これぞシングル♪ 10選【百歌繚乱・五里夢中 第28回】


さて、テーマ毎に10作品ずつ、福岡がお薦めする名曲・名盤をご紹介してきたこの「百歌繚乱・五里夢中」シリーズですが、今回で最終回となります。少しでも楽しんでいただけたならばうれしいのですが…。
4月から新たに、今度は音楽にまつわる「四方山話」と言いますか、体験談とか気づいたこと考えたことなどを、徒然(つれづれ)なるままに、書き綴ってみたいと思っています。引き続きよろしくお願いいたします。

シングルとそれ以外の曲、何が違うの?

 

昔は「シングル」しかなかったんです。今も流通する「LPレコード」は片面に約20分収録できますが、これが登場する1950年頃までの「SPレコード」ってやつは片面5分くらいだったので、そもそも1曲しか入らなかった。なので「アルバム」という概念自体、LP登場以降のもので、それも初めのうちはシングルがヒットしたら、その勢いで買ってもらいたい、より高額の商品という程度の認識しかなく、アルバム全体で何かを表現しようなんて考えは、ビートルズの『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』(1967年)からと言われています。
ただ、アナログからCDになってAB面がなくなっても、配信時代になっても、「シングル」という言葉・概念は生き続けていますね。

「ポップ・ミュージック」というものは、売れることが目的です。「オレは自分を表現したいだけで売れたいなんて思ってないさ」などと嘯くアーティストもいますが、そんな人もやはり多くの人に聴いてもらいたいとは思っているでしょう。聴いてもらいたくなければ、発売なんかしないで一人で楽しんでりゃいいんですから。で、聴いてもらえるってことは売れているってことです。全部タダで配っているならば別ですが、そんな人は古今東西見たことも聞いたこともありません。
まあ、自己表現をしているだけで、それがちゃんと売れるものになっているようなアーティストもたまにはいるでしょう。ビートルズなんかほぼそんな感じでしょう。
それでも周りは必死で売りたいと思っているのです。売れそうな作品にする、売れそうな仕掛けを考える、ひたすら売り込む……そういう売るための努力を結集するのが「シングル」です。シングルが売れれば、アルバムが売れる、ライブに人が増える、CM出演の話とか来る。音楽業界は「シングル」に夢を託してきたのです。
だけど、世の中は甘くない。

 

「これぞシングル」の条件

 

「売れ線狙い」という言葉がありますが、ヒットを意識し過ぎるとロクなことはありません。と言いながら、二番煎じ、三番煎じが売れたりする世の中ですが、それにしてもオリジナルは超えられないし、時が経つと忘れられるか笑われる。また、凡庸な曲なのに、アーティストのネーム・バリューやタイアップや大量宣伝によって、無理くりヒットさせてしまうシングルもありますが、それも長い目で見れば意味はない。
私が「これぞシングル」と呼びたいのは、音楽の中味のよさでヒットしたもの。それでこそ本当にそのアーティストの価値を高め、時を経ても人々を楽しませ、文化を育んでいくことができると思います。
その「音楽の中味のよさ」とは…

[A] メロディ……歌メロだけではなく、リフやイントロのフレーズなど楽器によるメロディもそうですが、覚えやすく、かつ斬新なもの。この2つはともすれば相反するのですが、必ず兼ね備えなくてはなりません。それでこそ印象的で忘れ難いものになるのです。
[B] グルーヴ……思わず身体が反応してしまうような躍動感がほしいです。バラードであっても、ゆったりとした心地よいノリがなければ、眠くなってしまいます。
[C] 歌詞……一度聴いただけで印象に残るワンフレーズ。全体としての世界観やストーリー性は、あるに越したことはないが二の次。

あと、シンガーの声質や歌唱力ももちろん大きな要素ですが、これは努力でどうこうできるものではないし、シングル云々の話ではないですね。
でも、じゃあ、上の3点については努力すればできるのかというと、そんなに単純ではない。「レシピ」など存在しませんから、手探りでがんばるしかありません。最善を尽くして、偶然にも恵まれて、それでもヒットするかどうかは分からないのです。

ですから、「これぞシングル」は、創り手の思いと神の采配が握手した、ポップ・ミュージックの中の「宝石」と言ってもよいでしょう。
今回はそんな宝石群の中から、10曲を厳選してご紹介します。

