ノイズ防止から奏法まで…コレ知ってた! ?ミュートふしぎ発見!【Go!Go! GUITAR プレイバック】

ノイズ(不要な弦が鳴ってしまうこと)を防いだり奏法として用いたり、ギター上達のために避けて通れないテクニックが“ミュート”だ。ギタープレイの命と言っても過言ではないミュートを、JUONが徹底解説するぞ!
PROFILE
ジュオン/03年、FUZZY CONTROLを結成。DREAMS COME TRUEや稲葉浩志(B'z)、スガシカオのサポートギタリストやソロ活動を展開。16年5月、ソロデビューアルバム『CHANGE THE GAME』をリリース。
http://juon-guitar.com/
コード時のミュート
▶弾かない弦の振動をいかに抑えるかがカギだ!
最終的には全弦弾いたときに鳴らしたい弦だけが鳴るように!
「オープンコードでもパワーコードでも、“ 弾く弦以外の音は鳴らさない ” ことが大事なんです。それがノイズを抑えるための第一歩! たとえば4・5弦のパワーコードなら、6弦は人差指の指先、1~3弦は人差指の腹部分で触れておけば全弦を弾いても4・5弦しか鳴らない。これがミュートですね! ミュートするとき、弦に指を押し当てすぎても軽すぎても音が鳴っちゃうから、ちょうどいい力加減を見つけてほしいな。まずはしっかりミュートができているか確認して、最終的には全弦弾いたときに鳴らしたい弦だけが鳴るクオリティまで持っていってほしいです」
指先&腹部分で弦をミュート
▲4・5弦のパワーコード時、人差指の指先で6弦、腹部分で1~3弦に触れている。4・5弦以外の弦を弾いてしまっても、音が鳴らないようにするためのミュート方法だ。
親指で低音弦をミュート
▲6弦をミュートするオープンコードや、5弦開放のパワーコード、1~4弦の単音を弾くときは(写真)、親指で低音弦に軽く触れておくことでノイズの発生を防ぐ。
押弦以外の指でミュート
▲限定的な方法だが、写真のような2・3弦のコードでは、人差指の指先でも親指でも5弦をミュートすることは難しい。そんな場合は、中指で5弦をミュートする。
リードプレイ時のミュート
▶弾いてる弦より低音弦側を右手で触れる!
右手側面をつねに低音弦に触れておく!
「高音弦を弾くギターソロでは、弾いてるときに振動によって低音弦も一緒に鳴ってしまうことがあります。だから、高音弦を弾いているときは右手側面をつねに低音弦に触れていますね。あと、親指の付け根のふくらみ“ 母指球 ” を弦に触れてミュートすることもあります。チョップ奏法のときはこの方法ですね」
右手手刀部分を弦に当てて弦振動をカット!
▲リードプレイ時、低音弦側に右手側面を当てておけば、ノイズ防止だけでなく、右手フォームの安定にもつながる!
ハーモニクス音を止めるためのミュート
▶複数の指を使って弦に触れることが大事!
5フレット付近はハーモニクス音が鳴りやすい!
「たとえば、5・7フレット付近でブラッシングを弾くとき、意図せぬハーモニクス音(ポーンという澄んだ音)が鳴ってしまう場合がよくあります。そういうときは、人差指~小指を伸ばして弦に触れることでハーモニクス音が鳴らないようにします。特に5フレット付近は鳴りやすいので、要注意!」
ただのブラッシングの状態
▲5・7フレット付近でブラッシングを行うと(写真はバレーコード)、ポーンというハーモニクス音が鳴ってしまう!
指一本だけでブラッシング
▲ブラッシングするときに指を1本だけにしても同じ! ハーモニクス音は鳴り止まないのだ!
複数の指で弦に触れる!
▲人差指だけでなく他の指(中〜小指)も寝かせて弦に触れれば、あら不思議! ハーモニクス音をシャットアウトできる。
ミュートができているかはアンプにつないで確認すべし!
右手/左手で音を止める
▶指が弦に触れた状態にすることで音を止める!
ポジションによっては右手と左手を併用することも!
