ワンランク上の弾き語りストになりたい!大石昌良のおしゃべりアコギ VOL.8 スラム奏法【Go!Go! GUITAR プレイバック】


バンドSound Scheduleの他、アニメ主題歌やアーティストへの楽曲提供など、音楽クリエイターとしても大活躍中の大石昌良による新連載がスタート! 第8回目は、ライブにおいて半分以上の割合で使用しているという、大石昌良にとって欠かせないテクニック“スラム奏法”を紹介!

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大石昌良のおしゃべりアコギ(1)

「スラム奏法とはそもそもなんぞやというと、木のボディでサウンドホールが空いているという構造を利用して、タッピングとかスラップを組み合わせることでアコギをパーカッシヴにリズム楽器として捉える奏法だと思っていて。音圧とか見栄え的な意味でも、バンドと対等にやり合える奏法なので、ぜひ読者の皆様にも取り入れてもらいたいなと思っています」(大石)

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(2)

ギターをドラム(またはカホン)に見立て、ボディを叩いたり指板をタッピングすることでパーカッシヴな演奏を可能にするのがスラム奏法。まずは、スラム奏法における代表的な所作を3つ紹介。あとはこれらの組み合わせなので、ひとつひとつを確実に覚えよう。

 キックの役割 

大石昌良のおしゃべりアコギ(3)

▲右手の手のひらの腹部分(掌底部分)でサウンドホールの少し上を叩くことで出す。「ギターによって音が出やすい個体があるので、研究の余地があります」(大石)

 スネアの役割 

大石昌良のおしゃべりアコギ(4)

▲指板を右手の中指で叩くことで出す。「僕はスネアのスナッピーの音も意識しているので、わざと弦がビビるような最終フレット付近を叩くようにしています」(大石)

 ハイハットの役割 

大石昌良のおしゃべりアコギ(5)

▲ハイハットの出し方はいくつかあるが、左手で指板を叩くことで出すのが一般的。人差指であらかじめ弦をミュートした上で、中指&薬指で弦をタッピングしよう。


スラム奏法の基本的なパターン

大石昌良のおしゃべりアコギ(6)

▲「スラムの基本を取り入れたパターンです。まずはキック、次は中指でデコピンの要領で弦をハジきます。2・4 拍目のスネアは右手中指で指板を叩いて、そのまま中指を上方向にハジくように弾く動作が大事。これを覚えるだけでもカッコいいと思います」(大石)

 Comment 
キック/スネア/ハイハットをギターに置き換えたテクニック
「1曲丸々スラム奏法を取り入れている曲もあれば、A メロやサビなど部分的なものも合わせると、ライブの半分くらいはスラム奏法を取り入れています。ドラムってキック/スネア/ハイハットの3 点で成り立っていますよね。右手の手のひらの腹部分でサウンドホールの少し上を叩くと“ キック”、右手で指板をタップ(叩く)することでスナッピーが効いたような音を出すのが“ スネア”、左手で指板をタップするのが“ ハイハット”。それらを、バンドアンサンブルを自分で作る感覚で組み合わせています。“ どうやって音を出しているんだろう? ” ってお客さんも不思議に思いますよね。そういうところにスラム奏法の魅力があると思っています」(大石)

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(7)

大石昌良の楽曲「ファイヤー!」をモチーフにしたスラムフレーズにトライ。P.40 の譜例を基本に、左手の運指も加わるため難易度は高くなっているが、一度に両手のことをやろうとせずに、丁寧に運指や動作、ミュート方法などを押さえていこう。


ファンキーなスラム奏法

大石昌良のおしゃべりアコギ(8)

▲1小節目の動作は、右手でサムピング→左手で指板をタップ(ハイハット)→右手で指板をタップ(スネア)→そのまま弦をハジく→左手のハンマリング→右手でキック→右手中指でデコピン(5弦3フレット)→右手で指板をタップ(スネア)→右手中指でハジいて5弦開放を鳴らす。

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(9)

 

右手の腹部分で…

大石昌良のおしゃべりアコギ(10)

矢印.png

ボディを叩きつつ弦も鳴らす

大石昌良のおしゃべりアコギ(11)

▲「まず苦戦するのが最初のキックの音。右手の腹部分でボディを叩くんですけど、叩くのと同時に親指を弦に当てないと音が鳴らないんです」(大石)

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(12)

 

中指で指板をタッピング

大石昌良のおしゃべりアコギ(13)

矢印.png

そのまま上方向にハジく!