 

これぞシングル♪

 

①The Buggles「Video Killed the Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)」(1st シングル:1979年9月7日発売/from 1st アルバム『The Age of Plastic』:1980年1月10日発売)

mysound_btn_470×58.png
 

この曲がいきなり全英1位。さらに3年後、"Yes"の「Owner of a Lonely Heart」を全米シングルチャート1位に輝かせ、ZTTレーベルを立ち上げて、"Art of Noise"や"Frankie Goes to Hollywood"を送り出し、世界のトップ・プロデューサーに名を連ねることになるトレヴァー・ホーン (Trevor Horn)ですが、"The Buggles"以前に目立った実績はありません。しかもこの曲のリリース時点で彼は30歳。遅咲き、且つ、何があったか知りませんが、開花から満開へは猛スピードなのです。
この曲のデモテープを聴いて、アイランド・レコードの社長、クリス・ブラックウェルが、決まる寸前だった他レーベルよりずっとよい条件で契約を申し出ました。その目論見は的中し、無名の新人にも関わらず、見事世界中でヒット。ホーンはプロデューサーとして認められ、もう一人のメンバー、ジェフリー・ダウンズ (Geoffrey Downes)は、"Asia"のメンバーとなってこれも大成功する。すべてこの曲のパワーがもたらしたものです。
ディスコ全盛のマーケットにも刺さる、4つ打ちキック。近未来を連想させるロボット声。思わず唱和したくなる"アウワ・アウワ"というコーラス。そして何より、"Video killed the radio star"というフレーズの意味+語感+メロディのキャッチーさ。このあたりが主な魅力でしょうか。
タイトルが気に入られたのか、1981年8月1日にスタートした「MTV」のいちばん最初の曲として、この曲が放映されました。まさに歴史に残る「これぞシングル」ですね。
 

 

 

②The Beatles「Help!」(10th シングル:1965年7月23日発売/from 5th アルバム『Help!(4人はアイドル)』:1965年8月6日発売)

"The Buggles"も元は"Bugs"(毛虫みたいな虫)だったのが、そんな名前じゃ売れんと言われ、"The Beatles"にあやかって改名したのだそうです。
さて、ビートルズほど、音楽のよさとヒットが両立していたアーティストはありません。アルバムでも8割方はシングルにしてもよいような曲ばかりでしたから、どれか1曲というのもむずかしいのですが、「サビ始まり」という必殺技を使っているということで「Help!」を選びました。「Can’t Buy Me Love」なんかもしかりですが、曲のいちばんおいしい部分=サビを頭に持ってくることで、瞬時にリスナーの心を鷲掴みにしてしまおうという手法。
ただ下手するとあざとい。J-POPにはそんなあざとい曲がいっぱいありますね。でもこの曲の「サビ始まり」には必然性と「これぞシングル」条件の[C]があります。いきなり「助けてくれ」とくれば、「え、何?どうしたんだ!」となる。それも英語なら1音節だから日本語よりよっぽど鋭い。仕事しながら聞くとはなしに聞いているラジオからだって、「Help!」とシャウトされれば、振り向いてしまいますよね。
​​​​​​​

 

 

③Earth, Wind & Fire「September」(シングル:1978年11月18日発売/from アルバム『The Best of Earth, Wind & Fire, Vol. 1』:1978年11月23日発売)

mysound_btn_470×58.png
 

1978〜79年あたりをピークとするディスコ・ブームの勢いたるや、すごいものがありました。“フィーバーする”なんていう言葉も流行って、西城秀樹やキッスやローリング・ストーンズまでディスコ・サウンドを取り入れてフィーバーしていました。正体不明の怪しげなアーティストの曲でも、ノリさえよければ、ある程度はヒットしてしまうというような状況でしたが、EW&Fが作るダンス・ミュージックはやはり格が違いましたね。
以前のファンク色はかなり薄まって、4つ打ちのいわゆるディスコ・ビートになっていますが、その上に2本のギター、ベース、ホーンセクションが絶妙に絡み合って生み出す鉄壁のグルーヴはまさに無敵。何度聴いても身体が反応します。「これぞシングル」条件[B]の最高峰ですね。
そして、シンコペーションで入ってくる"Do you remember?"というフレーズの、メロディとリズムへのハマり方は、これ以外ないって気がしてしまいます。そうなれば勝ちなんです。条件[C]もクリアです。
 

