音が出せたら次へステップアップ !スコアによく出てくるベーシックテクニック【Go!Go! GUITAR プレイバック】


スコアに表記されている記号を何となくプレイしていないかな? 本講座ではバンドスコアによく出てくる、ギタープレイに欠かせない演奏方法やテクニックを解説。これらを正しく理解して活用すれば、スコアをよりカッコ良く弾けるようになること間違いナシ。アコギ、エレキのどちらでも使用できるのでチャレンジしてみてね!

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ベーシックテクニック(1)

 

ベーシックテクニック(2)

ベーシックテクニック(3)

▲弦から少し離れたところを空振り。

 

シンコペーションとは、オモテ拍とウラ拍の位置を入れ替えてリズムに変化を与えること。言葉にすると難しいけど、とてもよく使われているので聴いてみればお馴染みのリズムであることがわかるハズ。

ポイントは、弾かない(音を伸ばしている)ところもストロークを止めずに振り続けることで、右手は常にダウン、アップを繰り返してリズムキープ! こうしたリズムキープはシンコペーションに限らずストロークの基本となるので、しっかり身につけよう。

 

ベーシックテクニック(4)

 

ベーシックテクニック(5)

 

ベーシックテクニック(6)

 

ベーシックテクニック(7)

 

スコアに表記されているリズムパターンをただ弾くだけじゃなく、アクセントをつけることでワンランク上のプレイを聴かせることができるゾ!基本的に弾き語りスコアにはアクセントの指示はないので自分で考える必要がある(>記号で表記される場合もある)。まずは以下の2つの方法で2、4拍のスネアを意識してアクセントをつけてみよう。

●強弱によるアクセント
右手の力によってアクセントをつける方法。単純に力の入れ方だけではなく、弱く弾くときはピックを浅めに当て、強く弾くときは素早く振りぬく。このとき、力を入れてピックを深く当てすぎないように意識しよう。「強調する音以外を弱く弾く」という意識をもっておくと、より強弱の幅を広げることができる。

●弦の弾き分けによるアクセント
ストロークするときに低音弦側(4〜6弦)、高音弦側(1〜3弦)を弾き分けることでアクセントをつける方法。4〜6弦、1〜3弦というのは「なんとなくこのあたりを狙ってピッキングする」ということでキッチリ弾き分ける必要はナシ!ピッキングの軌道をコントロールして弾き分けよう。

 

ベーシックテクニック(8)

 

ベーシックテクニック(9)

 

ベーシックテクニック(10)

ベーシックテクニック(11)

▲弦上に右手側面を触れさせる。

 

スタッカートは音符の上か下に「・」という記号が付加され、音を短く切るという意味。細かい記号なので見落としがちだけど、記号がついた音にインパクトを与えることができるので、あるとなしでは雰囲気がガラッと変わってしまう。

バレーコードのような押弦のみのコードの場合は、押さえた指の力を抜いて弦に触れた状態にして音を止める。開放弦を含んだコードは弾いた直後に右手側面で弦に触れて音を止めよう(Ph2)。もっとしっかり音を止めたいときや、歪んだ音でプレイする場合はこの2つの方法を併用するとさらに確実。このように弦を鳴らさず音が出ないようにすることを「ミュート」と呼ぶので覚えておこう。

 

ベーシックテクニック(12)

 

ベーシックテクニック(13)

 

ベーシックテクニック(14)

ベーシックテクニック(15)

 

ブラッシングとはミュート状態にした弦を弾くことで「チャッ」という音程のないパーカッシブな音を出すテクニック。スタッカートで説明した図4の要領で左手で弦に触れた状態にしてピッキングしよう。またブラッシングは実音と織り交ぜて使うことが多いテクニックなので、押弦とミュートをスムーズに切り替えられるようにしておこう。

 

ベーシックテクニック(16)

 

ベーシックテクニック(17)

 

ベーシックテクニック(18)

ベーシックテクニック(19)

 

パワーコードはルート+5度の音で構成されたコードで、その名の通り力強い響きが特徴。弾く弦が少ないのでカンタンに思えるけど、キレイに鳴らすのは意外とコツがいる。

図6は代表的なパワーコードのフォーム。鳴らさない弦は押弦している指のハラや先端、余った指で触れてミュートしよう(図7)。歪んだ音でかき鳴らすときに余計な弦が鳴っていると、響きが濁って力強さやタイトさが損なわれるので気をつけよう。

 

ベーシックテクニック(20)

 

ベーシックテクニック(21)

 

ベーシックテクニック(22)

 

アルペジオは分散和音ともいい、コードを押さえて弦を1本ずつ弾いて音を重ねていく奏法。TAB譜だけじゃなく、コードダイアグラムのコードを押さえて弦をバラバラに弾くのも立派なアルペジオプレイと言える。基本的には各コードの一番最初の音はルート音(一番低い音)から弾くのが原則。あとは各音をなるべくのばすように弾くので、押弦している指が隣の弦に触れてかすれたりしないように注意しよう。