「休符(音を止める)方法は2つあって、弦を押さえている指の力を緩めて弦に軽く触れた状態にする方法と、右手の側面を弦に当てて音を止める方法。ただ、オープンコードとか5・7・12フレットなどのハーモニクス音が鳴りやすい場所は、左手ミュートだけだとハーモニクス音が鳴ってしまうので右手ミュートも併用してください」
右手手刀部分を弦に当てて鳴りをストップ!(右手ミュート)
▲音が鳴っている状態で、右手側面を弦に当ててみよう。音を止めることができたはずだ。100%音を止めたい場合は、このように側面を弦に当てて音を止める方法がもっとも有効。
押弦している指の力を緩めて音をストップ!(左手ミュート)
▲音が鳴っている状態から左手を緩めると、音を止めることができる。ポジションによってはハーモニクス音が鳴るので、その場合は右手でミュートを!
ピックで音を止める
▲ある弦を連続してスタッカートで弾く場合は、ピックを弦に当てて音を止めることも。ピックに当てておくことで、次の動作(ピッキング)が素早く行える。
MUTE TECHNIC 01
音を短く切ってリズム感を演出せよ!
超!快感&ハードロックな「スタッカート」
▲今にもジャムセッションが始まりそうな、超カッコいいロックフレーズ。イントロやAメロで使える! 「・」がスタッカートだ。
左手を浮かすだけじゃなくピックでも弦に触れてます
「音を短く切るのが “ スタッカート ” です。応用編としてブリッジミュートで弾いてもカッコいいと思う。たとえばイントロはスタッカートで、Aメロからブリッジミュートで弾くとミュートテクを駆使できる。スタッカートのときは、左手を少し浮かせてミュートしてて、さらに俺はピックでも弦に触れてますね」
F♯mのパワーコード
▲人差指で6弦2フレット、小指で5弦4フレットを押弦。人差指の腹部分で1~5弦に触れて、ノイズが出ないようミュート。
Eのパワーコード
▲4小節目の最後に登場。人差指で5弦2フレットを押さえ、6弦開放と一緒に弾こう。これも人差指の腹部分で1~4弦に触れている。
ピックでもミュートを!
▲「・」のスタッカート部分では、左手のミュートだけでなく、実はピックも弦に当ててミュートしている。
MUTE TECHNIC 02
グルーヴを生み出すパーカッシブな奏法
燃えるロック魂を「ブラッシング」に込めろ!
▲「×」がブラッシング。譜例は動画の中盤部分。右手は強弱をつけてグルーヴを生み出そう。
頭にアクセントを置くとグルーヴは生まれやすい
「左手を弦に触れた状態で弾いて、“ チャッ ” というパーカッシブな響きを出すテクが“ブラッシング”です。一番難しいのは右手。左手は音が出ない状態にすればOK だけど、右手は平坦に弾くとグルーヴは生まれない。走る馬のひずめの音のように、各拍の頭にアクセントを置くとグルーヴは生まれやすい。ハシらない程度にスピード感を!」
ブラッシング時のミュート
▲弦に指を軽く触れた状態でピッキングすることで、パーカッシブな響きを得る奏法。左手の指をすべて使ってミュート。
Eコード
▲人差指で3弦1フレット、中指で5弦2フレット、薬指で4弦2フレットを押弦。親指を出してブラッシングを待機!
MUTE TECHNIC 03
演奏にキレと躍動感を演出!
16分のオシャレなファンキー「カッティング」
▲右手はひたすらダウン/アップピッキング。特に3〜4小節目の薬指を軸とした運指が難しいので要練習!
薬指を軸に寝かせたり起こしてコードチェンジ
「右手は高音弦を狙いつつ、リズムに乗ってダウン/アップピッキングを繰り返すだけ。難関はメロディーが動いている左手。ポイントは3小節目の4弦8フレットの薬指で、この指を軸に、薬指を押さえたまま指を寝かせたり起こしたりしてコードチェンジ。指を離すと、スピーディなコードチェンジが難しいので」
薬指を寝かせて1~4弦を押弦
▲難関の3~4小節目。1~4弦8フレットは薬指1本で押さえる。ちゃんと低音弦は親指でミュート。
薬指を起こして4弦を押弦
▲薬指を軸にして、薬指を起こし4弦のみを押弦。中指で3弦7フレット、人差指で1~2弦6フレットを押さえる。
■INFORMATION
『JUON ACOUSTIC ONEMAN LIVE PULS』
2月22日(土)Musicbar GOKAN
『JUON BD ONEMAN LIVE』
3月8日(日)
1部 ACOUSTIC at 下北沢440
2部 BAND at 下北沢251
(Go!Go!GUITAR 2016年7月号に掲載した内容を再編集したものです)
Edit:溝口元海