『MusiClavies』×ヤマハ楽器店のコラボ!キャラクターが、すぐ隣で楽器の魅力を教えてくれる?


2019年にスタートした、楽器の擬人化プロジェクト『MusiClavies(ミュージックラヴィス)』。そのプロジェクト第1弾として、5人のキャラクターによるドラマCDが昨年リリースされた。そして2020年1月には、ヤマハミュージック 大阪なんば店で、グランドピアノのフォルテ(CV.小松昌平)が楽器各種の解説をしてくれるという音声ガイド企画が実施され、2月には名古屋店・銀座店での追加開催も決定した。この機会に、『MusiClavies(ミュージックラヴィス)』についてもっと知ってもらおうと、 制作スタッフにインタビューを敢行。企画の立ち上げから、フォルテの魅力などについて聞いた。

演奏家が演奏でキャラクターを演じるのは「MusiClavies」ならでは

 

ーー楽器擬人化のプロジェクトは、どのようにしてスタートしたのですか?

ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングスでは、楽譜出版、CDメーカー、楽曲管理など、いろいろな事業を展開していますが、それらを生かして何か面白いことをしようというプロジェクトが社内で立ち上がりました。そのプロジェクトの中で、「楽器擬人化」をテーマに出てきた企画がMusiClaviesのはじまりです。音楽や楽器にキャラクター・ストーリーを与え、展開できる“楽器擬人化”ならば、今までとは違った形で多くの方に音楽や楽器の楽しさ、奥深さを伝えられると考え企画しました。

ーーそれが実現したのですね。現在、グランドピアノ、ヴァイオリン、アルトサクソフォーン、チェロ、オーボエ・ダモーレといった楽器が擬人化されましたが、これらの楽器を選んだ理由はあるのですか?

 

MusiClavies(1)

Forte:フォルテ(グランドピアノ)

 

MusiClavies(2)

Vernice:ヴェルニーチェ(ヴァイオリン)

 

MusiClavies(3)

Cray:クレイ(アルトサクソフォーン)

 

MusiClavies(4)

Arc:アルク(チェロ)

 

MusiClavies(6)

Lulu:ルル(オーボエ・ダモーレ)

 

今の5楽器に決定するまでに、色々な側面での検討を重ねているので一言で言い表すのは難しいのですが、選んだ理由の一つに「ソロ演奏ができて、さらに他の楽器とも一緒に違和感なく演奏できる楽器であるかどうか」というものがあります。
MusiClaviesという企画を通して、楽器そのものの音色や音楽を聴いてもらいたい、聴く機会をつくっていきたいと考えた結果、ソロ演奏はもちろん、ピアノとヴァイオリン、ピアノとヴァイオリンとチェロ、といった、デュオ、トリオ、そして登場キャラ全員で演奏しても音楽的に成り立つ組み合わせになるように考えています。

ーー今回は、グランドピアノのフォルテを中心に伺いたいのですが、キャストは、この5人の中では若手となる小松昌平さんです。

キャストはすべてオーディションで決めていったのですが、それぞれの楽器擬人化キャラクターのキャラクター性にあっているか、元の楽器の音色ともイメージがあっているか等を、作家さんや音響監督さんと相談し選ばせて頂きました。みなさん、担当楽器らしさがある声・演技の声優さん達で、小松昌平さんもイメージ通りの演技をしてくださっています。

ーー現在発売中のフォルテのドラマCD『MusiClavies - Op.ピアノ -』には、彼のことがよくわかるドラマと楽器の演奏が収録されています。ピアノの演奏は、『「コードギアス 反逆のルルーシュ」のピアノソロコレクション』『Piano Collections FINAL FANTASY XV』などをリリースしている森下唯/ピアニート公爵さんなのに驚きました。

MusiClaviesでは、楽器擬人化キャラクターが演奏する音を演奏する「演奏担当の演奏家」がいます。グランドピアノの擬人化キャラクターであるフォルテの「ピアノ演奏」は森下唯さんが担当です。
楽器演奏を担当する演奏家も、MusiClaviesの世界観・各キャラクターの生い立ち等々をふまえて、ぴったり合うと思った方に依頼しました。森下さんはじめ、本企画に参加していただいている演奏家の方々は皆さんプロの演奏家として活躍されている方たちです。そのような一流の演奏家がMusiClaviesの世界観・各キャラクターの生い立ち、ストーリーを理解してくださった上で、「キャラクターの楽器演奏」としての表現(演奏)をしています。声優や俳優がキャラクターを演じるように、演奏家が演奏でキャラクターを演じるのは、楽器擬人化「MusiClavies」ならでは。そういった部分もぜひ楽しんでほしいです。​​​​​​​

ーードラマCD『MusiClavies - Op.ピアノ -』の聴きどころは?

