ワンランク上の弾き語りストになりたい!大石昌良のおしゃべりアコギ VOL.7 弾き語り《後編》【Go!Go! GUITAR プレイバック】

バンドSound Scheduleの他、アニメ主題歌やアーティストへの楽曲提供など、音楽クリエイターとしても大活躍中の大石昌良による、ワンランク上の弾き語りストのための連載! 後編では、「ようこそジャパリパークへ」を演奏する際のポイント、そしてイチ押しの練習法をレクチャーしてもらった!
「ようこそジャパリパークへ」を題材に、イントロのアルペジオとサビのストロークフレーズを本人に解説してもらった。オンコードやアドナインスといったコードを多用することで、鮮烈な印象を与えるのが彼のフレーズの特徴。動画と併せてチェックしよう。
ストローク編
シンコペーションを多用することで躍動感を演出
▲シンコペーションが多く登場する「ようこそジャパリパークへ」。シンコペーションはテンポがハシりがちになってしまうので、テンポキープを意識しながら弾こう。
弦を弾き分けることで演奏にメリハリをつける
▲すべて同じ強さで弾くと単調になってしまいがちなので、特に3小節目2・4拍目などは高音弦を狙ってアクセントを付けると演奏にメリハリがつく。
COMMENT
コードチェンジが多いので滑らかなポジション移動をしよう
「コードチェンジが非常に多いので、滑らかにコードチェンジできるかが一番のカギというか慣れが必要なところだと思います。ストロークでは弦を弾き分けていますが、左手の基本的なミュートをしっかりすることが大事です」(大石)
アルペジオ編
美しいメロディーが際立つアルペジオフレーズ
▲ストロークと同じコード進行だが、アルペジオで弾くことで一気にしっとりとした雰囲気に。いきなり通して弾こうとせず、小節や拍ごとに区切ったりして確実に練習していこう。
強く弾く場合は下からすくい上げるように弾く
▲強めのトーンを得たい場合は、弦に指を引っ掛けて下からすくい上げる(引っ張る)感覚で弾く。多用しすぎるとわざとらしくなるので、1小節に1〜2回くらいの割合で入れてみるといいだろう。
COMMENT
ここぞというときに強弱をつけて弾くと玄人感が出ます
「ストロークでも言いましたが、弦をハジくとき、ここぞというときに強弱をつけて強くハジきます。4回に1回くらいのペースで(笑)。思いついたときとか余裕があるときに強く弾くと玄人感が出ます」(大石)
Eadd9
▲人差指で3弦1フレット、中指で5弦2フレット、小指で4弦4フレットを押弦。
G♯7
▲人差指で2~4弦4フレット、中指で6弦4フレット、薬指で3弦5フレットを押弦。
C♯m7
▲人差指で1~5弦4フレット、中指で2弦5フレット、薬指で4弦6フレットを押弦。
Bm7
▲人差指で1~5弦2フレット、中指で2弦3フレット、薬指で4弦4フレットを押弦。
B♭(9♯11)
▲人差指で2~5弦1フレット、薬指で4弦2フレットを押弦。
Aadd9
▲中指で4弦2フレット、薬指で3弦2フレットを押弦。
E on G♯
▲人差指で4弦2フレ、中指で6弦4フレ、薬指で3弦4フレ、小指で2弦5フレットを押弦。
F♯m7
▲人差指で2~4弦2フレット、中指で6弦2フレットを押弦。
小指で6弦4 フレット
▲F♯m7フォームのまま、小指で6弦4フレットを押弦。
B7(9)
▲人差指で4弦1フレ、中指で5弦2フレ、薬指で3弦2フレ、小指で2弦2フレを押弦。
COMMENT
コードにひと工夫加えることで玄人っぽく聴こえる
「アドナインスやG♯7も5度の音をミュートしていたり、ひと工夫加えることでジャズっぽくというか玄人っぽく聴こえます。僕の弾き語りの響きが普通とは違うように聴こえるのは、もしかしたらそういうひとつひとつの工夫が無意識に伝わっているからかなと思います」(大石)
大石が毎日行うトレーニングの中から、スラップを用いた難易度の高いフレーズを紹介。動画特典として、YouTube ではギャロップ奏法を駆使したトレーニングも紹介しているので、そちらもぜひチェックしよう!
ジャジーなテイストのスラップ
▲2・4拍目の4弦開放はスラップの“プル”の動きで弾く。指の力だけではなく、やや手首を回転させるように右手全体を離そう。指板(フレット)に弦がバチンと当たり、パーカッシブなトーンを得ることができる。
COMMENT
弦を引っ張ってフレットに打ちつける“プル”を行っています
「先ほど紹介した練習フレーズですが、指を活性化させるトレーニング以外にも、2種類の右手の動きに特化したトレーニングをしています。ギャロップ奏法の動きとスラップを含んだ動きの2種類のバッキングを無意識に弾いてます。その日の朝に届いていたお仕事の資料に目を通しながらだったり、録り溜めてたアニメを観ながらだったり、“ながら練習”で弾くことも多いです。これはスラップを含んだトレーニングフレーズで、右手は“プル”という弦を引っ張ってフレットに打ちつけることで、パーカッシブな音色を得る動作を行っています」(大石)
左指の眠ったポテンシャルを解放!
▲ハンマリングオンとプリングオフを駆使した指慣らし的な練習フレーズ。毎日欠かさずに弾こう!
COMMENT
指の動きを活性化させるトレーニングは欠かせません
「制作があっても取材があっても、毎日起きてから2~ 3時間はギターを弾く時間を作っています。1日でもサボると後退している気がして。スケールとか指の動きを活性化させるトレーニングは欠かさずやっています」(大石)
【PROFILE】
おおいしまさよし/80年、愛媛県生まれ。01年、Sound Scheduleのボーカル&ギターとしてデビュー。08年よりソロ活動を展開し、アニメ主題歌やアーティストへの楽曲提供を行う。“オーイシマサヨシ”名義ではアニソンシンガーとして活動し、Tom-H@ckとのユニット“OxT(オクト)”としても活動。
http://014014.jp
【INFORMATION】
オーイシマサヨシ
DIGITAL SINGLE
「キンカンのうた2020」
7月20日リリース
▼各種配信サイトにて7月20日より配信スタート
https://lnk.to/kinkan2020
▼特設サイト
https://www.kinkan.co.jp/campaign/2020/oishi-kinkan/
(Go!Go!GUITAR 2018年5月号に掲載した内容を再編集したものです)
Edit:溝口元海
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