【イントロマエストロ藤田太郎が厳選】神イントロソング 年別TOP10 ~2005年編~


ある編曲家は言いました。「編曲(アレンジ)」は、良いイントロができたらほぼ完成。それが、できるかできないかで大きく違ってくる。
名曲には、すべて良いイントロあり!そんな素敵な「神イントロ」からはじまる曲を、bayfm「9の音枠」水曜DJを担当し、クイズルーム「ソーダライト」のイントロクイズでお馴染みのイントロマエストロ藤田太郎が、経験と知識を駆使し当時の音楽トレンドや背景なども含め、リリースされた年でくくった独自のランキングを決定。そのTOP10を紹介してきます。

第2回目の今回、フォーカスするのは「2005年」

 

2005年は、宇宙飛行士、野口聡一がスペースシャトル「ディスカバリー」で宇宙へ行き、愛知県では「愛・地球博」が開催。宇宙や地球規模の出来事があった中、iTunes Music Storeが日本での配信をスタートし、アニメ『ドラえもん』の声優が一斉交代。ライブドア堀江貴文の発言「想定内(外)」や、オタク用語「萌え~」が流行語になるなど、それまで当たり前だったエンタメの仕組みやトレンドが変わっていった動きが目立つ年でした。

そんな2005年という時代にヒットした音楽を「神イントロ」という切り口で、それまでとは違う楽曲の楽しみ方を見つけてください。それでは、カウントダウン!


神イントロソング_第10位
 

第10位:「全力少年」スキマスイッチ
発売日:2005年4月20日
編曲:スキマスイッチ
イントロ秒数:31秒

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まず紹介するのは、ボーカルの大橋卓弥と鍵盤担当常田真太郎(ときた しんたろう)のソングライター二人からなるユニット、スキマスイッチ5枚目のシングル「全力少年」。前年リリースのせつないピアノの音色がイントロで42秒響くバラード「奏(かなで)」がロングヒットを続け、ファン層をじわじわと拡大していた最中にリリースされたこの曲は、軽快なピアノにホーンが混ざる12秒のイントロから準備OK!あとはタイトル通り、前を向いて走っていけ!!という歌うポジティブソング。
一番の歌詞で「置いてかれんだ」と歌うフレーズを、2番では「老いて枯れんだ」と同音異義にしたり「染み付いた孤独論理」が、2番では「ここんとこは仕事オンリー」と韻を踏んでいたり、歌詞を読むだけでも楽しめる要素が溢れていることもポップなサウンドに彩りを加えています。

 

神イントロソング_第9位
 

第9位:「創聖のアクエリオン」AKINO
発売日:2005年4月27日
編曲:菅野よう子
イントロ秒数:8秒

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9位は、2005年4月放送されたタイトルと同名アニメのオープニング曲「創聖のアクエリオン」。人類と堕天翅(だてんし)族との間で争われた大戦を描いたアニメは、半年で放送は終了しますがコアなファンの注目を集めます。アニメの放送から2年後の2007年、SANKYO『CRフィーバー 創聖のアクエリオン』のCMソングとしてこの曲が全国的にオンエアされて以降、人気が爆発。「一万年と二千年前から愛してる」というキャッチーなフレーズの歌詞を、感情的なハイトーンボーカルで歌うサビが話題となり大ブレイクから3ヵ月で30万ダウンロード突破。
2005年リリース曲の中で最も遅いヒットとなったこの曲の魅力は、イントロから轟く原始的で多幸感あふれるデジタルビートサウンド。宇宙規模の壮大なストーリーとのギャップを上手く利用したアレンジを聴かせながらサビで転調。しっかりとメロディを聴かせる展開は、まさにアニメの世界観を創聖させる秀逸な1曲です。

 

神イントロソング_第8位

 