 

 

④MY LITTLE LOVER「Hello, Again 〜昔からある場所〜」(3rd シングル:1995年8月21日発売/from 1st アルバム『evergreen』:1995年12月5日発売) 

mysound_btn_470×58.png
 

プロデューサーの小林武史が作るメロディは、ロック的なリズムに言葉をうまく乗せるところが特徴だと思うし、好きです。それは日本語には苦手な(と私は思う)ことなので、昔の歌謡曲にはあまりなく、だから歌謡曲と一線を引くにはいい手法なのでしょうが、この"マイラバ"も、1st シングルの「Man & Woman」、2nd「白いカイト」ではそれぞれロック的リズムに、"Man & woman"、"Chance, chance, chance"と乗せていますが、やはり英語ですましています。でもこの「Hello, Again」では、サビの後半の“愛が彷徨う影”の“影”が、4分音符2つのアクセントに、ちゃんと日本語で乗っていて、そこがロックっぽくてカッコいい。
またこの曲は、Aメロ・BメロがEの長調、サビがGの長調と転調をしているのですが、他にもいくつかわざとコードに合わない音を入れたりしていて、それが、聴いているぶんには自然で、でも歌おうと思うとちょっと難しい、という絶妙なサジ加減で、カラオケ好きの闘争心をくすぐるんですよね。こういうこともヒットへの触媒です。
 

 

 

⑤スピッツ「ロビンソン」(11th シングル:1995年4月5日発売/from 6th アルバム『ハチミツ』:1995年9月20日発売)

mysound_btn_470×58.png
 

初めて“スピッツ”のCDを買ったのは、彼らがまださっぱり売れてなかった頃。でも3、4枚はアルバムを出していたかな、私は全然知らなかったけど、レコード店でなんとなく手に取ったのでした。試聴もなかったと思う。店員のレコメンド・コメントだけを頼りに、猫の顔がビローンとなったジャケットの、『名前をつけてやる』という2nd アルバムを買いました。勘がうまく当たって、とてもしっくりくる音楽でした。「あわ」という曲、よかったな。こんなにいいのに売れてないんだな。ちょっと地味だからねぇ、なんて考えていました。
そしたらしばらく後に、この「ロビンソン」がじわじわ売れてきて。聴いてみたらすごくよかった。イントロのアルペジオ・ギターがいきなりいい。ちょっと切なくて、でもあったかくて。長さがこの半分でもいいのに、あえて繰り返しているところに、“売り焦ってない感”があって、このバンドらしいなと。一番のA2の歌詞、「思い出のレコードと大げさなエピソードを…」というくだりには、音楽少年だった誰もが共感するよね。
この曲の大ヒットで、彼らも人気アーティストの仲間入りをしたけど、売上は150万枚以上なのに最高4位止まり、という“長く細い”この売れ方は「いい曲」の証拠です。「あれ、こんなところに」と人がふと気づくまで、道端でひっそりと、でも凛と美しく咲いている野の花のようでした。
 

 

 

⑥Queen「Bohemian Rhapsody」(シングル:1975年10月31日発売/from 4th アルバム『A Night at the Opera(オペラ座の夜)』:1975年11月21日発売) 

mysound_btn_470×58.png
 

先日、ハタチくらいの学生さんたちに、「レコーディング史上の重要曲」というテーマで、10曲を選んで解説を交えながら聴いてもらう機会があったのですが、ほぼ70年代の曲だったので、みなさんほとんど知らない。そんな中、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」だけは大多数が知っていました。もちろん映画のヒットによるものでしょうが、あの映画が大ヒットしたことも含めて、クイーンの音楽が今の若者にも響くということがうれしかったです。
当時既に、ハードロックとかプログレッシブ、フュージョンなど、ロックも多様化していましたが、それでもオペラを取り入れたロックなど異例だったし、コンパクトにまとめつつも起伏に富む、6分近い曲をシングルでリリースするのも常識外のことでした。映画の中でもこの曲をシングルにしたいと主張するフレディに対し、レコード会社の重役が猛反対をしていましたね。
しかし結果は大成功。英国では9週間連続1位、世界で約600万枚を売り上げ、史上最も売れたシングルの一つとなりました。
踊れるビートで、キャッチーなサビを繰り返す、といったシングルのステレオタイプにはまったく当てはまらない、むしろその破格さが全体としてすごいインパクトを放ったわけです。だけど単なる破格では破綻するだけなんですが、これを破格な“弩級ポップミュージック”へと仕上げたのは、言うまでもなくフレディを中心とするクイーンのセンスと力量です。
 

