ギター初心者の“カベ”攻略法~アコギ編~【Go!Go! GUITAR プレイバック】

miwa やLiSAをはじめ、さまざまなアーティストのサポートギタリストとして活躍中の生本氏を講師に迎え、アコギにありがちな“カベ”の解決方法を伝授してもらった!
■HURDLE 1 ストローク(右手)の動きがぎこちない
あるある度:★★★☆☆
原因:手首と肘の動きが硬い
解決策:脱力しつつ手首と肘の動きを連動
●生本先生によるワンポイントアドバイス!
腕をしならせるイメージで肘と手首を連動させて弾く
「ストロークで大事なのは脱力することと、腕をしならせるイメージで肘と手首を連動させて弾く。あとは、弦に対してなるべく水平にピックを当てて、ピックが弦に深く入りすぎてしまうと引っかかってしまうのでピックを持つ力は必要最低限で。最初は大きな音量を意識しないで、キレイに鳴るようになってから音量のコントロールをできるようにしましょう」(生本)
NGあるある
手首が固まってロボットのような動き!
▲ビギナーにありがちなのが、右手に力が入り棒のように真っ直ぐになっている状態。それだとぎこちないプレイになってしまうので、肘から下をしならせるイメージで右手を振ろう。手首の力を抜いて、ひたすら1コードで反復練習をしよう。
ズバッと解決!
脱力しながら肘から下をしならせるイメージで
▲右手を振り下ろすと同時に、手首もしならせて下方向に振るイメージで弾く。まずは弦をなでる感覚で、キレイに鳴らすことを意識する。
理想的なピックの当て方
▲ピックを持つ力も最小限に。弾いててピックがズレる場合は、ムダな力が入っていたり、深く当たっているということなので注意。
■HURDLE 2 コードを鳴らしてもクリアな音が出ない
あるある度:★★★☆☆
原因:鳴らしていけない弦を弾いている
解決策:親指で弦をミュートする
●生本先生によるワンポイントアドバイス!
ギターは音を出すより止めることのほうが難しい
「たとえばDコードの場合、6弦を鳴らしてしまうとコード感が濁ります。ミュートすべき弦はコードごとに違うので、この弦は鳴らしていい音なのかダメな音なのか、“×” は絶対に弾かない意識を常に持つことが大事です」(生本)
NGあるある
低音弦が鳴っている
▲Dコードの場合、6弦は弾いてはいけない。ダイアグラムで「×」と書かれた弦は弾かない弦なので、意識してチェックするようにしよう。
ズバッと解決!
親指で弦をミュート
▲「×」が書かれた弦はミュート、つまり音が出ないようにしておく必要がある。低音弦の場合は、写真のように親指で触れてミュート。
■HURDLE 3 バレーコードが鳴りません!
あるある度:★★★★★
原因:正しいフォームで押さえていない
解決策:効率良くセーハできるフォームを習得
●生本先生によるワンポイントアドバイス!
最初から1フレットで弾く必要はないんです
「バレーコードは親指の位置が大事です。親指をしっかりネック裏の中央に当てて、人差指と親指でネックを挟み込むようなイメージで押さえます。押さえるのはフレット寄りで、人差指のやや側面で押さえます。人差指以外の指は立てましょう。あと、最初は1フレットじゃなくて3〜5フレットあたりで練習する。テンション(弦の張力)的に1フレットが一番押さえづらいので。バレーコード=Fのイメージだから、1フレットで弾こうとするけど、最初から1フレットで弾く必要はないんです。あとは、バレーコードのマイナーセブンスってめっちゃ押さえづらいので、そこでつまずいて諦めるくらいだったらマイナーで代用しても大丈夫です」(生本)
NGあるある
親指の位置が悪い
▲バレーコードは人差指と親指でネックを挟むのだが、親指の位置が下すぎると力が入らないので注意。
指が寝てしまっている
▲押弦する際、指が寝ていると弦に触れてしまうため音が鳴らない原因につながる。爪を短くしておくことも大切だ。
ズバッと解決!
親指はネック裏中央
▲人差指と親指でネックを挟むように、親指はネック裏中央に当てよう。指をカポに見立ててネックを挟む感覚だ
指はしっかり立てる
▲バレーコードに限らずだが、コードを押さえる際は指をしっかりと立てる。押さえる場所はフレット寄りだ。
m7はmで代用してもOK
▲たとえばFm7を押さえる場合、全弦をしっかり鳴らすのは難易度が高いため、Fmで代用してもOK。
押弦しやすいポジションでトライ
▲1フレットはテンションが高く弦を押さえづらい。まずはテンションの緩い3〜5フレットあたりで練習しよう。
もしかしたらギター自体に問題が!?
「初心者にありがちなのが、ギターそのものが弾きにくいためにバレーコードが押さえられない場合。弦高が高くても、初心者にはそれがわからないから。なので、可能であれば楽器屋さんにギターを一度見てもらって、ある程度弾きやすいコンディションにしてもらいましょう。単純にギターのコンディションが悪いだけで、ギターを諦めちゃう人って多いと思うので」(生本)
■HURDLE 4 アルペジオで違う弦を弾いてしまう
あるある度:★★★★☆
原因:弦の感覚・距離感を把握していない
解決策:右手に弦の位置を叩き込む
●生本先生によるワンポイントアドバイス!
アルペジオのピッキングパターンには法則があります
「独学の人は、ダウン/アップピッキングを感覚で弾いていると思うんですけど、法則があります。4弦を弾くとして、その次に弾く弦が下(高音弦)の場合4弦はダウン、次に弾く弦が上(低音弦)の場合4弦はアップで弾きます。これを覚えれば、弦跳びアルペジオのピッキングパターンも把握できるし、無駄な往復運動やミスがなくなる。あとは弦の距離感をつかむ練習を行うこと!」(生本)
NGあるある
右手が不安定でブレる
▲右手を安定させないと、ピッキング中に右手が動いてしまいミスピッキングにつながる。
ズバッと解決!
右手を安定させる
▲手首付近をボディに当てて弾くことで、フォームが安定してミスピッキングが減る。小指をボディに当てるのも有効。
アルペジオのピッキングパターンと弦間隔を体得する練習
▲6弦から2弦までダウン、1弦から6弦までアップで弾く。法則に則り1弦はアップで弾く。
▲1弦ずつ弦をまたぐアルペジオ。違う弦を弾いてしまわないよう、弦の間隔を意識して弾こう。
▲2弦分またぐ難易度の高いアルペジオ。これらのピッキングを繰り返し練習して慣れよう
(月刊Go!Go!GUITAR 2019年02月号に掲載した内容を再編集したものです)
Edit:溝口元海
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