第8位:「粉雪」レミオロメン
発売日:2005年11月16日
編曲:レミオロメン・小林武史
イントロ秒数:24秒

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8位は、 沢尻エリカ主演のドラマ『1リットルの涙』の挿入歌に起用された「粉雪」。
この曲のタイトルに関して、バンドのフロントマン藤巻亮太はこう話してます。「ひらひらぁ、と舞って地面に落ちて、アスファルトに染み込んでいってしまう、積もらないし、次の瞬間には誰も覚えてない。それが人間の意識と無意識の境界線みたいな感じがしたんです。日常の中で忘れてしまうものを「儚い」だけで終わりたくない。その想いから、このタイトルが降ってきました。」この言葉の通り、イントロからまさに降る雪のようにギターがしんしんと響く曲。
誰もが口ずさみたくなる「力強い叫び」のキラーフレーズが、令和になった今も心の奥を揺らす名バラードです。

 

神イントロソング_第7位

 

第7位:「ファンタスティポ」トラジ・ハイジ
発売日:2005年1月26日
編曲:CHOKKAKU
イントロ秒数:32秒

7位は、TOKIOの国分太一とKinki Kidsの堂本剛のコラボユニット、トラジ・ハイジ。
2人が主演を務めた、タイトルと同名映画の主題歌として起用された「ファンタスティポ」。CDジャケットにミラーボールが登場し、70年代から2020年の現在までしっかりと受け継がれている「ジャニーズ×ディスコ」サウンドをしっかりと継承した曲。アレンジを担当したのは、SMAPの「$10」や「SHAKE」「オリジナル スマイル」、V6の「愛なんだ」、嵐の「PIKA☆NCHI」なども手がけたCHOKKAKU。「ジャニーズ×ディスコ」の幅を90年代以降、楽しく歌って踊れるJ-POPのスタイルにまで浸透させたアレンジャーのお一人だと思います。イントロからワクワクするコーラスで胸躍るキュートなダンスナンバーです!

 

神イントロソング_第6位

 

第6位:「たしかなこと」小田和正
発売日:2005年5月25日
編曲:小田和正
イントロ秒数:14秒

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明治安田生命のCMソングに起用された、イントロから力強さと優しさを感じる小田和正のバラードが6位。
私は、この曲のイントロを聴くと涙が止まらなくなります。年を重ねれば重ねるほど、どんどん溢れてきます。「いちばん大切なことは 特別なことではなく ありふれた日々の中で 君を今の気持ちのまゝで 見つめていること」普段の忙しい生活の中で忘れてしまいそうなことを、この曲は語りかけるようにシンプルに伝えてくれます。
その言葉がしっかりと聴こえるように音数は少なく、しっかりと想いが届くように温もりを感じるサウンドで奏でられるこのイントロには「安心感」という言葉が滲み出ているように私には聴こえるのです。この曲だけは、私のことを観てくれている。そう思わせててくれる大切にしていきたい1曲です。

 

神イントロソング_第5位

 

第5位:「何度でも」DREAMS COME TRUE
発売日:2005年2月16日
編曲:中村正人
イントロ秒数:10秒

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5位は、災害医療に奮闘するチームの苦悩と活躍を描いたドラマ『救命病棟24時』第3シリーズの主題歌に起用された「何度でも」。
この曲の売上枚数は19.5万枚。90年代にミリオンヒットを連発してきたDREAMS COME TRUEの実績としては、大きなセールスを記録した曲といは言い難い結果でした。放送から6年後、東日本大震災が発生しました。フィクションのドラマ脚本から生まれたこの曲は、自然災害が起こった現実社会の中で、明日を照らしてくれる曲として脚光を浴び、震災直後全国のラジオ局で最もオンエアされた曲となり、セールス以上に多くの人の「心の記憶」に残る曲として広がっていき「10000回だめで へとへとになっても 10001回目は 何か 変わるかもしれない」この歌詞は、多くの人に勇気を与えました。
イントロで響くリズムは、今できることを前を向いて懸命に取り組んでいる人を鼓舞する、決して希望を忘れないメッセージソングです。

 

