ほとばしる想いを歌とギターにぶつけよう!大石昌良のシンガーソングライター実践塾 vol.5 実践的“作詞作曲方法”【前編】【Go!Go! GUITAR プレイバック】


バンドSound Scheduleの他、ユニットOxTやソロなどさまざまな形態で活動し、音楽クリエイターとしてアニメ主題歌やアーティストへの楽曲提供などを行う大石昌良による作曲連載! シンガーソングライターに必要なノウハウを伝授します!

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大石昌良のシンガーソングライター実践塾(1)

日本語ってめちゃくちゃメロに乗せにくいんです
もともと僕らがやっている作曲方法、音符感とかコード感は西洋の文化なので、どうしても英語や外国語のほうがメロディーに乗せやすいんです。それは仕方がないことで、逆に言うと日本語ってめちゃくちゃメロに乗せにくいんですよね。だからといって、知らない英語を闇雲に乗せていくのはちょっと違うと思う。僕は日本人なので、日本語で音符に乗せて日本人に伝わる歌を歌いたいという気持ちが根本にあるから、いろんな創意工夫をしてメロに乗せるようにしています。もともとJ-POPの中での作詞作業って難易度が高いと思うんです。母音が5つしかないですし。海外は母音が多い言語ばかりなので。(大石)

 

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(2)

▲︎日本語と英語の母音で決定的に違うのは“a”の母音。英語ではaとeを組み合わせた“æ”、“a”、口を半開きにした状態でアと言う“ə”、アッという発音の“ʌ”と4つ存在。

 

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(3)

一番気持ちのいいBPMを曲ごとに発見してメモしておく
自分が作った歌はBPMが決まっていないので、自分が気持ちいいと思うBPMを先に決めてしまう必要があります。“これくらいのテンポ感なら気持ち良く歌えるな”っていうBPMの取り方なんですけど、サビから取ることが多いですね。Aメロはハシって、Bメロはモタることが多いので、体感のBPMと実際のBPMは違ったりするんです。なので、自分がどれだけハシったりモタったりするかを冷静にクリック練習してみるのもいい。で、一番気持ちのいいBPMを曲ごとに発見してメモしておく。それで弾き語りをすると、聴いている方にもより気持ち良く伝わるようになります。特にライブだと、お客さんを前にテンパっちゃってリズムがハシりがち。なので、BPMを決めてクリック練習をすることは、シンガーソングライターにとって大事なことなのかもしれないですね。自分がどのパートでハシってどのパートでモタるのか、意識として持っていたら演奏にも一貫性が出てくると思います。(大石)

 

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(4)

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(5)

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(6)

 

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(7)

言葉遊びは歌詞とはまた別
メロディーが気持ち良く響く言葉を選びます

書き留めたメモや着想はiPhoneの中に入れています。8月にメモしたものだと“愛しているの100通りの言い方”(笑)。紐解こうと思えばいくらでも歌になるようなテーマだったり物語だったり。でもこれって“ポエム”であって“リリカル”ではないんです。言葉遊びだったりするので歌詞とはまた別で。こういうのを歌に乗せようと思うと非常にチグハグな歌ができてしまう。メロディーが一番気持ちいいと思える言葉を選んでいます。(大石)

 

大石昌良のシンガーソングライター実践塾(8)

ギターってあくまで伴奏するもので
自分のメッセージや歌を伝えるための武器

僕の弾き語りスタイルは特殊ですけど、言葉(歌)が際立ってくる演奏スタイルってあると思うんです。優秀だと思うシンガーソングライターの皆さんは、だいたいギターの扱いをよくわかっていて、要はギターってあくまで伴奏するもので、自分のメッセージや歌を伝えるための武器っていう考え方の人が多い気がします。そういう方は、30分のライブでも印象に残る言葉や歌があります。まずは、自分が気持ち良く歌える伴奏をつけることが大事ですね。

 

【PROFILE】
おおいしまさよし/80年、愛媛県生まれ。01年、Sound Scheduleのボーカル&ギターとしてデビュー。08年よりソロ活動を展開し、アニメ主題歌やアーティストへの楽曲提供を行う。“オーイシマサヨシ”名義ではアニソンシンガーとして活動し、Tom-H@ckとのユニット“OxT(オクト)”としても活動。
http://014014.jp

 

【INFORMATION】

DIGITAL SINGLE
「神或アルゴリズム(feat.りりあ。)」
2021年2月26日リリース

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(Go!Go!GUITAR 2019年2月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

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