自分に合ったフォームってナンだ!?ピッキングフォーム研究部【Go!Go! GUITAR プレイバック】


ついつい左手(運指)に意識が行ってしまいがちだけど、音色のニュアンスを左右するピッキングフォームもかなり大事! 自分に合ったスタイルを探そう!

 

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1. ピックの持ち方
ピックの持ち方は主に演奏性を左右。弾きやすさ、持ちやすさを自分なりに試してみよう。

2. ピッキングのアングル
弦に対してどのような角度でピックを当てるかによって、トーンは変化する。

3. ピッキングの位置
トーンの硬さ、柔らかさを左右。手軽な方法だが効果は大きい。曲中で弾き分けられるのが理想的。

4. 右手の振り方
トーンに影響を及ぼす右手の振り方。演奏スタイルによって使い分けたい。

5. ギター位置の高さ
右手の振り方と密接な関係にあるギターの高さ。見た目の印象も大きく左右する。

 


 

ピッキングフォーム(2)

ピックの先端をどのくらい出すのか、中指・薬指・小指を開くのか閉じるのか。演奏性やトーンも変化するので、自分のプレイスタイルに合わせて選ぼう。
 

ピッキングフォーム(3)


◉一般的な持ち方

ピッキングフォーム(4)

▲人差指と親指の交点が、ピック中央付近にくるように持つ。持ちやすく、あらゆるプレイに万能に対応する。

◉ピックを深めに持つ

ピッキングフォーム(5)

▲ピックを深めに持つことで、ピック先端の小回りが利くため、速いフレーズに有利になる。

◉ピックを浅めに持つ

ピッキングフォーム(6)

▲速い単音弾きでは不利だが、ピックのしなりを生かした軽快な弾き心地で、ブライトな音色が期待できる。
 

ピッキングフォーム(7)

◉中指・薬指・小指を開く

ピッキングフォーム(8)

▲中指・薬指・小指を開くことで右手が脱力されるので、ストロークはやや軽やかな印象になる。

◉握り込むようにピックを持つ

ピッキングフォーム(9)

▲握り込むことで“塊感”が出るため、カッティングなど手首のスナップを効かせたプレイでタイトな音色を演出。

ピッキングフォーム(10)

演奏性やトーンをも左右するピッキングフォームの最重要項目!
持ち方にはさまざまなバリエーションがあるが、まずは紹介した持ち方を試してみて、しっくり来るものを選ぼう。ひとつの持ち方に固執する必要はないので、状況に応じて持ち方を変えてみるのもいいぞ。ピック形状との相性もあるので、ピック選びから始めるのも手だ。
 

ピッキングフォーム(11)

上で紹介した持ち方はあくまでも一般的な持ち方で、歴史的ギタリストの中にはかなり特殊な持ち方をしている人も少なくない。ブルースギタリストのスティーヴィー・レイ・ヴォーンは、ティアドロップ型の先端ではなく丸い箇所で弾くことで太くリッチなトーンを出した。ピックと指との接触面が広くなるので、グリップが安定するというメリットもある。他にも、パット・メセニーやボブ・マーリーのように、人差指・中指・親指でピックをつまむように持つ偉人も。どれも特殊な例だけど、柔軟な発想を持つことがオリジナリティにつながるのだ!

ポール・ギルバート流フォーム

ピッキングフォーム(12)

▲親指と中指でピックを挟み、人差指を添えるというフォーム。グリップが安定し、さらにピッキングの角度をつけやすい。

 


 

ピッキングフォーム(13)

弦に対して、ピックをどのような角度で当てるのかを“ピッキングアングル”と言う。大まかに3種類あるので、それぞれの特徴を見ていこう。

◉順アングル

ピッキングフォーム(14)

▲ロック系で用いられることが多い。ピックと巻き弦との摩擦により、ジャリッとした迫力のある音色が得られる。

◉平行アングル

ピッキングフォーム(15)

▲ピックを弦に対して平行に当てるピッキング。ピッキングの基本形で、弦を効率良く振動させることができる。

◉逆アングル

ピッキングフォーム(16)

▲順アングルと真逆。芯のある太い音が特徴だが慣れないと難しく、弾き心地はギター位置の高さに左右される。

ピッキングフォーム(17)

アングルによって音のニュアンスはかなり変わる
3種類のピッキングアングルを自在に弾き分けられるようになると、当然ながらギターの表現力はかなり向上する。ピックを持つ人差指と親指で、ピックの角度をコントロールしよう。

 


 

ピッキングフォーム(18)

弦のどこをピッキングするかによってトーンが変化する。ピッキングで手軽にトーンをコントロールできる手法として定番なので、さっそく取り入れよう!

弾く場所によって音の硬さが変わる

ピッキングフォーム(19)

▲リアピックアップ/フロントピックアップ付近で弾き比べると、トーンの違いがわかるはず

ピッキングフォーム(20)

ブリッジ寄りになるほど硬質な音に!
ブリッジに近いほど弦の張りも増すため、弾いたときにブライトかつ硬質な音色を得ることができる。反対にヘッド寄りになるほど張りが弱まるので、柔らかいトーンが得られるのだ。

 


 

ピッキングフォーム(21)

右手の振り方のバリエーションは、肘と手首を支点に振る/手首を支点に振る/腕全体で振るという3種類に大別できる。

肘と手首を支点に振る!

ピッキングフォーム(22)

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ピッキングフォーム(23)

▲8ビート主体のストロークをメインで弾くならコチラ。肘をボディに当てて弾くと、右手のフォームが安定するぞ。

手首のスナップを効かせて弾く!

ピッキングフォーム(24)

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ピッキングフォーム(25)

▲カッティングプレイや単音弾きでは、手首のスナップを中心とした弾き方がオススメだ。

腕全体を使って大胆に振る!

ピッキングフォーム(26)

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ピッキングフォーム(27)

▲見た目のインパクトも強烈な弾き方。右手全体を振ることで、豪快な印象とトーンが得られる。パンク系の定番。

ピッキングフォーム(28)

プレイスタイルによって使い分けよう!
右手全体を振るピッキングは、とにかく見た目も派手なので、パンキッシュなプレイにオススメしたい。その他の振り方は、手首の脱力を意識して弾こう。

 


 

ピッキングフォーム(29)

ギター位置の高さを変えることで、演奏性や見た目が変わるだけでなく、ピッキングのアングルにも影響する。

おへそがボディの中心付近にくる一般的な高さ

ピッキングフォーム(30)

▲ギターを座って構えたときと同じくらいの高さで、高い演奏性をキープできるのがコチラ。オールマイティなギター位置だが、見た目の印象は良い意味でも悪い意味でも無難。ギターの高さはルックスを大きく左右するので、そのあたりも考慮して決めたい。

高く構える場合

ピッキングフォーム(31)

▲テクニカルなプレイに最適で、逆アングルがやりやすくなる。

低く構える場合

ピッキングフォーム(32)

▲低く構えることで自然と順アングル気味になり、右手は振り下ろす形に。

ピッキングフォーム(33)

一般的な高さからまずは始めよう
ギターを低く構えるフォームはとてもカッコいいけど、演奏性はそのぶん悪くなる。強いこだわりがなければ、一般的な高さを中心に微調整していこう。


(Go!Go!GUITAR 2016年12月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海