ちょっとの気づかいで効果アリ!アコギと長く付き合う管理保管のコツ【Go!Go! GUITAR プレイバック】


アコギはデリケートなため、きちんと管理・保管をしないと不具合が出ることがある。とは言え難しいメンテナンスを行わなくても、日頃のちょっとした気遣いで十分長持ち。お手持ちのギターで今日から実践を!

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練習後にサッと乾拭きするだけ
定期的にポリッシュで拭くと◎

今日もたくさん弾いたぞ~と、練習後にそのままスタンドにギターを置いてしまいがちだが、ちょっと待った! “ クロスで拭く” というこの簡単な作業、意外と実践している人が少ないのだ。ボディやネック、弦をクロスでサッと乾拭きするだけで効果アリ。ギターや弦に付着した汗や汚れ、ホコリを拭き取るくことで傷みにくくなるぞ。日頃からこまめに拭くクセを付けよう。エレキの場合は、ブリッジや金属パーツを拭くのも忘れずに。また、定期的にボディやネック裏をポリッシュ(P. 43 参照)で拭いたり、ローズ/エボニー指板は弦交換の際についでに指板を保湿できるレモンオイルを塗るとベスト。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(2)

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(3)

▲汗や汚れを放置したままだと、弦が錆びやすくなる。弦が錆びたらすぐに交換を!

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(4)

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(5)

▲ギターを買うとセットで付いてくることが多い。値段も安いので、できればギター用のクロスを使おう。

 

ネック裏や弦も拭こう!

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(6)

▲ボディだけでなく、ネック裏もきちんと拭こう。手汗をかきやすいという人は、練習中もこまめに拭くのをオススメする。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(7)

▲弦を拭くときは、少し緩めて裏側も拭くとさらに良い。軽く引っ張ると拭きやすい。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(8)

激しい温度差や湿気はギターの大敵! 人間が過ごしやすい程度でOK
ギターは木材でできているため、激しい温度差や湿気に弱い。特にアコギは注意が必要だ。ケースなど密閉された空間で保管するよりも、居住空間に置いたほうが状態が安定しやすい。温度に関しては人間が過ごしやすい場所に置いておけば問題ないが、極端に温度が高い/低い場所で保管しないよう注意。木材が膨張しないよう寒い場所に置いておく…というのも、もちろんNG! ちなみに、真冬にギターを持って外出したとき、暖房で温まった室内でいきなりケースを開けるのもあまりオススメしない。数分置いて慣らしてからギターを出すと良いだろう。なお、湿度に関しては50 ~ 55%を目安にすると良いと言われている。極度にジメジメしたり、乾燥している場所で保管するのは避けよう。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(9)

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(10)

▲温湿度の激しい場所に置いておくと木材が弱くなり、さまざまな不具合が。写真のようにブリッジが浮いてしまったり(※この症状は弦の張力によるところも大きい)、木が割れてしまうなど。

 

温度・湿度計の使用はオススメ

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(11)

▲一目で温度と湿度がわかる温湿度計をギターの側に置いておけば便利。写真のように時計もセットになっているタイプなら、一石三鳥(温湿度は右下に表示)。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(12)

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(13)

▲ケースにしまう場合、湿度調整剤も一緒に入れておけば安心。湿度が高いときには湿気を吸い取り、低いときには水分を吐き出してくれる。

 

雨で濡れたらどうする?

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(14)

水濡れは十分注意したいが、万が一アコギが濡れてしまった場合、ボディの外側は塗装してあるので、タオルなどですぐに拭けば大丈夫。ただし、サウンドホール内部は塗装されていないため、濡らさないように気を付けたい。なお、雨でケースが濡れたとき、そのまま放置するとケース内がジメジメしてしまう。ギターは出して保管し、ケースはしっかり乾かそう。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(15)