 

ベーシックテクニック(23)

 

ベーシックテクニック(24)

 

ベーシックテクニック(25)

 

多くの楽曲は複数のコードで構成されているので、曲を弾く上でコードチェンジは避けて通ることはできない。音が途切れてしまいがちなコードチェンジをスムーズに聴かせるコツを紹介しよう。
コツとは言っても実はとてもカンタンな方法で、コードチェンジ直前に全弦開放を鳴らしてその間に押さえ替えるだけ!(譜例2)

音が途切れてしまう原因は、コードを押さえ替えるときに音が止まってしまうことだけど、開放弦を鳴らしておけば、音は途切れずスムーズにコードチェンジできるゾ。

開放弦を鳴らすと音が合わないときがあるんじゃないかと心配に思うかもしれないけど、曲の流れの中ではそれほど気にならず、流れが途切れないというメリットの方が大きいのだ。

テンポの遅い曲などでどうしても開放弦の音が気になってしまう場合はブラッシングをいれるのもアリ。コードチェンジ時に右手のストロークは絶対に止めないということを頭に入れておこう。

 

ベーシックテクニック(26)

 

ベーシックテクニック(27)

 

<写真3>

ベーシックテクニック(28)

▲右手側面(手刀)をブリッジに当てる。

 

<写真4>

ベーシックテクニック(29)

▲歯切れの良い音の出るちょうどいい位置を探ろう。

 

ブリッジミュートは右手側面をブリッジ付近の弦上に当てながら弾き、「ズンズン」という歯切れのいい低音を出すテクニック。右手を置く場所が重要なので、音を出しながら気持ちのいい音の出るポイントを探っていこう(写真3、4)。

右手は乗せるだけという感覚で、力を入れて押しつけるのはNG。ブリッジミュート時は全弦弾く必要はなく、4〜6弦あたりの低音弦を中心にコンパクトにピッキングする。

ストロークプレイではブリッジミュートのオンとオフの切り替えが重要なので、無意識にベストな位置でブリッジミュートできるくらいに繰り返し練習して動作を覚えこませよう。

ベーシックテクニック(30)

 

ベーシックテクニック(31)

 

ベーシックテクニック(33)

ベーシックテクニック(32)

 

ハンマリングは弦を叩くように押さえて音を出すテクニックで、プリングは弦を引っ掛けるようにはじいて音を出すテクニック(図9)。どちらも音をなめらかにつなぐテクニックで、ピッキングとはまた違ったニュアンスを得られる。

ピッキングと同じくらいの音量を意識して、しっかり叩いたりはじいたりしよう。両者を組み合わせて使うケースも多々あるので、それぞれを確実にこなせるように要練習。まずは比較的動かしやすい薬指で動作を覚えたら他の指でもできるようにしていこう。

 

ベーシックテクニック(34)

 

ベーシックテクニック(35)

 

ベーシックテクニック(36)

 

ベーシックテクニック(37)

 

こちらも音をなめらかにつなぐテクニックで、指を弦上で滑らせてポジションを移動させる。スライドは同弦上の決まった2つの音を指を滑らせて移動させるテクニックで、フレットを押さえたまま移動させるので適度に力を抜くことが肝心。1〜2フレット間隔の移動の場合はネック裏に親指を当て、そこを支点にして移動させるとプレイが安定する(図10)。

始点もしくは終点が決まっていないスライドをグリス(グリッサンド)と言う。弾く前や音の切り際に弦を滑らせて、ちょっとしたニュアンスづけをするという感覚でプレイしよう。押さえるポジションをまったく決めずに、効果音的な使い方をすることも多い。

 

ベーシックテクニック(38)

 

ベーシックテクニック(39)

 

ベーシックテクニック(40)

ベーシックテクニック(41)

 

ギターの定番テクニックでもっともギターらしい奏法と言えるチョーキング。押さえた指で弦を押し上げて(または引き下げて)音程を上げるテクニックだ。1音分(2フレット上の音と同じ)音を上げるのが1音チョーキングで、一般的にチョーキングと呼ばれているのがこれのこと。スコアでは「C」と表記される。半音分(1フレット上の音と同じ)音を上げるのが半音チョーキングで、スコアでは「h.c」と表記される。1音、半音チョーキングで弦をどれだけ持ち上げるか、力の入れ具合と耳で感覚をつかもう。

 

ベーシックテクニック(42)

※押さえた指をしっかり固定し、ドアノブをひねる要領で手首で持ち上げよう。指だけで持ち上げるのはNG。

 

 

(Go!Go! GUITAR 2018年3月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海