【レコードジャンキー富和】第6話「レコ部をつくるづら!」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏が、なんと今度は漫画の連載をスタート!? 得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにご紹介していきます。
第6話では、冒頭からブリティッシュな香りが漂うモーニングタイムに、ニュースを見ていた主人公・富和がふと何やら思いついた様子。すさまじい勢いで飛び出していった学校で、さっそくアイデアを具現化するべく行動を開始します。そんな積極的な行動が、果たして実を結ぶのか? そして、また新たな出会いが…。
放課後、クラスメイトたちに向かって「レコ部」の創設を高らかに宣言した富和。フリップ先生も巻き込みつつ部員集めに精を出しますが、いくらレコードブームと言っても同好の士はなかなか見つからないもので(しかも小学校では…笑)。と思っていたら、新キャラクター・ヴァシュちゃんの加入が決まり、念願のレコ部始動なるか!?
★今回のレコードMEMO★
レア度:★★★★★☆(5/6)
今回のレコードは、ブリティッシュ・フォーク・シーンが誇る大名盤、ヴァシュティ・バニヤンの1970年デビュー・アルバム『Just Another Diamond Day』。
1965年にローリング・ストーンズのミックとキースのペンによる一曲「Some Things Just Stick In Your Mind」にて、DECCAよりシングル・デビュー。可憐なポップ・シンガーとしてキャリアをスタートさせた彼女ですが、本作では触れれば壊れてしまいそうな、あまりに繊細かつ美しい歌声で数々の名曲を紡ぎ、多くの音楽ファンの心を揺さぶる一枚として語り継がれてきました。
しかしながら当時は、その内容に反してセールス面は全く振るわなかったということもあり、現在ではシーン屈指のレア盤として高値で取引されることとなりました。
その後シーンからはしばらく遠ざかっていたものの、2000年代に入り突如活動を再開。あの頃と変わらぬ美声を携えて、2枚のアルバムをリリースしています。
まぁ、とにかく本作を一度聴いてみてください。心震わされますよ!
<参考音源>
Vashti Bunyan - Just Another Diamond Day
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
シルおばさん
富和を幼少の頃から見守り続けてきた育ての親。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千