基礎知識、トレンドを大調査!ピックを知ればプレイが変わる!【Go!Go! GUITAR プレイバック】


ギタリストの重要アイテム“ピック”。ピックを自分に合うものに変えるだけで、今までうまく弾けなかったプレイが弾けるようになったり、サウンドが自分好みになることも! 今回はピック選びに必要な基礎知識を紹介します。

ピック特集(1)

定番の形状から使って好みに合わせて選ぼう
はじめは「トライアングル」(おにぎり型とも)や、涙型の「ティアドロップ」といった定番の形状から使い始めるのがベター。楽器店で握ってみて、一番しっくりくるものをまず使ってみるといいだろう。その後、プレイスタイルや好みに応じて変えてみよう。また、下で紹介しているような特殊な形状のピックも多数。ホームベース型は、リッチー・ブラックモアが使っていることでもお馴染みだ。

弾き語りにオススメ!
●トライアングル

ピック特集(2)

▲おにぎり型とも。面積が広く、コードストロークからリードプレイまで万能! 3つの角をすべて使用できるので、演奏面でも経済的な面でも有利。

ロック系ギタリスト向け
●ティアドロップ

ピック特集(3)

▲先端がシャープで弦に当たる面積が小さく、滑らかなピッキングが可能。こちらも万能だが、特に単音弾きなどの細かなプレイにオススメ。

テクニカル系ギタリストに!
●ジャズタイプ

ピック特集(4)

▲ティアドロップよりもサイズが小さい。ジャズやフュージョン、ハードロック、ヘヴィメタルなど、速弾きやテクニカルなプレイ向き。

 こんな形状も! 
ホームベース型

ピック特集(5)

▼丸型

ピック特集(6)

▼フィン型

ピック特集(7)

▼サムピック&フィンガーピック

ピック特集(8)

ピック特集(9)

購入の際は表記に注意!“しなり”を確認しよう
厚さ(硬さ)によって、弾き心地や弦を弾いたときのレスポンスが変化。特にアコギの場合は、サウンドにも大きく影響する。同じ素材で比べると、ピックは厚いほど硬くなる。厚いほど音のレスポンスが速く、音量・音圧が大きい。また、強弱のニュアンスが出しやすいので表現の幅も広がるが、音量ムラも出やすくなる。さらに、はっきりしたアタック感が得られるが、強度があるぶん指にかかる負担も大きく落としやすい。
一方、薄いほど音のレスポンスは遅くなるが、軽い力で素早いストロークが可能に。低音域が減るぶん軽やかな音色で、繊細なタッチを表現できる。また、粘りのあるニュアンスを出しやすく、音の粒を揃えやすい。これらの特徴を把握して、好みで選んでみよう。厚さの表記はブランドによって異なるので、購入の際は注意を。

●エクストラヘヴィ(スーパーハード)約1.14~2.00mm
ほとんどしならないため、軽く弾いても強いアタック感を得られるので、速弾きを多用したい人向き。ただし、ハード以上に音量ムラが出やすい。

●ハード(ヘヴィ)約1.00mm
「H」とも表記される。中低音域が豊かではっきりしたサウンドを出しやすいため、ロック系に愛用者が多い。ピッキングの強弱の幅は広いが、そのぶん音量ムラが出やすい。

●ミディアム 約0.60~0.90mm
「M」とも表記されることも。程よい硬さとしなりを両立したバランスの良い厚みで、アコギ/エレキともに愛用者が多い。初心者は、まずミディアムを基準にして選んでいくといいだろう。

●シン(ライト)約0.50mm
「T(THIN)」や「S(SOFT)」とも。よくしなり、軽やかなサウンドで、アコギのストロークで使用する人が多い。低音域が少ないため、ロック系や速弾きを多用する人では愛用者は少ない。

 

ピック特集(10)

サウンド、弾き心地、耐久性などあらゆる要素に影響!
音色、弾き心地、耐久性、さらにはルックスにまで関わる素材。ピック選びでは、かなり重要な要素だ。種類はかなり豊富だが、こちらでは定番かつ人気の4機種を紹介。もっとも定番なのはセルロイドやポリアセタールだが、昨今ではウルテムやセルロイドよりも軽くカーボンよりもしなやかと言われているPPS(ポリフェニレンサルファイド)、強度と柔軟性に優れたメタカーボネイトも注目を集めている。そのほか、金属(メタルピック)や高級材の“べっ甲”、めのうを用いたストーンピックなども。

解説協力/ブリッジコーポレーション

●セルロイド

ピック特集(11)

しなり★★★★
耐久性★★
音のエッジ★★
▲もっともポピュラーでオールマイティ。光沢感と柔軟性があって使いやすいが、そのぶん削れやすい。

●ポリアセタール

ピック特集(12)

しなり★★
耐久性★★★★
音のエッジ★★★
▲滑りにくくマットな質感や、摩擦に強く削れにくい点で人気。ジムダンロップのトーテックスシリーズもこの素材。

●ナイロン

ピック特集(13)

しなり★★★★
耐久性★★
音のエッジ★★★
▲柔軟性が特徴でよくしなる。太く温かでナチュラルな音色のためアコギと相性がいいが、ジミー・ペイジなどロックギタリストも愛用。

●ウルテム

ピック特集(14)

しなり★★★
耐久性★★★
音のエッジ★★
▲人間の爪にもっとも近い材質で、昨今人気。半透明の茶褐色が特徴で、耐熱性と強度に優れている。

 

ピック特集(15)

ピックが滑る人や落としやすい人は滑り止め付きを使ってみよう
演奏中にピックを落とす、位置がズレるといったトラブルを回避するためにも、グリップ感は大切。ピックにカッターで切り込みを入れる手法が昔からお馴染みだが、現在は市販品でも滑り止め付きピックは多い。

種類も豊富!

ピック特集(16)

▲穴が空いたピックや、ザラザラした滑り止め付き、凹凸を付けたエンボス加工などが定番。

滑り止めシールを貼る

ピック特集(17)

ピック特集(18)

▲透明なシールを貼るだけで、手持ちのピックが滑り止め仕様に。ほど良い粘着力なので、ベタベタもせず剥がれにくい。こちらはもみじミュージックの「ピックスティック」。

指先に滑り止めを塗る

ピック特集(19)

▲指先につける滑り止めも便利。こちらは松ヤニを使用した「ゴリラスノット」。

 オリジナルピックを作ってみよう♪ 

自宅で作る

ピック特集(20)

下敷きやカードなど、プラスチックの板を挟んでパンチするだけでピックが作れる便利グッズを使えば、世界に1枚だけのピックが作れる!

本格的なオリジナルピックを作る
市販のピックで物足りない人は、形状や材質、デザインをゼロからオーダーしてみよう。ピックボーイなどでオーダー可能だ。

 

(Go!Go! GUITAR 2018年4月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海