音楽的感覚も養える! Shinya(DIR EN GREY)が語る魅惑のボードゲーム【My Favorite Things】


“痛み”をキーワードにした唯一無二の世界観で、日本のみならずワールドツアーも行い、世界中のファンを魅了しつづけているバンド・DIR EN GREY。
そのDIR EN GREYのドラマー・Shinyaは、実は有名なボードゲーム愛好家だ。
おススメのボードゲームBEST3を挙げながら、音楽とボードゲームの意外な関係を語ってもらった。

ボードゲームにハマったきっかけは、「ドブル」「ワードバスケット」「おばけキャッチ」!

Shinya(1)

 

―Shinyaさんのボードゲーム好きは業界では有名なそうですが、一体いくつ持っているんですか?

Shinya:ボードゲームにハマって2年ぐらいなんですが、ざっと数えて200個ぐらいは持ってます。

―始めたきっかけは?

Shinya:友達に本郷奏多っていう役者がいるんですが、彼もボードゲーム好きで。彼の家に行った時に、「おばけキャッチ」と「ドブル」と「ワードバスケット」の3つを初めてやったんです。面白すぎてその場で注文しました。それが…4年ぐらい前ですね。

https://www.instagram.com/p/Bj668C2nU05/
自身のブログマガジン「ShinyaChannel」でも紹介されるボードゲームコレクション

 

―200個ほどのコレクションの中から今日はいくつかを持ってきてもらってますが…例えば、今、名前が挙がった「ドブル」はどんなゲームなんですか?

Shinya:めっちゃ簡単です。全部で55枚のカードがあるんですが、それぞれのカードには50種類以上あるマークの中から8種類のマークが描かれています。で、カードを2枚引き、2枚のカードに1個だけ共通しているマークを早く言っていくゲームです。

 

Shinya(2)

 

―なるほど…。この2枚だと…えーと…ハートですね!

Shinya:そういう風にいち早く「ハート!」って共通のマークを言った人がカードをもらえて、また次の1枚を引いて、共通のマークを言い当てます。簡単でしょ?

―簡単ですが…馴れないせいかなかなか言い当てられないです。Shinyaさんは直ぐに言い当てられますか?

Shinya:1秒で十分ですね。

―1秒で!? ちなみに、これはどこ国のゲームですか?

Shinya:フランスです。とにかくめっちゃ盛り上がります。で、ゲームとしては最後までやって一番多くカードを持っている人が勝ちです。小学生でも分かるルールで大人も盛り上がれます。

―最初にやった時はどうでした?

Shinya:こんな面白いものがこの世にあったのかって思いましたね。

―最初から1秒とかでわかりましたか?

Shinya:ええ割と。でも、最初は1秒よりはもうちょっとかかりましたけどね。

―最初から早かったんですね。

Shinya:早い人はもう瞬間でわかりますね。でも、出てこない人は10秒ぐらい考えても出なかったりします。​​​​​​​

―その差っていうのは何でしょうか。反射神経?

Shinya:何の力の差なのか分からないですけどね。​​​​​​​

―いつもはどういう風にボードゲームをするんですか?

Shinya:ミュージシャンから経営者、役者…多い時は15人ぐらい定期的に僕の家に人を集めて開催しています。週に何回もやるときもあります。​​​​​​​

―週に何回も!?それは、かなり熱くなりそうですね。

Shinya:すごく熱いですよ。だいたい夜9時、10時に集まり出して、朝5時まではやってますから。​​​​​​​

 

Shinya(3)

 

―お酒も嗜みながら?

Shinya:昔は飲みながらやって負けたらテキーラを飲んだりしていたんですが、今はガチになりすぎて一切お酒を飲みながらはやらないです。しかもテーブルにお酒を置いていると絶対誰かがお酒をこぼすんですよ。だからボードゲームをやる時はテーブルから瓶、グラス、液体を排除します。​​​​​​​ただし、コンパクトで持ち運びが可能なので、飲み会に持っていくこともあります。実際「ドブル」はよく飲み会に持っていきますね。​​​​​​​

―さっき名前が挙がった「ワードバスケット」はどんなゲームですか?

Shinya:これは日本のゲームで、わかり易く言えば、「しりとりゲーム」です。プレイヤーのボキャブラリーが試される。とは言え、子どもでも出来ます。​​​​​​​

―傾向としてどの国のゲームがすごいんですか?

Shinya:やっぱりドイツが段違いですね。この間DIR EN GREYツアーでヨーロッパに行き、ヨーロッパ中のショップを巡ったんですけど、ドイツが圧倒的でした。​​​​​​​

―今日は、持ってきて頂いたボードゲームを実践しながら紹介してもらっていますが……。

Shinya:そうですね。なかでも割とよくやっているやつを持ってきました。​​​​​​​

 

200種類を誇る圧巻のボードゲームコレクションから、Shinya的ベスト3を発表!!