 

MusiClavies(7)

 

ドラマCDには、声優さん達が演じている音声ドラマパートと、演奏家さんによる楽器擬人化キャラクター達の音色を再現した、録り下ろし楽曲を収録しています。フォルテが主役の『MusiClavies - Op.ピアノ -』では「きらきら星」という、みなさんがよく知っている曲をドラマパートの内容に合わせてアレンジ・演奏したものを各楽器2曲ずつ収録しています。純粋に楽曲トラックとして楽しめるのは勿論、声優さん達が各キャラクターを演じるドラマパート(物語)と一緒に聞くことで、ドラマCDシリーズのキャッチコピー「奏でる想いひとつでその音色は変化する!」を体感して頂けます。また、フォルテのドラマCDでは、主役のフォルテに加え、野島裕史さん演じるヴァイオリンのヴェルニーチェと、豊永利行さん演じるオーボエ・ダモーレのルルも登場し3人で掛け合いをしていますので、キャラクター達のお互いの関係性というところも垣間見れると思います。
でもその前に、YouTubeで配信されている『MusiClavies~プレリュード~』という、5人が登場するドラマがあるので、そちらもあわせて見ていただくとより世界観をわかって楽しんでいただけるかなと。
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ーー『MusiClavies~プレリュード~』を聞くと、なぜ彼らが人間になっているのか、過去に何かがあった楽器たちなんだなっていうのもわかりますね。

 

MusiClavies(8)

You:綴葉みう

 

そうですね。楽器が好きな主人公(綴葉みう)が、祖父が営む楽器店で働くのですが、フォルテたちはその楽器店で生活しています。ちなみに、フォルテや他のキャラクターたちは、それぞれの楽器全般の概念を擬人化したのではなく、ある時代に生まれて、そこからいろいろな経歴を辿って生きてきた、ある特定の楽器(ピアノや他の楽器)を擬人化した姿になります。

 

楽器店で音声ガイドを実施!新技術の採用で、フォルテがすぐ隣にいるような臨場感

 

ーー今後は、どんな展開をしていきそうですか?

このドラマCDで、この企画全体のコンセプトを伝えられたと思うので、この物語をさらに広げて、このMusiClaviesをきっかけに、音楽を聞く機会や楽器に触れる機会をたくさんつくるようにしていきたいと思います。また、実際の楽器店を巻き込んだイベントやコンサートも定期的に開催していきたいと考えています。

ーーさっそく、実店舗とコラボした企画も始まっているようですね。ヤマハミュージック大阪なんば店で実施され、今後は、名古屋店・銀座店でフォルテ(CV.小松昌平)が、楽器の魅力を紹介してくれるそうですが、これはどういったものなのでしょうか?

まず、楽器をやっている人しか楽器店には行ったことがないと思うのですが、もっと気軽に楽器店に遊びに来てほしいという想いもあって、『MusiClavies』とコラボした音声ガイドを企画してみようということになりました。ただ、普通の音声ガイドではなく、『Sound xR』というヤマハの新技術を使用しています。専用イヤホンをつけて頭の位置を動かすと、その動きにあわせて音像がリアルタイムに変化したり、入力した身長データを元に高低差を表現したりすることができます。たとえば身長が165cmの方ならば、専用機器にその数値を入力すると、フォルテとその人の身長を計算して、まるでフォルテが横にいて話しかけられているような体験ができます。

ーーダミーヘッドマイクのような感じですか?
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ダミーヘッドマイクだと、物理的に立体音響で録っているので自分の立っている向きが変わってもそのまま同じ感覚になると思いますが、『Sound xR』は立体音響をシステム内で制御しているので、ユーザーの位置・向いている方向に合わせて調整をしてくれます。それぞれのユーザーにあわせて立体音響を作り上げる『Sound xR』だからこそ、“あなた”から聴いたフォルテの声、フォルテとの身長差などを体験できるので、ぜひフォルテを近くに感じながらお店の中を廻って楽しんでもらえると嬉しいです。

 


 

【Information】
MusiClavies×ヤマハ楽器店コラボ!
フォルテがあなたをエスコート♪

<名古屋店>
日時:2020年2月15日(土)、16日(日)
場所:ヤマハミュージック 名古屋店
※ご参加には予約が必要です。詳しくはコチラよりご確認ください。

https://member1.jp.yamaha.com/event/detail/id=39049

 


<銀座店>
日時:2020年2月22日(土)、23日(日)
場所:ヤマハ銀座店
※銀座店の開催は、完売しております。予めご了承ください※


MusiClaviesのキャラクター「フォルテ」と楽器店店内をめぐる音声ガイドをお楽しみいただけます。店内にあるさまざまな楽器の魅力や豆知識を、フォルテが紹介します。ヤマハの最新技術「Sound xR(サウンドエックスアール)」を使用した音声ガイドで、まるでフォルテが隣にいるかのようなリアルな感覚を味わえます。

MusiClavies公式サイト:https://musiclavies.com/


【CD情報】

 

 

フォルテCD_500.jpg

『MusiClavies  -Op.ピアノ-』 Forte:CV.小松昌平
YCCS-10067 2,100円(税抜)
(ヤマハミュージックコミュニケーションズ)

https://www.yamahamusic.co.jp/s/ymc/discography/1006?ima=2843

 


 

Text:塚越淳一