でも可)、決めて統一しておきましょう。
ゴム足を装着
すべり止めタイプがおすすめ。すべり止め機能を重視したい場合は、なるべく強力なタイプのすべり止め素材をカットして接着すると良いでしょう。また、この段階でがたつきがある場合は、ゴム足やすべり止めの厚さで調整することも可能です。
完成!
構造がシンプルなので、「エフェクターを3列にしたい」とか「横幅をもっと広く」など応用も簡単です。今回のサイズに限らず、ぜひご自分にぴったりのエフェクターボード作りにもトライしてみてください。
ライブやリハーサルなどで外に持ち出したい場合は、やはりケースが必要です。大きく分けてハードケースとソフトケースがありますが、すのこタイプは高さがあるので、特にハードケースの場合は高さ(厚み)に注意して購入しましょう。
「エフェクターケース」の検索結果一覧
いかがでしたか? 木材よりも面ファスナーのほうが値が張るという何とも不思議な原価バランスでしたが、なかなかお値打ちですよね。ぜひ、みなさんの“作ってみたレポート”をお寄せください。それでは、充実のDIYライフを!
協力
Premium Guitar Square
神奈川県小田原市に工房を構え、ギターやスピーカーキャビネット、家具の製作を行う。多くのギタリストも絶賛愛用中のカスタムギターブランド「Kigoshi Guitar」を展開し、『2016楽器フェア』に続き、『2018楽器フェア』にも出店を果たした。
http://www.guitar-square.com
http://www.kigoshi-guitar.com
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