【レコードジャンキー富和】第21話「レコード夏合宿に行くづら！（イギリス上陸編）」
リアルタイムで触れてきた世代だけではなく、若い世代も巻き込みながら盛り上がりを見せている近年のレコード・ブーム。そんな中でレコードの深遠なる魅力をお伝えするべく、ディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏が、なんと漫画の連載をスタート！ 得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにご紹介していきます。
第21話では、富和により「レコード夏合宿」と称して突如、海外への旅に連れ出されたレコ部の面々（ヴァシュちゃん＆キューくん）と保護者代わりのフレディのオッチャンが、イギリスの空港へと降り立ったシーンから始まるのですが…。
ロンドンに着いてまずは、ホテルで一休み。…というわけにはいかないのが、レコジャンの性（さが）。実際に現地へ何度も買い付けに行っている作者ならではの実用的な知識を織り交ぜつつ、いきなりレア盤に散財してしまった富和…これは先が思いやられる!?
★今回のレコードMEMO★
色々なレコード屋に行ったことがない方はピンと来ないかもしれませんが、店によってルールやマナーってちょっと違ったりするものです。店に入ったら荷物を預けなければいけなかったり、試聴には時間や枚数の制限があったり、レコードを見る時にストンストンしちゃったら怒られたり……。
まぁ、でもご安心ください。今どき一見さんお断り的な特殊ルールがある店はかなり珍しくて、だいたいの店は至って普通で変に敷居が高かったりすることはありません。たぶん……。
これは海外とて同じことなんですが、日本とはそもそも少しスタイルが異なる店が多いものです。そして、その代表例として挙げられるのが、中身抜きと検盤のスタイルです。
日本では検盤はカウンターで行い、中身抜きは価格帯によって行われている、というのが多数派だと思います。しかし、多くの海外の店では、その場で検盤しても良いスタイルが一般的です。ただ、ロンドンとかの大都市にある店では、安盤もレア盤もあるもの全部を中身抜きしている、というスタイルの店も少なくありません。
これって分かりやすいぐらいガチガチの防犯対策なワケですが、デメリットも少なくありません。
ジャケットから盤を抜いた後、特に当て板等をかますこともなくそのまま店頭に並べてしまっているため、ジャケが折れ曲がり等のダメージを受けていることも多いです。
また、ちょっとラベルとかマトリクスとかを確認したくても、わざわざカウンターに行って中身を出してもらわないといけません。店の人も結構面倒臭いかもしれないんで、本当にチラッと確認したいだけの時なんかは、こちらとしてもさすがに気を遣っちゃうワケですよ……。しかも、海外の店は商品コメントみたいなものが添付されていることは稀も稀なので、実際に盤を見てみないと分からないことだらけなんです。
結局こういうのは慣れでしかなくて、別にどこかで誰かが教えてくれるようなものでもありませんが、この漫画を読んでさえいれば、自ずと海外でのレコード・ディグのコツが身についちゃうはずです。ということで、引き続きご愛読よろしくお願いいたします！
ではまた次回！
＜登場人物 プロフィール＞
富和（とみかず）
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
マック店長（テンチョー）
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。
Text＆Comic：山中明（ディスクユニオン）
Edit：大浦実千