―これだけあると難しいかもしれませんが、Shinyaさんお気に入りボードゲームベスト3を選んでいただければと!ではまず第3位から!

Shinya:第3位は「ナンジャモンジャ」ですね。​​​​​​​

 

Shinya(4)

名前をつけて早く呼べ!http://nanjamonja.jp/

 

―どんなゲームですか?

Shinya:ロシアの単純な記憶力ゲームです。頭と手足だけの謎生物“ナンジャモンジャ族”12種類のカードを参加メンバーが順番にめくっていきます。で、めくった人が出てきたキャラクターに思い付きの名前を与えます。例えば「キュウリちゃん」とか。で、後で同じものが出たら、その名前をいち早く叫んだ人がカードを獲得し、集めた枚数を競うカードゲームです。​​​​​​​

 

Shinya(5)

 

―記憶力かぁ……難しそうですね。

Shinya:適当に付けられた名前を全部覚えるのは大変そうに思いますが。それが不思議とやっていると全部覚えているんですよ。もう誰もが覚えているんです。でも、言い間違えた時に笑いも起きて、盛り上がります。​​​​​​​

―では、第2位は?

Shinya:ドイツのゲーム、「おばけキャッチ」ですね。​​​​​​​

 

Shinya(6)

反射神経が求められる! https://www.youtube.com/watch?v=eVP-bJy-v-o

 

Shinya:ルールは簡単。白いおばけ、青い本、緑のビン、赤いイス、鼠色のネズミ、全部5つのコマがあります。で、参加者は順番に山札を引いていきますが、パッとカードを出した時に、カードに対応するコマを早く取った人が勝ちです。基本ルールはこれだけです。反射神経系のゲームですね。

―では第1位は?

Shinya:目下一番好きなゲーム、「ごきぶりサラダ」ですね。​​​​​​​

 

Shinya(7)

素早い判断が肝! https://www.youtube.com/watch?v=jCmWG93XnZ4

 

Shinya:ちょっと頭使うんですが、ルールはめっちゃ簡単です。皆同じ数だけカードを持って一人ずつカードを出すんですよ。カードは、パプリカ、レタス、トマト、カリフラワーの全部で4種類。カードが裏面の状態からパッと出して、出た名前の野菜を出した人が言うんです。ただルールが一個あって、前の人が言ったカードの野菜を言っては駄目なんです。もしパプリカが前に出たら、パプリカ以外を言うんですよ。で、負けたらカードを全部引き取り、最初に手持ちのカードがなくなった人が勝ちです。​​​​​​​

―4つしかカードの種類がないということはかなりスピーディーにやっていくんですか?

​​​​​​​Shinya:はい。我が家でやる場合はちゃんとクリックを鳴らしてやります。​​​​​​​

―ゲーム用に自分でリズムを作ったり?

Shinya:さすがにそれはしないですが(笑)。でも、僕はドラマーなのでリズムには厳しくやります。特に、もしミュージシャンが集まったらそこのタイミングはめっちゃシビアにやります。リズムの前ノリとかはなしで、ジャストじゃないとダメです。違うジャンルの人ならちょっとずれるぐらいはありです。それでもまあ0.25拍ぐらいならOKですね​​​​​​​。

―厳しい(笑)! ベスト3はどれも買ってやってみたいですが、他に何かおススメはありませんか?

Shinya:これもカードゲームなんですが「トマトマト」も面白いです。単純に早口言葉的なもので滑舌が試されるゲームです。内容は、「トマト」「マト」「マ」「ト」「ポテト」のカードをシャッフルして並べていき、並べられているカードを順に読み上げるというゲームです。それぞれ自分の読み上げ番終了時に新たにカードを追加して並べていくので、どんどん読み上げなければならない言葉が長くなります。例えば、まずカードをめくって『マト』なら『マト』って言うんです。次めくったら『マ』だとしたら『マトマ』って言うんです。それがどんどん増えていって、噛んだ人が負けです。​​​​​​​

 

スラッシュメタルより速く!BPM300のクリックを鳴らしながら、ゲームに没頭


―これもShinya家でやる時はテンポが重要

Shinya:
テンポはBPM300ぐらいでやってますね。なのでスラッシュメタルより速いです。​​​​​​​

―そういう面ではリズム感をキープできるかもしれないですね。「ドラマーを目指す君はこれをやりなさい!」みたいな。

Shinya:「トマトマト」はボーカリストにもいいんじゃないですか?滑舌を鍛えるにはピッタリですね。​​​​​​​

 

Shinya(8)

 

―なんか音楽的な感覚も養えそうですが、Shinyaさん自身は、ボードゲームをやることで曲作りやプレイに役立つことはありますか?

Shinya:僕は結構頭を使うのが好きなんですよ。DIR EN GREYの曲もめっちゃ頭使うんですよね、特にドラムは。譜面を覚えるのも超絶頭使うし、その辺に役立っているかなって思いますね。あと……。​​​​​​​

―あと?