神イントロソング_第4位

 

第4位:「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」サンボマスター
発売日:2005年8月3日
編曲:サンボマスター
イントロ秒数:32秒


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私がサンボマスターを初めて聴いたのは、ラジオから流れてきたインディース時代の「そのぬくもりに用がある」。ストレートなロックンロールをソウルフルな歌声で聴かせてくれるグルーヴにやられた私は、すぐにライブを観に行きメンバーが登場し、楽器の音が鳴った瞬間から泣き出してしまったことを今でも覚えています。すげえバンドがいる!と音楽ファンの間で話題になっていた3ピースバンドが一気に知られるようになったのは、ドラマ『電車男』の主題歌に起用されたこの曲から。
逃げも隠れもしないギターとベースとドラムの音のみではじまるイントロのバンドサウンドには、彼らがもう一つ上のステージに行くことへの自信と覚悟がみなぎっていたと思います。オタクとネットカルチャーから生まれた純愛ストーリーの「電車男」を彩った主題歌がロックンロールって、マジで、ラブアンドピース!!

 

神イントロソング_第3位

 

第3位:「青春アミーゴ」修二と彰
発売日:2005年11月2日
編曲: Shusui, Fredrik Hult, Jonas Engstrand, Ola Larsson
イントロ秒数:15秒

第3位は、白岩玄(しらいわ げん)の小説が原作のドラマ『野ブタ。をプロデュース』の主題歌に起用された「青春アミーゴ」。
ドラマに出演していた、KAT-TUNの亀梨和也と、当時NEWSのメンバーだった山下智久の2人がドラマの役名のままリリースした特別ユニットのこの曲は、イントロから「ちょっと懐かしい雰囲気を感じる」サウンドと、情緒的な風景の世界観の歌詞が、幅広い世代の方に受け入れられることに成功し、162万枚のミリオンヒット。2005年の年間シングルチャートでも1位を記録します。
作詞を担当したZoppは、イタリアのシチリア島にある町タオルミーナを舞台にした「タオルミナの綺麗な空」というタイトルで詞を書いていました。これは、ジャニーズグループのコンサートで今も歌い継がれている、近藤真彦の「アンダルシアに憧れて」を意識したものだったと思います。歌詞は、イタリアのシチリア島から日本の田舎に住むアウトローな2人の主人公に変更されましたが「アンダルシアに憧れて」と並び「青春アミーゴ」も後輩のジャニーズメンバーが披露すると大歓声が起こる曲として、今もファンを魅了する曲として定着。観ていただく方を魅了する、ジャニーズの根底にある精神の継承という意味でもとても大事な1曲です。

 

神イントロソング_第2位

 

第2位:「さくら」ケツメイシ
発売日:2005年2月16日
編曲:NAOKI-T、YANAGIMAN
イントロ秒数:15秒

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2005年のシングルチャートは、ラップが入った曲がランクインすることが「当たり前」となっていた時代。タイトルに「桜」が登場する曲も、ロングセラーを記録した曲が溢れていました。
ケツメイシの「さくら」は、変わっていくヒットチャートの流れをしっかりと考察し、徹底的に追求した結果、誕生した曲です。ケツメイシは結成当初、いわゆるゴリゴリ、イケイケなヒップホップをやっていたのですが、それだとライブが全然盛り上がらない。
「いったい自分たちは何のためにやってるんだ」と考えた時、俺たちはその日に参加したライヴが楽しかったり、曲を聴いていい気分になれたり、多くの人たちに聴いてもらえることがうれしい。ということに気づき、そこから曲作りをどんな曲を作るかのコンセプトを決め、それがメンバー全員に受けるかどうかの選考会的なことで詰めてから、歌詞と曲を書き始める形に変え制作を始めます。「さくら」は、その戦術から生まれた最高傑作。イントロから美しく舞い散る花びらのようなピアノのフレーズが、人生の機微に触れ、ラップを日本の春に感じる哀愁をみごとに融合させた曲は、春になると多くの人の「心の記憶」に舞い戻ってくる名曲として、今も愛されています。

