サウンドが生まれ変わる!エフェクターのつなぎ方 前編:基本的な接続順を学ぼう【Go!Go! GUITAR プレイバック】


変幻自在のサウンドを生み出す“魔法”のようなツール、それがエフェクターだ! ここでは接続順のセオリーを学びつつ、正攻法をあえて外した接続順も伝授! 自分だけのサウンドを手に入れちゃおう!

まずは基本的な接続順をマスターして自分だけの音作りを追求しよう!

数多くのブランド/モデルが存在するエフェクター。本誌読者でも愛用している人は多いと思うけど、ちょっと待って! エフェクターの接続順をちゃんと考えているかな? エフェクターは接続の順番で効果が変わり、接続順を誤るとモデル本来のポテンシャルを発揮できないこともあるのだ。ただし、接続順には基本的なルールやセオリーはあるものの、それに縛られすぎると個性が出せないのも事実。どちらにしても基礎を押さえた上で、エフェクターを入れ替えたりして自分ならではの“個性”を模索していこう!
 

エフェクター接続の三大原則を知っているか!?

 原則その1 
後に繋いだエフェクターの効果が強調される!
エフェクターの基本的な仕組みは、“入力信号に対してエフェクトがかかる”ということ。たとえば、オーバードライブのあとにディレイをつなぐと歪んだ音に対してディレイがかかり、ディレイのあとにオーバードライブをつなぐとディレイ音にも歪みが加わる。

 原則その2 
信号の流れは「ギター→エフェクター→アンプ」!
“エフェクターにつないでも音が出ない原因ランキング”上位なのが、インプットとアウトプットを逆に接続しているパターンだ。また、右側にインプット、左側にアウトプットがついたモデルが多いので、基本的には右から左へと接続していく形になるぞ! 

 原則その3 
ケーブルの差しっぱなしは電池を消耗!
電池で駆動させる場合、スイッチがオフの状態でもインプットにプラグを差しっぱなしにすると電池は消耗してしまう。また、電池が切れた状態で放置すると電池が液漏れを起こし、機器の破損につながることも。長い期間使わない場合は電池を外しておこう。
 

エフェクター接続のセオリーはコレだ!

エフェクターの接続前編(1)

❶フィルター系
(イコライザー/ワウ/オートワウ)
 

エフェクターの接続前編(2)
 

ギターの周波数を自在にコントロール
フィルター系とは文字通り、入力信号に対して“フィルター”をかけるかのように音の帯域をコントロールするペダルのこと。代表的なワウはペダルの踏み込み具合でギターの周波数帯を変化させることができ、オートワウはピッキングの強弱によって帯域が変化する。これらのフィルター系は、一番最初にセッティングすることが多い。

 POINT 1 
ワウは歪み系のあとにつなぐと効果も強烈!

図2.png

ワウは歪み系の前か後に接続するかで効果が変わる。前に接続するとナチュラルなワウの効果が期待でき、後に接続すると強烈な効きになる。歪ませた音でワウを強調させたい場合は後に接続だ!

 POINT 2 
イコライザーは歪みの前後で効果が変わるぞ!
任意の帯域をブースト(強調)/カットするのがイコライザーだ。歪み系ペダルの後に接続すると歪みの音色を補正し、前に接続するとイコライザーによってブースト/カットされた独特の歪みを生み出すことができる。

 

歪みの後に置く場合

図3.png
 

歪みの前に置く場合

図4.png

 

ダイナミクス系
(コンプレッサー/ボリュームペダル)

エフェクターの接続前編(3)

入力レベルを上げ下げして音量を変化!
ダイナミクスは“音の強弱”という意味で、エフェクターにおいては音量を操作するペダル全般を指す。その代表格がコンプレッサー(通称コンプ)で、入力信号が設定したレベルよりも大きければ音量を下げ、反対に小さければ音量を上げたりと、音を整える効果を持つ。

 POINT 
ボリュームペダルで歪み量が調整できる!?

図5.png

ボリュームペダルは歪み系の前か後かで用途が変わる。歪み系の前に接続するとギターの音量と同時に歪み量も変化し、歪み系の後に接続すると、純粋に音量のみの調節に。

​​❸歪み系
(オーバードライブ/ディストーション/ファズ)

エフェクターの接続前編(4)


組み合わせによって効果が大きく変わるペダルの主役
歪み系は3種類に大別され、オーバードライブ/ディストーション/ファズとキャラクターは大きく異なる。歪みの正体は、信号の過大入力による音の“潰れ”。歪みは複数台を同時にオンにすることも多いが、その場合、ツマミのセッティングや順番によって効果が異なるので注意。メインの歪みを決めて、それに他の歪みペダルを重ねると考えよう。

 POINT 1 
ギター直後につなぐべきファズもある!?

図6.png

ファズは大きく分けてゲルマニウムファズとシリコンファズの2つに分類される。基本的に歪み系の最後に接続することが多いが、ゲルマニウムファズはギターの直後に接続しよう。

 POINT 2 
巷で話題のブースターはどこにつなぐべき!?
音の信号を増幅させる効果を持つブースター。歪み系との相性は抜群で、歪み系の前に接続すると入力を持ち上げることで歪みが深くなり、後につなぐと歪みはあまり変わらず音量を持ち上げることができる。

❹モジュレーション系
(コーラス/フランジャー/フェイザー/トレモロetc.)

エフェクターの接続前編(5)


音に揺らしと広がりをもたらす“揺らし系”
周波数や位相を変化させることで、音を揺らす効果を持つのがモジュレーション系だ。それぞれが特徴のある効果を持っていて、同時にオンにすることも少ないため、モジュレーション系同士の順番を気にする必要はないだろう。残響系よりも前につなぎ、それ以外のモジュレーション系同士のエフェクターよりも後に接続するのが基本だ。

 POINT 
残響系と入れ替えてもOK!?
モジュレーション系は残響系の前に接続することが多いが、厳密に決まっているわけではない。“後に繋いだエフェクターの効果が強調される”ことを意識しながら、プレイスタイルや目指すサウンドに応じて入れ替えてみよう。

❺残響系
(ディレイ/リバーブ)

エフェクターの接続前編(6)


さまざまなシチュエーションでの残響音を演出
音に奥行きと広がりをもたらすペダルが残響系。ディレイやまびこ効果を与え、リバーブは狭い部屋から広いホールまで、さまざまなシチュエーションでの残響音を作り出す。あえて歪み系の前にディレイを接続することで、残響音を大胆に強調させることも!


(Go!Go!GUITAR 2016年6月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

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