Go!Go! カポタスト調査部【Go!Go! GUITAR プレイバック】

演奏しやすくなったり、キーやコードの響きを変えたり、さまざまな効果を持つカポタスト。弾き語りを行う人やバンドのボーカル&ギターはもちろん、リードプレイ中心のギタリストも要注目アイテムだ。
カポが必要な理由と便利な点は主に3 つ!
なぜカポを使うのかと言うと、「セーハの代用」「響きに変化をつける」「キーを変える」といった3 つの用途があるためだ。バレーコードが多くて押さえにくい、弾き語りで曲のキー(基盤となる音程)が自分の声域と合わなくて歌いにくいと言ったときに便利。また、カポを使用することでコードフォームが変わるので、必然的に音の響きも変化。高音弦の響きを活かしたいときや、ギター2 人で響きに広がりを出したいときなどに使われる。いまいちピンと来ない人は、実際に弾いて比べてみよう。
なお、カポをつけるとそのポジションが0フレットになり、すべてのコードをカポのポジションに応じて変える必要がある。
1.セーハが少なくなる
▲カポが人差指の代わりとなり、セーハがなくなる。写真の場合、カポを1フレットに付けることで、Eを押さえればF のコードが鳴る。
2.響きに変化を付ける
▲コードフォームを変えることで、響きを変える効果も。写真のようにカポなしのC、カポ3のAは同じコードだが、カポの有無や装着するフレットの違いで響きも変わる。
3.キーを変える
▲カポを使えば、曲のキーを変えることもできる。カラオケマシンの±で音程を調節するようなイメージだ。1 フレットごとにキーが半音上がるぞ。
プレイスタイルによって合うタイプはさまざま!
カポは主に4 タイプに分けられ、それぞれに特徴がある。たとえば弾き語りなどで頻繁にカポの位置を変える場合は、片手で着脱できるクリップ式、締める強さを調整したい場合はネジ式など、自分のプレイスタイルや好みによって選ぶといいだろう。
なお「特殊系」はその名の通り、特別な用途で使用するためのカポ。今回紹介しているローリングカポとスパイダーカポ以外にも、変則チューニング用などもある。
●ゴム留め式
使いやすさ★
価格★★★
▲ネックにゴムバンドを巻きつけて留めるタイプ。価格はお手頃で、締め具合を調整できるモデルも多い。
●クリップ式
使いやすさ★★★
ライブで便利★★★
▲バネがついていて、洗濯バサミのように挟んで使用する。片手で着脱可能で、ヘッドに挟んでおけるのも便利。ライブでオススメ!
●レバー式
使いやすさ★★★
締め具合★★★
▲こちらもネックを挟むように使用するタイプ。片手では着脱できないが、使いやすくしっかりホールドしてくれる。
●ネジ式
使いやすさ★
耐久性★★★
▲ネジを使って留めるタイプで、耐久性が高い。ネジで締め具合を微調整できる。
●特殊系
グライダーローリングカポ
▲ローリング構造により、演奏中でもカポを装着したまま転調できる優れもの。
トーンギアスパイダーカポ
▲弦ごとにカポを装着できる。特殊なチューニングに曲中でも素早く切り替えられるので便利。
編集部がオススメするカポタスト定番ブランドを紹介
ブランドによってルックスや機能は多彩。カラーバリエーションが豊富なブランドもあれば、定番から特殊系まで幅広いタイプのカポをラインアップしているブランドも。なお、下記以外では、ペイジ、マッキニーなども定番だ。どれを選べばよいか迷ったときは、定番ブランドから選ぶといいだろう。
●ヤマハ
▲写真はCP-100。ネックを挟んでバーを固定し、ネジで締め付けることでしっかり固定できる。
●シャブ
▲︎レバー式の定番ブランド。写真のC-1を愛用しているアーティストは数知れず。弦を3 本や5 本のみ押さえられる特殊系も。
●G7th
▲写真のパフォーマンス2カポトは手軽に着脱でき、かつ押さえる強さを片手で加減できる。プロからの人気も高いブランド。
●ジムダンロップ
▲︎多種多様なタイプをラインアップ。写真はクリップ式のトリガーカポと、ナイロンベルトをストッパーに引っ掛けて固定する14C。
●カイザー
▲クリップ式の超定番ブランドで、写真のKG6 シリーズのようにカラーバリエーションも豊富。
●プラネットウェイヴス
▲PW-CP-09(写真)やドロップチューニング用カポなど、種類豊富。
●ピックボーイ
▲ゴム留め式やレバー式のクリッカーカポ(写真)をラインアップしている。
フレットの近く&平行が基本!
▲カポの取り付け方の基本は、弦を均等に押さえること。コードフォームやカポの形状によっては、カポが手に当たってしまうので少し斜めに設置することもある。弦がビビッたり、チューニングが狂わないように押さえよう。
弦がズレないよう注意!
▲写真のように、ピッチ(弦間)がいびつな状態になってしまうのはNG。音がキレイに鳴らなくなってしまうぞ。
●ネジ式は締め過ぎないように!
ネジ式など締め具合を調整できるタイプのカポは、きつく締め過ぎるとチューニングが上がったりネックが傷んでしまうので注意。
●装着後は必ずチューニングしよう
カポを装着すると、チューニングがシャープすることも多い。装着後は必ずチューニングを確認! カポを外したあともチューニングが狂うことが多いので、やはりチューニングを。
(Go!Go! GUITAR 2018年6月号に掲載した内容を再編集したものです)
Edit:溝口元海