 

神イントロソング_第1位

 

第1位:「JOY」YUKI
発売日:2005年1月19日
編曲:田中ユウスケ・湯浅篤
イントロ秒数:32秒

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ロックバンドJUDY AND MARY解散後、2002年にソロ活動をスタートしたYUKIが目指した音楽は、バンド時代にできなかった自分の個を投影した音楽や私に染みついている音楽を、自分が好きなスタイルで、好きなミュージシャンと一緒に形にすること。
SEAGULL SCREAMING KISS HER KISS HERの日暮愛葉(ひぐらし あいは)らと手掛けた楽曲で“バンド”サウンドを進化させた楽曲が目立っていましたが「JOY」をリリースしたタイミングから変化していきます。大きな変化となった最大の要因は音楽制作会社、agehasprings(アゲハスプリングス)との出会い。この会社に所属していた、蔦谷好位置が作曲と担当し、イントロからDTM(デスクトップミュージック)によるミドルテンポの打ち込みの音が、ハッピーとせつなさが混在するサウンドはYUKI本人に「こんな曲を10年待っていた」と言わしめるほどの珠玉のダンスミュージック。まだYouTubeがスタンダードではなかった時代に、前衛的という意見もありながらも全身黒タイツのダンサーと独特なダンスを踊るミュージック・ビデオが「SPACE SHOWER Music Video Awards」でBEST VIDEO OF THE YEARを受賞。
agehaspringsは、SuperflyやJUJU、少女時代といった数多くのミュージシャンのプロデュース手掛けるなど、その後の日本の音楽シーンで「当たり前」となっていく形の「礎」となったという意味でも、2005年に「JOY」がリリースされたことはとても重要なことだったと思います。淡々と彩りを振りまいていくイントロから、ラストの「死ぬまでドキドキしたいわ 死ぬまでワクワクしたいわ」このフレーズまで、どこを切り取ってもこの曲は、“音を楽しむ”という当たり前のことを笑顔で諭すように教えてくれる曲です。

 

【2005年神イントロランキングの総評】

2005年という時代は、打ち込みのDTM、ラップ、歌謡曲、ロックンロールなど2000年代以前に誕生し、歴史もルーツもバラバラな音楽ジャンルが、J-POPとしてヒットチャートに名を連ね今もスタンダードナンバーとして愛されている曲のリリースがとても多い年でした。
それらの楽曲を順番に聴いても違和感が全くないのは、共通して「ノスタルジー」を感じることができるから。リリックやアレンジを工夫して「新しい」と捉えられる音楽も、心の奥まで届く歌詞やメロディが存在し、それを受け入れられるリスナーの感受性が豊かな時代だったと思います。この数年後、年間ヒットチャートというものの存在意義が劇的に変わる時代が訪れ、その変化は2022年の現在も続いています。2005年の雰囲気が、いつかこの変化にポジティブな終止符を打つ日が来ると、私は信じ続けたいです。

 


 

【2005年イントロベスト25】

ランキングは25位まで決定したので、11位以下も下記に紹介します。
(藤田太郎調べ) 

 

ランキング1-10位ランキング11-20位

ランキング21-25位

 

さらに、YouTubeでイントロクイズとして楽しむことができます。

うたドン!【イントロクイズ】

 

 

【Profile】

藤田太郎

「30,000曲のイントロを0.1秒聴くだけでわかる男」イントロマエストロ。bayfm「9の音粋 」水曜日のラジオDJ、Tokyo FM『ももいろクローバーZのSUZUKI ハッピー・クローバー!』音楽コメンテーターを担当。フジテレビ『99人の壁』に出場し、ジャンル「90年代J-POP」でグランドスラム達成。日本初のクイズ専門店「ソーダライト」で毎月イントロクイズを出題中。

 


 

Text&ランキング:藤田太郎