 

 

⑦荒井由実「あの日にかえりたい」(シングル:1975年10月5日発売) 

mysound_btn_470×58.png
 

ユーミンさん、今でもすごい人だし、80〜90年代はアルバムを出せば1位&ミリオンがあたりまえというスーパースターでしたが、やはり何より、“荒井由実”時代の神がかった作詞・作曲能力、これは日本音楽史上の奇跡だと私は思っています。
「やさしさに包まれたなら」という曲がすごく好きで、特に「目に映るすべてのことはメッセージ」というフレーズ、これはもう哲学だ、こんなすごい歌詞はそうそうない、と思うのですが、シングル・バージョンのアレンジが惜しい。デビュー・アルバム『ひこうき雲』からこのシングルまで、編曲クレジットは「荒井由実&キャラメル・ママ」で、おそらくまだ松任谷正隆氏がそんなにガッツリ仕切っていなかったんじゃないでしょうか。リズムがゆるくて、私は「これぞシングル」条件[B]的に不満なのです。2nd アルバム『MISSLIM』に収録されたアルバム・バージョンのほうはいいんですが(編曲クレジットは松任谷正隆)。
……というわけで(前置き長過ぎ)、ユーミンにとって初めてのチャート1位となった「あの日にかえりたい」にしました。
歌詞とメロディは非の打ち所がありません。ユーミンの歌もキュートですが、誰が歌ってもヒットしたんじゃないかと思えるくらいの、珠玉のポップ・スタンダードだと思います。
余談ですが、なんと「Bohemian Rhapsody」と同年同月発売です。
 

 

 

⑧サザンオールスターズ「みんなのうた」(24th シングル:1988年6月25日発売) 

mysound_btn_470×58.png
 

桑田佳祐もやはり天才なんでしょうね。ただこの人の場合は、荒井由実のような神がかり的発想というよりは、“組み合わせ”が天才的に巧いという感じがします。何が言いたいかというと、細かい部分部分はこれまでにある、ポップス、ロック、R&B、ミュージカル、歌謡曲、いろーんなものを踏襲しているんだけど、それらを並べて、あの類稀なる声と歌唱力で練り上げると、他の何物でもない桑田佳祐の世界ができあがるんじゃないかと。
歌詞にしても、いつも曲先で、最初は“ハナモゲラ語”で歌っているらしいですが、そのうちメロディとリズムがなんらかの言葉を呼んできて、形ができていくと。推測ですが、詞のテーマなど考えてないのでは?卵と酢と塩とサラダ油をひたすら混ぜるとマヨネーズができるように、言葉の断片がつながって詞になっていくのでは?それでちゃんと意味のある歌詞ができてしまうところが常人にはマネのできないところですが、ともかく、メロディとリズムから生まれた言葉だから、彼が創る歌詞はグルーヴがピカイチなのです。
数ある彼らのヒット・シングルの中から、私が選んだのは「みんなのうた」。デビュー10周年記念シングルですが、実はサザン、1985年から初めての活動休止をしており、3年ぶりのリリースでした。
ふつう、Aメロ・Bメロ・サビとあったら、ヒット曲でも、サビがよくてA・Bはそこへの導入とか、せいぜい、AもサビもキャッチーだけどBはまあツナギ、といったものが多いのですが、この曲は、A・B・サビ全部が“てんこ盛り”。それぞれに違う楽しさが溢れ、且つつながりも申し分ない。メロディの一片たりともゆるみはなく、音楽フェロモンの放射が途切れることはありません。サビの最後の「街並みはblue」というフレーズも大好きで、これでトドメを刺されて、降参です。
 

 

 

