ネオソウルポップ系マルチトラックメーカー“マコトコンドウ”が放つ「生きること」をテーマにした1stフルアルバム

 

2022年7月から約1年間、毎月楽曲をリリース。ネオソウルポップ系マルチトラックメーカーのマコトコンドウが、“生きること”をテーマに描いた1stフルアルバム『いききる』を10月11日に配信リリースした。“生死”というセンシティブなテーマを、バラエティに富んだ音楽性で包み込んだ本作は、まさにマコトコンドウという人間が生きた証でもある。音楽との出会い、プロの道を志すきっかけ、そして会心の『いききる』についてたっぷりと話を聞いた。

生きている実感が表れているというか
今の僕が反映されたアルバムになっている。


 

この気持ちを残したいと思って「WAKARANAI」を作った

 

――まずはマコトさんの音楽原体験をお聞かせください。音楽との出会いは?

マコト:母親がピアノ/エレクトーンの先生で、自宅でレッスンをしていたので音は鳴っている環境でした。そういう環境で育ったので、音楽は“すでにあった”感じでしたね。

――マコトさん自身も音楽を習っていたんですか?

マコト:いえ、音楽との距離が近すぎて逆に興味がなかったので、ずっと別の部屋でゲームをしていました(笑)。たまにピアノとエレクトーンを弾くぐらいでしたね。エレクトーンはいろいろな音が出るので、適当に音を鳴らしてみたり、自宅の音楽教室が年に1回発表会をやっていたので、自分で作った曲を母がアレンジして弾くことはありましたね。それが幼稚園とか小学1年生の頃です。

――その頃すでに曲を作っていたんですか?

マコト:8ビートってあるじゃないですか。それを“AとBと”だと思っていて、コードもわからずに「AとBと」という曲を鍵盤だけで遊び半分で作って(笑)。すごく簡単な曲だけど、思えばそれが最初の作曲かもしれないですね。

――幼少の頃に聴いていた音楽で言うと、そこで流れていた音楽がメインですか?

マコト:そうですね。あとは母の車の中で流れていた曲です。マンハッタン・トランスファーやTAKE6などのブラックミュージックも流れていたし、松田聖子さんも好きだったのでお母さんの趣味の音楽を聴いていましたね。

――それが作る曲にもエッセンスとして影響しているのでしょうか?

マコト:歌謡曲っぽい旋律を作りたがる癖があるので、エッセンスとして影響は受けているのかなと。あと僕はコーラスも深めに作るんですけど、それはマンハッタン・トランスファーやTAKE6などのコーラスグループを聴いていた影響もあるかもしれないですね。

――それからの楽器歴は?

マコト:中学2年生の合唱コンクールでピアノを弾くことになったんですよ。弾けるわけじゃないのに(笑)。たぶん先生たちは僕が弾けると思っていたので、それから練習しはじめるみたいな。本番の1週間前まで全然弾けなかったですもん(笑)。

――小学校の間は、ほぼ楽器はやっていないと。

マコト:自宅の発表会のために練習するくらい。でも、小3〜4から合唱をやっていました。仲の良い従兄弟がいて歳は1個上なんですけど、“一緒にやろうか?”みたいな感じで。久留米に住んでいたんですけど、その隣の筑後市の合唱団に入っていました。従兄弟のお父さんとお母さんも音楽家で、音楽をやっている人が多くて流れで入った感じですね。

――音楽には何かしらの形で関わっていたと。

マコト:はい。中学校では吹奏楽部に入りました。小6の時に見た映画『スウィングガールズ』がめちゃくちゃ流行って、“トロンボーンって面白そうだな”と。運動もそんなに得意じゃなかったし、“入ってみようかな”くらいの感じで入部してトロンボーンを始めました。

――その頃は作曲を続けていた?

マコト:全然。「AとBと」以降はしていないですね(笑)。音楽にはずっと触れていて、可能性として“トロンボーンプレイヤーでプロを目指すのも面白いな”と大学時代に思っていたんです。ちなみに大学でのサークルはジャズ研究会で、ビッグバンドをよくやるサークルだったのでカウント・ベイシーとかを演奏していましたね。

――それからなぜ自分で歌を歌おうと思ったんですか?

マコト:大学卒業後、上京して就職したんです。上野とか新橋でサラリーマンをしていて、家に鍵盤はあったのでちょっと弾いたりライブは見に行ったりしていたけど、音楽とは深く関わっていなくて。で、仕事を3~4年やったところで辞めてみようかなと思って(笑)。

――辞めてみようかな(笑)。

マコト:仕事を辞めるためには口実がいるから“ちょっと海外に行きます”と言って辞めたんですよ。それが2018年末で、多少貯金もしていたので“何もしない”をしてみようと。ただ本を読んだり、ゲームをしたり、絵を描いたり。で、時間があるから考え事ができるんですよ。その時は26〜27歳だったので、将来のことを考えると“怖っ!”と思っちゃって(笑)。自分が何をやりたいとか、音楽をやりたいとか、その時はあまり考えていなかったんですけど、この気持ちを残したいと思って「WAKARANAI」という曲を作ったんです。“自分のことがわかんない。頭抱えてもわかんない。でも、お腹は空くね”という曲を作ってYouTubeに上げたら友達からの評判が良くて、そのあとに2~3曲作りました。

――結局、海外へは?

