買ったその日に弾けちゃう!エレキギターはじめの一歩【Go!Go! GUITAR プレイバック】

はじめてのエレキギターを手にしてワクワクしていることと思います。早く弾いてみたいという気持ちを抑え、まずはギターの構え方、チューニングのやり方、ピックの持ち方といった基礎をしっかり覚えましょう。
人によって、またギターの種類によって多少の違いはあれど、長時間弾いていても疲れない自然な姿勢が正しいギターの構え方です。一般的には、座って弾くときは右足太ももにボディのクボミを乗せます(図1)。膝が90度程度に曲がる椅子の高さが理想的でしょう。立って弾くときはストラップを使います(図2)。ボディエンドとネックジョイント付近にストラップピンがあるので、そこにストラップの両端の穴を引っ掛け、長さを調節しましょう。ストラップの長さは弾き心地に直接関係するので、ボディの中心がおヘソの辺りにくる状態を基本として、自分が弾きやすい位置に調整します(図3)。
肘の辺りをボディに当てて右手全体を安定させたら、そのまま自然な形でピックを持つ指を弦上で構えます(Ph1)。
右手の手刀部分をブリッジに乗せると右手がより安定します(Ph2)。フュージョン系ギタリストは右手を浮かせて構えることもありますが、どちらが良いというものではないので、自分が弾きやすいフォームを探ることが大切です。
親指を6弦側に出し、ネックを鷲掴みにするようなシェイクハンドスタイルが基本です(Ph3)。滑らかにポジション移動するためにも軽い力で握りましょう。
低音弦を弾くときやバレーコードを押さえるときは親指をネック裏側の中心付近に立てるクラシックスタイルを使います(Ph4)。フレーズごとに2つのフォームを使い分けることが大切です。
人差指と親指で挟んで持ち、ピックの先端が7〜8mm程度出るように握るのが基本フォームです(Ph5)。ただし、ピックの持ち方はギタリストによって違い、人差指と中指と親指で持つ人もいるなど個性が出る部分です。自分が弾きやすいと感じる持ち方が正解なので色々と試してみましょう。ピックが弦に対して斜めに当たる状態を順アングル、平行に当たることを平行アングルと言います(図4)。
各弦を正しい音程に合わせることをチューニングと言います。チューニングが合っていないと曲を演奏することができないので、練習前にはかならずチューニングをする習慣をつけましょう。ギターの弦は伸び縮みするので、特に新しい弦を張った後はチューニングが安定するまで繰り返しチューニングすることが大切です。気温によっても弦は伸び縮みしますから、ちょっとチューニングが狂っているかな?と思ったらその都度確認するようにしましょう。
チューニングにはいくつかのやり方がありますが、チューナーを使う方法がもっとも正確で簡単です。6弦の開放(どこも押さえずに6弦を鳴らす)をE音に合わせ、次に5弦開放をA音という順番で1弦までチューニングし、これをチューニングが安定するまで何度か繰り返します。チューニング時のポイントとしては、合わせる音より高い場合は、下げて合わせていくのではなく、一旦合わせる音より低くして、上げて合わせていきましょう。
ギターは木材でできているため、正しく保管してあげないと思わぬトラブルにあうことがあります。壁に立てかけたり、床に寝かせておくなどすると、倒れたり踏んでしまったりして傷がついたり、最悪の場合はネックが折れることもあります。そんなトラブルを避けるためにもギターは常にギタースタンドに立てて保管することをオススメします。長期間弾かないときはハードケースに保管しておくと安心ですね。
ギターは気温と湿気の変化に敏感で、玄関や風呂場などの近くで保管しているとネックが反ってしまうことがあります。大切なギターと長くつき合うために、また、常に良い状態を保つためにも、ギターの保管方法にもこだわってみましょう。
ピックを弦に当てて下方向へ弦をはじくことをダウンピッキングといいます。4弦をダウンピッキングする場合、弾き終わったときにピックを3弦に当てない弾き方と(図5①)、3弦に当ててピックの動きを止める(図5②)2種類の弾き方があり、フレーズによって使い分けます。さらに小指をボディに当てると右手が安定します(Ph6)。