直射日光が当たる場所や人の出入りが激しい場所に置かないように!
項目2 でも触れたようにアコギは居住空間に置いたほうが安定するので、毎日ギターを弾く場合はケースにしまわなくてOK。ただし、壁に立てかけたり床に置いておくのはとても危険。ネックに負担がかかったり、倒して壊れたりする恐れがある。また、室内での置き場所も意識したいところ。直射日光が当たる窓の付近や、湿度の高い加湿器の近く、エアコンの風が直接当たる場所は避けよう。ドアの前など人の出入りが激しい場所もうっかりギターを倒してしまう恐れがあるので、端に置いておくのがベター。小さい子供やペットがいるご家庭は、ギターが触れられない場所に置くよう配慮しよう。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(16)

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(17)

▲家族が自分の部屋に入ったときに、うっかりギターを倒してネックが折れた!というのはギターの失敗あるあるの一つ。

 

スタンドに置くのがオススメ!

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(18)アコギと長く付き合う管理保管のコツ(19)

▲衝撃から守ってくれるケースでの保管ももちろんOKだが、スタンドに置けばサッと手に取って練習できるのでオススメ。スタンドの種類も多種多様で、吊り下げタイプや複数置けるタイプ、壁に取り付けるタイプなども。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(20)

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(21)

長い間弾かないとき、弦は緩めておくのがベター
毎日ギターを弾く人は気にしなくても大丈夫だが、長期間ギターを弾かない場合は弦を緩めるのがオススメ。ネックの張力はアコギが約70Kg、エレキは約40Kg と言われていて、弾かずに放置すると張力によって反ってしまうという説があるからだ。ただし、これはプロでも意見が分かれるもので、ギターは張力でバランスが取れるように作られているため、緩めると逆反りするという意見も。個体差もあるので、心配な人は楽器店の店員さんに相談を。なお、エレアコは乾電池を使用する機種も多いが、電池を放置しておくと液漏れが起きる場合があるので、電池は外しておこう。

 

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(22)

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(23)

▲弦の張力でネックが起き上がることを“順反り”と言う。パッと見ではわかりにくいが、症状がひどくなるとネックの真ん中あたりの弦高が上がって弾きにくくなる。定期的に楽器店でチェックしてもらうのがオススメ。

 

緩めるのは少しだけ

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(24)

▲緩め方についてもいろんな意見があるが、ダルダルにするのではなく、ペグを1~2回転ほど緩めるのがベター。

 

\ちなみに/
エレキの場合はコントロールをゼロに!

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(25)

▲コントロールを上げたまま保管してしまうと、その部分が固まってしまって動かなくなったり、ガリ(ノイズ)が出る場合も。

 

ガリがひどいときは接点復活剤を使おう!

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(26)

▲久しぶりにギターを弾いたときに起こりがちな、ジャックやコントロール部のガリ。ひどい場合は、電気接点の金属部分に“接点復活剤”を塗ると改善される可能性が高い。楽器店やオーディオショップなどで入手可能だ。

 

ギターをもっと愛でる!
管理・保管の便利グッズ

一歩踏み込んだケアでアコギをより長持ちさせるために、右のようなアイテムがオススメ。他にも弦専用クリーナーなど便利グッズはたくさんあるので、気になる人はチェックを。なお今回は、管理・保管の基本的な心掛けを紹介したが、アコギはデリケートなので定期的にメンテナンスを行いたい。ポリッシュで磨く、指板にレモンオイルを塗るなど自分でできることもあるが、ときどき楽器店に持って行き状態を見てもらうとより安心。ギターはきちんと管理すれば何十年も使える楽器なので、ぜひ愛するギターを長く弾き続けてほしい。

 

フレットガード

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(27)

▲指板と弦の間に挟み込むフレットガード。フレットが傷つくのを防いだり、錆びやホコリから弦を守ってくれる。

 

ポリッシュ

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(28)

▲項目1で触れたように、ポリッシュでボディを磨くとピカピカに。ラッカー塗装の機種の場合は専用のものを使おう。

 

ブラシ

アコギと長く付き合う管理保管のコツ(29)

▲ホコリが溜まりやすい場所も、ブラシがあれば楽々掃除できる。こちらはボディも拭けるマイクロファイバー付き。

 

 

(Go!Go! GUITAR 2019年2月号に掲載した内容を再編集したものです)