マコト:海外に行かないと周りに面目が立たないと思って(笑)、2020年に行こうと思ったのですが、ちょうどコロナ禍でどこへも行けなくなっちゃって。それで一度半年くらい福岡に戻ったら、Twitterで、とある音楽プロデューサーの方から“音源を聴かせてください”という話があって“一緒に音楽を作りませんか?”と。“本気で音楽をやるなら東京に来たほうがいい”と言われて、“じゃあ本気でやります”とまた上京しました。

――なかなか面白い経歴ですね。

マコト:そのプロジェクトで最終的には何人かのミュージシャンでコンピレーションアルバムを出したのですが、2年くらいお世話になって2022年2〜3月くらいにそのプロジェクトから離れました。

 

マコトコンドウインタビュー(1)

 

メロディと単語が一緒に出てくるものを大事にしています

 

――ちゃんとした作曲という意味では2019年ですよね?

マコト:そうですね。「WAKARANAI」を作って「タンスイカブツ」などの曲を作りました。

――本格的に曲作りを始めたのが26〜27歳ということですが、やや遅咲きと言えますよね。

マコト:そうなんです。“意外と音楽歴浅っ!”って周りから言われます(笑)。

――曲はどういう流れで作ることが多いですか?

マコト:お風呂とかリラックスしている時に思い付くことが多いです。言葉のアクセントと旋律を乖離させたくないので、“お腹空いた”とかそういった何気ないフレーズからメロディを思いついたり。1フレーズがフックになることが多いので、それを膨らませながら作ることが多いです。

――まずは単語ありきなんですね。

マコト:メロディとほぼ同時ですが、どちらかと言うと単語だと思います。僕はリラックスしている時、考えていることをメロディっぽく言いたくなるんですよ。

――その時に浮かんでくる言葉は突発的なもの?

マコト:お風呂に入っていて“錆びてるな”とか“汚れてるな”とか、しょうもないことばかりですね(笑)。「WAKARANAI」も“わからない”というフックが出てきたので、フレーズを歌いたくなる癖があるのかもしれないですね。

――それは1人暮らしをするようになってから?

マコト:就職してからだと思います。上京したてで友達もいないから1人で話すしかない。淋しい(笑)。音楽と離れていたから余計に恋しくなっていたのかもしれないですね。

――でもその結果、それが今の曲作りのベースになっている。

マコト:そうですね。最近も面白い単語は残すことにしているんですけど、それはあくまでも補助的な役割で、メロと単語が一緒に出てくるものを大事にしています。

――それからどうやって作るんですか?楽器で?

マコト:やっぱりギターを持つのが一番楽です。ギターは中学2年生の時にお年玉で買ったんです。中1の時、サックスプレイヤーの叔父の車の中でエリック・クラプトンを聴いてギターに興味を持って。

――叔父さんもサックスプレイヤー。他にも親族で音楽をやっている方はいるんですか?

マコト:叔父の奥さんがフルートプレイヤーで、僕の母の妹もピアノの先生とかカフェで歌ったりしています。

――家系的に音楽との関わりが深いんですね。今こうしてプロとして活動しているわけですが、音楽を通じて伝えたいメッセージや思いはどういうところにあると感じていますか?

マコト:もともとは人のためになるようなことをしたいなと思っていました。命を救うとか、生活を実質的に豊かにすることはできないけれど、芸術や音楽の力だったらほんの一部でもそれができるんじゃないかなって。正直、音楽がなくても生きていけるけれど、音楽に救われる人もたくさんいるじゃないですか。僕のことを知って、その一部分になれたらそんなに嬉しいことはないなって。昔は承認欲求もありましたが、今は聴いた人がほんのちょっとでも心が動いたなら、それはすごく素晴らしいことだし自分自身も幸せを感じられると思っています。

――マコトさん自身も音楽に救われた経験はありますか?