ダウンピッキングは親指でピックを軽く押すようなイメージです。右腕全体を使うのではなく、指先の動きでピッキングすることがコツです(Ph7→Ph8)。後々速いフレーズに対応するためにも必要最小限のアクションで弾くことを意識しましょう。そして、ピッキングは必要以上に強くしない方が良い音が出ます。Ex-1は開放弦をダウンピッキングで弾くトレーニングです。
アンプのボリュームをゼロにして、ギターのジャックにシールドを挿したら、シールドのもう一方をアンプのインプットに差し込みます。そしてアンプの電源をONにすれば準備完了。ギターを弾きながらアンプのボリュームを少しずつ上げていくと音が鳴ります。この手順を間違うといきなり大きな音が出たり、最悪の場合アンプが壊れてしまうことがあるので要注意です。音が出なかったらギター本体のボリュームを確認しましょう。
トーンコントロールのBASS、MIDDLE、TREBLEは5がフラットな状態です(時計に見立てて12時ともいいます)。好みの音色を作るために色々なセッティングを試してみましょう。GAINはディストーション(歪み)の深さを決めるもので、メタルのような激しい歪みが欲しいなら10まで上げますが、クリーン・トーンなら2〜3程度にします。そして、MASTERで最終的な音量を決めましょう。
右手を上下に振って弦をかき鳴らすことをストロークといい、ギターでもっともよく使われる弾き方です。肘と手首を支点にして、濡れた手の水を振り払うような動きでストロークしましょう。上から下へのストロークをダウンストローク、下から上をアップストロークと呼びます。
Aコードの押さえ方
薬指や人差指のつけ根が1弦に触れないように指を立てて押さえましょう。6弦は鳴らさないので、親指を6弦に軽く触れてミュート(音が出ないようにする)します。ゆっくりダウンストロークして、1〜5弦が綺麗に鳴っていることを確認します。もしも音が詰まったような感じになってしまったら、指の角度を再確認しましょう。
Dコードの押さえ方
比較的押さえやすいコードですが、以下の点に注意しましょう。人差指の先端が4弦に触れてしまうことが多いので、指を立てることをしっかり意識します。5、6弦は鳴らさないので、親指を5、6弦に被せるようにしてミュートしますが、親指に力を入れると不要な音が鳴ってしまうため、軽く弦に触れる程度にしましょう。
Eコードの押さえ方
人差指をしっかり立てることがポイントです。人差指のハラが2弦に触れないように、その状態をしっかり確認しましょう。6弦開放を鳴らすため、親指は意識して外側へ反らします。押さえられたら6弦から1弦へ向かってゆっくりダウンストロークし、すべての弦が綺麗に響いているかをチェックしましょう。
A、D、Eの3つのコードをキーAのスリーコードといいます。4/4拍子は「1、2、3、4、1、2、3、4」と繰り返すリズムです。
8ビートは1小節に8分音符が8個入るリズムという意味で、「1●2●3●4●」というように各拍を2つに分けるリズムです。数字部分をダウンストローク、●はアップストロークで弾きます。これが8ビートストロークです。
リズムの雰囲気を変えるためにストローク・パターンを変化させることがあります。数字部分を弾き、●部分を弾かないパターンや、数字部分を弾かずに●部分を弾くパターンです。このような弾かない部分はストロークを空振りさせます(空ストローク)。また、●から●へつなげる弾き方があり、結果としてアップストロークが連続することになります。このように●を強調するリズムをシンコペーションといいます。
コードチェンジは素早く行いたいですが、瞬時に押さえ替えることは難しいので、コードチェンジ直前では一旦左手を浮かせて次のコードを押さえる準備をしても構いません。
(Go!Go! GUITAR 2018年1月号に掲載した内容を再編集したものです)
Edit:溝口元海