ロック史を創ってきた者たち 世界が愛したギターヒーロー名鑑 vol.4 スラッシュ【Go!Go! GUITAR プレイバック】

 

HR/HM全盛の1980年代、ブルース魂を込めたギタープレイで世界中を魅了!

ロックギターヒーローにスポットを当てて紹介するコーナーの第4回。今回はガンズ・アンド・ローゼズの創設時メンバーでもあり、2016 年にバンドに復帰したギタリスト、スラッシュだ。


文/平川理雄 マンガ/dobby

世界が愛したギターヒーロー名鑑  vol.4(1)

 

世界が愛したギターヒーロー名鑑  vol.4(2)

 

 スラッシュ。本名サウル・ハドソンは1965年7月23日、ロンドン北部のハムステッドに生まれ、5歳頃までイングランドのストーク=オン=トレントで過ごす。父はグラフィックアーティストとしてニール・ヤングやジョニ・ミッチェルなどのアルバムジャケットを手掛け、母はアフリカ系アメリカ人で服飾デザイナーという裕福な家庭で育った。5歳の頃には母の仕事先であるロサンゼルスに移住。スラッシュは母の仕事場には時々ついて回り、そこで数々の映画スターや有名ミュージシャンと出会った。その中の1人、俳優のシーモア・カッセルは「常に急いであちこち動き回っている」彼の姿を見て「スラッシュ(ナイフなどでさっと切るという意味)」というあだ名をつけた。
 ʼ79年、友人のスティーヴン・アドラー(ds)とバンド結成を画策。当初はベースを担当するつもりだったが、音楽教師がクリームやレッド・ツェッペリンの曲をギターで弾くのを聴いてギタリストになることを決意。初参加したバンドはʼ81年のタイダス・スローン。ʼ83年にはスティーヴンとロード・クルーを結成。新聞広告でメンバー募集をし、ダフ・マッケイガン(b)を獲得した。その後スラッシュはアクセル・ローズ(vo)とイジー・ストラドリン(g)のいるバンド、ハリウッド・ローズに参加。そしてこのバンドがL.A.Gunsと融合することでʼ85年にガンズ・アンド・ローゼズが誕生した。
 ʼ87年にデビューするとバンドは大躍進。ʼ94年からは自身のバンド、スラッシュズ・スネイクピットの結成やマイケル・ジャクソンとの共演などのソロ活動を開始するも、メンバー間の確執からʼ96年にガンズを脱退。2004年には元ガンズのメンバーと共にヴェルヴェット・リヴォルヴァーを結成した。2010年にはギタリストとしての集大成ともいえるアルバム『SLASH』を発表。 2012年にはそのプロジェクトを拡大し、スラッシュ・フィーチャリング・マイルス・ケネディ・アンド・ザ・コンスピレターズを結成。そして2016年、満を持してガンズに復帰した。

 

世界が愛したギターヒーロー名鑑  vol.4(3)


 ギターは基本的にギブソン製レスポール。自身のシグイネチャー・モデルである“Slash Signature Vermillion Les Paul”やクリス・デリッグによるレプリカ、レスポールカスタム、レスポールジュニア、12弦モデルの他、ES-175やES-135のフルアコ、SG12弦なども使用している。
 アンプはシグネイチャー・モデルであるマーシャルAFD100やJCM800をブレンドする形で使用。ペダル類はジム・ダンロップ製 “Slash Cry Baby Classic Wah Wah”から接続し、MXR製やBOSS製のブースター、フェイザー、ファズ、オーバードライブ、トレモロ、ディレイ、コーラス、バッファーなどを接続し、2台のマーシャルへ。配線はシンプルに直結されているようで、1点ずつ追加していけばロックキッズにも追いかけやすい構成ではないだろうか。



これぞ!スラッシュの定番サウンドの作り方

 

世界が愛したギターヒーロー名鑑  vol.4(4)

デビュー当時、ストラトタイプが全盛だった1980年代からレスポールを愛用。その重厚なサウンドにこだわり続けるプレイスタイルは今も健在。

 

世界が愛したギターヒーロー名鑑  vol.3(5)

アンプは基本的にマーシャルを使用。Middleをフルアップ、 Bassを抑え気味にしてパンチの効いたサウンドを得る。スラッシュ・サウンドにおいてワウは必需品である。

 


(Go!Go! GUITAR 2017年3月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海