Shinya:あと、何人かでやるわけですが、ゲームによって反射神経、記憶力……と試される能力が違うので、この人とはこういう仕事なら一緒に出来るなぁと判断したりできますね。逆に言えば、その能力を鍛えるのにもボードゲームは役立ちますね。​​​​​​​

―では、さっき言っていた譜面を覚える用に記憶力を鍛えるとしたら?

Shinya:記憶力を鍛えたいなら「ナンジャモンジャ」ですね。​​​​​​​

―では、ボーカリストにお薦めなのは?

Shinya:さっき言ったように、リズムと滑舌を試される「トマトマト」ですね。​​​​​​​

―ドラマーにお薦めなのは?

Shinya:「ごきぶりサラダ」ですね。これは是非BPM120ぐらいでやって欲しいです。​​​​​​​

―逆にゆっくりなテンポを鍛えるゲームは?
​​​​

Shinya:ないですね。でも初心者が集まるとゆっくりからやります。BPM80ぐらいからやりはじめます。​​​​​​​

―どのゲームもコンパクトなのでライブツアーにも持って行けますね!

Shinya:ツアーには持っていかないですね。やる相手がいないので(笑)。​​​​​​​

 

Shinya(9)

 

―(笑)。ツアーと言えば、DIR EN GREYは去年の9月に4年振りのニューアルバム『The Insulated World』がリリースされ、アルバムのツアー『TOUR19 The Insulated World』が3月20日から始まりますね。当然アルバム『The Insulated World』からの曲が?

Shinya:ほぼメインです。​​​​​​​

―新しい曲を演奏するのは楽しいですか?

Shinya:楽しいですが、初めてのツアーの時は大変ですね。もう一回思い返さないと駄目なんで。『The Insulated World』を録ったのは去年の夏なので、ちょっともう覚えていない(笑)。​​​​​​​

―そうなると、記憶力のポリッシュアップにボードゲームは不可欠ですね。

Shinya:それは言えますね。​​​​​​​

―ちなみに、これだったらShinyaさんが絶対に負けないゲームはどれですか?

Shinya:おばけキャッチ」は割と負けない。​​​​​​​

―逆に苦手なのは?

Shinya:あんまりないです。大体平均的にできます。​​​​​​​

―10人ぐらいで集まってコテンパンに負けたりすることは?

Shinya:ないです。1番か2番しかないですね。色んな外部のボードゲーム会に行っても、だいたいそんな順位にはなります。​​​​​​​

―道場荒らし的な?

Shinya:そうですね(笑)。でも運を使うゲームもあるんですよ。サイコロを振ったりとか。そういう場合は負けたりしますけど、今日ピックアップしたゲームは実力がでますよね。で、そういうボードゲームが好きですね。​​​​​​​

―ボードゲームのプロっているんですか?

Shinya:いますね。「カタン」っていうのが一番有名なボードゲームで大会があります。​​​​​​​

―そういう大会には出ようと思わないんですか?

Shinya:そういう欲求はないですね。僕は誰でも楽しめるものを広めていって、ブームを起こすのが役目だと思ってるので。今回紹介したものは、初心者にもとっつき易い。音楽をやってる人は特に、挑戦してみてほしいですね。​​​​​​​

 

Shinya(10)​​​​​​​

 


●Shinya

DIR EN GREY、SERAPHのドラマー。
趣味は、チェブラーシカ、ボードゲーム、謎解き、サバイバルホラーゲーム「Dead by Daylight」。

http://www.co-yomi.com/shinya/
https://www.instagram.com/shinya_official/
http://www.pearlgakki.com/drum/artist_win/s_shinya/


 

●DIR EN GREY

http://direngrey.co.jp/

 

"TOUR19 The Insulated World"

3月15日(金) 神奈川CLUB CITTA'-「a knot」only-
3月20日(水) 東京Zepp Tokyo
3月29日(金) 宮城 東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)
3月31日(日) 北海道Zepp Sapporo
4月4日(木) 福岡Zepp Fukuoka
4月6日(土) 愛媛 松山市総合コミュニティセンター
4月12日(金) 広島JMSアステールプラザ・大ホール 
4月15日(月) 東京 新木場STUDIO COAST 
4月16日(火) 東京 新木場STUDIO COAST
4月19日(金) 愛知Zepp Nagoya 
4月25日(木) 大阪なんばHatch
4月26日(金) 大阪なんばHatch

http://direngrey.co.jp/tour/

 


Text: ジョー横溝
Photo:TAWARA
Edit:仲田 舞衣

撮影協力:バカルディ
https://www.bacardijapan.jp/

【My Favorite Things】
アーティストが自身のこよなく愛する〝My Favorite Things〟を語り、彼らのクリエイティヴの源泉に迫るインタビュー企画

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