【レコードジャンキー富和】第1話「おっちゃんとの出会いづら」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏が、なんと今度は漫画の連載をスタート!? 得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにご紹介していきます。
記念すべき第1回は、レコードをこよなく愛するコグマの「富和」と、その一番のレコード仲間である「フレディのおっちゃん」との出会いの物語をお届け! 取り上げる題材はロック好きなら誰もがご存知であろう、QUEENの歴史的名盤『Sheer Heart Attack』です。こんなにもポピュラーな盤にも、秘めたるコレクターライクなエピソードはあるわけで…。
QUEENのフレディ・マーキュリーに心酔している「フレディのおっちゃん」は、音楽だけではなくその際どいステージ衣装(※スパンコールジャンプスーツ)までをも真似するがあまり、いつも周囲からは誤解を受けてばかり。
でも誰よりもレコードの違いがわかる男「富和」は持ち物を見て、おっちゃんが見た目だけではないディープなレコード・コレクターであることを理解。お互いを認め合う友情が芽生えたのでした。さて、ここから新たな物語のはじまりはじまり。
★今回のレコードMEMO★
レア度:★★★★★☆
今回のレコードは、QUEENが1974年にリリースした3枚目のアルバム『Sheer Heart Attack』。「Brighton Rock」や「Killer Queen」などの人気曲を収録し、不動の名盤と目される人気作です。
リリース当時は全英2位の大ヒットを果たし、この世に多くのレコードが残されましたが、フレディのおっちゃんが持っていたものはこの世に何枚も存在しない非常に希少な英テスト・プレス。
英初版の初回マトリクスは「3U/3U」になりますが、テストでのみ「1U/1U」が存在するということもあり、コレクターが血眼になって探すトップ・レア盤として知られています。
なお、「マトリクスって何?」「もっと深く知りたい!」という方は、下記連載もぜひチェックしてみてください。
【レコにまつわるエトセトラ】マトリクス・シンドローム ~ やめられないとまらない、初回探しの無限地獄(前編)【第19回】
https://mag.mysound.jp/post/674
【レコにまつわるエトセトラ】マトリクス・シンドローム ~ やめられないとまらない、初回探しの無限地獄(後編)【第20回】
https://mag.mysound.jp/post/685
Queen - Killer Queen (Live at Earl's Court, London '77)
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千