大石昌良のおしゃべりアコギ(14)

▲「右手中指で指板を叩いてスネアの音を出したら、そのまま中指を上にハジくんですけど、この発想がすごく大事。意外とこの動作に気付かない人が多いので」(大石)

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(15)

 

6弦3フレットから…

大石昌良のおしゃべりアコギ(16)

矢印.png

5フレットへとハンマリング

大石昌良のおしゃべりアコギ(17)

▲POINT 2 で中指をハジくとき、あらかじめ左手の人差指で6 弦3 フレットを押弦しておく(左)。ピッキング後、薬指で6 弦5フレットをハンマリングオン(右)。

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(18)

 

デコピンの原理で…​​​​​​​

大石昌良のおしゃべりアコギ(19)

矢印.png

弦をピッキング!​​​​​​​

大石昌良のおしゃべりアコギ(20)

▲1・2小節3 拍目ウラ、2 小節1 拍目ウラの動きに注目。「デコピンの原理で弾きます。キックで右手を下ろしたとき、準備動作として中指をデコピンのフォームにしておきましょう」​​​​​​​

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(21)

 

弾かない弦に触れよう​​​​​​​

大石昌良のおしゃべりアコギ(22)

▲「1小節4拍目ウラの5弦開放は、親指で6弦、それ以外の1~4弦は人差指や中指でミュートしています」(大石)​​​​​​​

 

 Comment 
次の動作を考えながら弾くイメージが大事
「難しいかもしれないですけど、音を出してるのは5 ~ 6 弦だけなんです。フレーズ的にはシンプルなので、右手と左手をセットで覚えてもらうしかない。動作的には、右手中指で弦を上方向へとハジく動作が一番大事かなと。そう思うと殺陣みたいですよね。右手で切ったその返し刀で左手とか。全部の動作に意味があるので、無駄な動作がひとつもないというか、次の動作を考えながら弾くイメージが大事かなと。余談ですが、着ている服によっても違います。袖が長い“ 萌え袖” だと布をかんじゃうので、音が全然変わっちゃうんです。極力手元が出るような格好か、袖をまくるほうがいいと思います」(大石)

 

大石昌良のおしゃべりアコギ(23)

「ライブラインのクロスです。選んだ理由は…特にありません(笑)。強いて言うなら拭きやすそうだから。実際に拭きやすいです(笑)。汗をかくと滑りが悪くなるので、ライブ中にクロスで拭くシチュエーションが多かったりするんですけど、あまりカッコ悪いものは持てないですよね。ここ3~4年は買い換えてないですね」(大石)

 

【PROFILE】
おおいしまさよし/80年、愛媛県生まれ。01年、Sound Scheduleのボーカル&ギターとしてデビュー。08年よりソロ活動を展開し、アニメ主題歌やアーティストへの楽曲提供を行う。“オーイシマサヨシ”名義ではアニソンシンガーとして活動し、Tom-H@ckとのユニット“OxT(オクト)”としても活動。
http://014014.jp

 

【INFORMATION】

OxT
NEW ALBUM
『REUNION』
ポニーキャニオン
9月10日リリース

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■初回限定盤(CD + DVD)
PCCG.01917
¥4,500+税
※三方背スリーブケース仕様

■通常盤
PCCG.01918
¥3,000+税

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(Go!Go!GUITAR 2018年6月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

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