マコト:“救われた”まではいかないけど、勇気づけられた経験は何度もあります。会社員時代は定時になるとダッシュで帰宅する人だったんですよ(笑)。会社を出たらすぐにイヤフォンをして、音楽が流れた瞬間に“終わったー!帰れるー!”みたいな。喜びは音楽が一番に運んでくれるもの。ロイ・ハーグローヴというトランペッターがいるんですけど、彼のライブを見に行った時も何だかわからないけどめちゃ嬉しくなったし、クラプトンのライブも声を聴いただけで涙が出るとか、うまく言語化できないけどそういった経験はあります。だから、僕の音楽を聴いて好きと言ってくれる人がいるならその人たちに向けてやっていきたいし、その人たちが少しでも心地良いと思ってくれるのならもう充分だと思っています。

――すごくピュアな想いですね。確かに音楽は感情にダイレクトに届いて心を動かすものですもんね。

マコト:はい。わりと根は良い人なんですよ(笑)。

 

マコトコンドウインタビュー(2)

 

今生きている環境、生きている“これから”を認める

 

――では、配信アルバム『いききる』について聞きたいと思います。毎月リリースした曲がこちらの中には多く収録されていて、ほぼベストアルバム的な内容です。1曲目の「いききる」がアルバムタイトルにもなっていますね。

マコト:これは収録曲の中では一番最後に作った曲です。僕はある対象物について曲にすることが多いのですが、そうではなくて、もっと大きなテーマについて書こうと思った時に浮かんだのが“生死”でした。

――今までの曲作りで言うと単語とメロディが浮かんでくることが多かったけれど、「いききる」は生死というテーマが前提にあったと。

マコト:そうですね。生死についてずっと考えていて、“考えてみりゃ いつかは死んでしまうよ僕ら”というフレーズがお風呂に入っていた時に出てきました(笑)。

――やっぱりお風呂(笑)。でも僕はこのアルバムがすごく好きで、家で流していて生活に馴染むというか、いつもよりも日常が温かくなる気がします。“いききる”という言葉も良いですよね。

マコト:“生きる”と“生き遂げる”と“息が切れる=死”が何となく伝われば良いなと。仏教用語に生死(しょうじ)という言葉があって、生死は別物ではなくて輪廻なんです。“生きるも死ぬも一緒だよ”って。そういったニュアンスで捉えてくれる人がいたら良いなと思って“いききる”と名付けました。

――マコトさんの人生観が表れているんですね。

マコト:そんな気がします。僕、わりと諦めているんですよ(笑)。諦めているというか“仕方ないじゃん”と思っちゃうんですよね。生まれた環境だったり今の環境は受け入れるしかないけれど、前を向けるってことだけは知っておかないといけないから。

――すべてを環境のせいにする人も少なくないですね。

マコト:もちろん、過去のことで喜んで良いじゃん!と思うけど、“前(未来)もあるんだから環境や過去は少しでも受け入れるほうが楽しいんじゃないの?”と。後悔って言葉があまり好きじゃなくて、軌道修正と言ったほうが良いと思うんです。後悔と言うと何だか悲しくなっちゃうけど、軌道修正だともう進んでいる状態だから。いつか死ぬのなら、生きている以上は生きたほうが良いなと思う。

――死後の世界がどうなっているのかなんてわからないし。

マコト:そうですね。死んだ後の楽しみは取っておいて、今生きている環境、生きている“これから”を認める。それが生きていることなのかなって思います。アルバムを作る中で、そこに自然と着地したのが不思議でしたね。

――1曲1曲はその時の思いで作ったのに、並べてみたら意図せずにピースがハマったような。

マコト:まさにピースがハマった感じ。アルバムを通して聴いた時に、泣きそうになったんですよ。自分の曲なのになぜか感動しちゃって。生きている実感が表れているというか、今の僕が反映されたアルバムになっている気がしています。

――自分で泣きそうになる。そんな幸せなことはないですよね。

マコト:謎でしたね。“キモッ!”と思って(笑)。

――いやいや(笑)。

マコト:同時に、僕は環境に恵まれているとも思いました。心から応援してくれる人が周りにいるからこそ、こうやって今生きていけているし音楽も作れている。嫌いな人もいたけれど、その人たちと出会わなかったら今の僕はいない。作り終わった後に、いろいろな感謝を確認できるアルバムになりました。

――自分にとって嫌いなものや遠ざけたいものも今となっては感謝。ここに辿り着くために必要なものだったと。何だか達観していますね(笑)。

マコト:キモイですね(笑)。

――リード曲で言ったら「いききる」ですが、僕は「あめ」から「泡になって」の流れが好きです。

マコト:雨が降ってお風呂に入るみたいな(笑)。

――雨ソングって今はあまりないですもんね。

マコト:ジャズのスタンダードで「Candy」という曲があるんですけど、「あめ」はそのコード進行をオマージュして作っています。「Nay and E」も「Night and Day」というジャズのスタンダードから取っているし、これまでジャズを聴いてきたことがわりと入っている曲だと思いますね。

――なるほど。しかも「あめ」にはミュートしたトロンボーンの演奏が入っています。サウンドも絶妙な音数でスッと入ってくる。

マコト:僕は歌が上手い部類ではないし、柔らかい声質だから余計にそういったサウンドが合うのかもしれないですね。

 


 

時間だけ無駄に費やしても、“頑張らないと意味がない”と自分に向けて作った

 

――思い出深いエピソードを挙げるとしたらどれですか?