⑨10cc「I’m Not in Love」(シングル:1975年5月発売/from 3rd アルバム『The Original Soundtrack』:1975年3月11日発売)

mysound_btn_470×58.png
 

「I’m not in love」というタイトルにもなっているフレーズが、メロディと相まって印象的ではありますが、はっきり言ってメロディ自体はたいしたことない。実際、最初のデモ段階ではもっと速いテンポで、ボサノバ風に歌っていて、「つまらない」と一旦ボツになりかけたらしいです。あー、むしろメロディが弱いから、サウンドでなんとかしようとして、このとんでもない作品が生まれたのかもしれませんね。
もし、聴いたことがないという人がいたら、とにかく一度、なるべく大きな音で聴いてみてください。
この、スピーカーから洪水のように押し寄せるコーラス、のべ624人分だそうです。しかも「サンプラー」なんてない時代ですから、メンバーが何度も何度も重ねたテープの頭とお尻をつないで輪っかにし、エンドレスで再生(「テープ・ループ」と言う)して、コードに合わせて音を選んで、音量を上げ下げして……と気が遠くなるようなマメな作業を経て、このサウンドを創り上げました。今ならサンプラーでもっと楽に、似たようなことをできるのかもしれませんが、きっとこれにはならない。ここには「気」とか「魂」としか言いようのないものがしっかり込められているのを感じます。
"10cc"はちょうど、インディのUKレコードからメジャーのマーキュリーへの移籍交渉中でしたが、完成したばかりのこの曲を聴いたマーキュリーの担当者が驚き、契約条件が破格によくなったそうです。
 

 

 

⑩Taylor Swift「Shake It Off」(32th シングル:2014年8月18日発売/5th from アルバム『1989』:2014年10月27日発売)

mysound_btn_470×58.png
 

私の中では“最近”なのにもう5年以上経ったんですね(汗)。とは言え、さすがにこの曲のヒットは記憶に新しいですよね。警官がパトカーの中でノリまくってる映像がYouTubeで大受けでした。
この曲のソングライティングとプロデュースに参加しているのがマックス・マーティン (Max Martin)というスウェーデンのプロデューサー。現代の世界ナンバーワン・ヒットプロデューサーで、ジョージ・マーティンの23曲に次ぐ22曲の全米1位曲数を誇っています。ジョージはもう増えないから、やがてマックスが抜くでしょう。しかもジョージはほとんどビートルズですからね。ちなみに同じマーティンだけど血は繋がってないです。
テイラー・スウィフトは、2012年のシングル「We Are Never Ever Getting Back Together」で、自らアプローチして、マックスと初めて組みました。で、見事テイラー初の全米1位。そして『1989』では、ほぼアルバム全体にマックスが関わっています。
なぜか単独ではプロデュースしない人で、ここでは"Shellback"という人、他に"Dr. Luke"という人とか、常に相棒を連れているのですが、「これぞシングル」の条件[A][B][C]、すべてに置いて、いつもチャレンジング。ともすれば「世の中これだけ曲が溢れていて、もう新しいものなんて作りようがないんじゃないの?」なんて思ってしまいますが、彼が関わると「ああ、こういう形があったか!」というものがあっさりと(かどうかは分かりませんが)出てきます。驚くべき発想力です。
この曲のチャレンジは、"Shake, shake, shake..."、"Play, play, play..."などの“連呼”。実におもしろい。チャーム・ポイントは"mmm-mmm"というハミング合いの手。
 

 

 

 

以上、「これぞシングル♪」の10曲でした。
まだいくつかご紹介したいものはありますが、やはりホントに「これぞ!」と思う作品はそう多くはありません。
「ポップ・ミュージックの中の宝石」と表現しましたが、天才と呼ばれるアーティストでさえ、そうそう創ることはできないレベル。
私は何の宗教も信じておりませんが、私のような凡庸な人間には触れることのできない「神の領域」みたいなものはあるかもしれないと思っています。天才だろうが超人だろうが、やはりそこには滅多にいけないのですが、たまに入れることがあって、そんなときにもらってきた音楽、「これぞシングル」とはそういうものかもしれないなぁ、なんて思います。
大袈裟でなく、こういう音楽に出会えた時は、この世に生まれてきてよかったと、つくづく感じるのです。

いやぁ、それにしても、音楽ってちっとも飽きないですねー♪
ご高覧ありがとうございました♫