マコト:「空気清浄機」ですね。連続リリースの第1作目で、これで僕のことを知った人も多いので普通に好き(笑)。『ハライチのターン!』というラジオ番組があって、ハライチの澤部さんが空気清浄機のお話をしていて、そこからインスパイアを受けて作ったんです。あとはMVも友達が撮ってくれました。スタイリストさんとか女優さんとか俳優さんを入れてくれて、月1リリースというプロジェクトが大きく進んだ曲だからこそ思い入れが強いですね。

――自分にとって特に大事になった曲は?

マコト:4曲目の「あいちゃく」は「WAKARANAI」の次の次くらいに作った曲です。2019年に作って周りから“良いね”と言われた曲を再リリースできたので、その頃の僕からアップデートされています。8曲目の「急がば走れ」は、活動をしていく中で“やらないと!”と思って作った曲。人に広まらないと意味がないけれど、全然広まらない。頭では“こういうことをしたら良いんじゃないの?”と考えるけれど、実際は行動できていないなって。“急がば回れ”という言葉があるけれど、あれは回り道の中で考え事ができるとか“落ち着けるよ”という意味だと思うんです。でも、急いでいる時は、考えながらちゃんと走らないと意味がない。だから歌詞も“桃も栗も柿も石の上では育たない”って。“桃栗三年柿八年”とか“石の上にも三年”と言うけれど、時間だけ無駄に費やしても、頑張らないと意味がないと自分に向けて作ったのかもしれないですね。

――ギクッとする人は多いんじゃないですかね。すぐに動くのにもパワーが必要ですし。「泡になって」は?

マコト:僕は友達とあまり喧嘩をしないんですけど、「泡になって」は友達と喧嘩した時に浮かんだ曲。喧嘩してお風呂に入って、気分がスッキリすると思ったら意外としない、みたいな(笑)。

――本当にお風呂っぽくてドリーミーな曲調です。泡の音など、効果音を生かした曲が多いですよね。

マコト:雰囲気を出したい曲が多いので、わりとSEは多用しますね。

――さて、12月3日(水)に下北沢mona recordsで初のバンドセットでのライブを行いますね。

マコト:はい。基本的に僕はライブをやる時って1人だったんです。PCと鍵盤とサンプラーとトロンボーンを置いて、自分で弾きながら歌って。でも、やっぱり人とやりたい。セッション的にやりたい曲も多いから、バンドでやってみようと思って。

――その体験がまた新たな糧になりそうですね。

マコト:そうですね。打ち込みだとどうしてもキレイな音がサンプルとして入っているから、生っぽさとか、人間的な“いなたさ”が出るといいなと思っています。

 

 


 

【プロフィール】

マコトコンドウ(英語表記:MAKOTOKONDO)

ラーメンの街、福岡県久留米市出身・東京在住。作詞/作曲/アレンジを自ら手掛けるマルチアーティスト。
ポップで優しいけど、どこか黒い。ジャンルレスな音楽を展開している。主にキーボード・トロンボーン・ボーカル、たまにギターなども演奏することがある。幼少期より音楽に触れて育ち、大学時代、ジャズとの出会いをきっかけに本格的にブラックミュージックへと傾倒していった。 長いモラトリアム期間を経て、2019年7月より作曲活動を開始した。問いを問い詰めるリリック、日常を切り取るリリックには、カタルシスを感じずにはいられない。また、音楽だけでなくイラストやアニメーションなども自ら手がけるなど表現の幅を広げている。過去作には「玉ねぎが目にしみる」「人見知りかもしれない」などタイトルだけで気を引く楽曲を制作しており、2022年7月に配信リリースした「空気清浄機」はSpotifyエディトリアルプレイリスト"Soul Music Japan"にプレイリストイン。本楽曲のMVは同年8月に開催された "MUSIC VIDEO CONTEST Vol.3"(夢カナYellプロジェクト_Supported by auじぶん銀行)にて「この作品は圧倒的にたくさんの人を包み込む美しさがある」と評され入賞した。さらに、12月にリリースした「泡になって」はApple Music内のラジオ番組Tokyo Highway Radioで取り上げられるなどサブスクリプションサービスを中心に広がりをみせている。

Official Web Site : https://makotokondow.myportfolio.com/

X(旧Twitter) : @MakotoKondow

Instagram : @makotokondow

 

【リリース情報】


マコトコンドウインタビュー(3)


 

配信アルバム 『いききる』

2023年10月11日リリース
YMPH-252 2,241円(税込)

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2023 by Yamaha Music Entertainment Holdings, Inc.

 

 


 

Interview:溝口元海