【レコードジャンキー富和】第31話「阿波踊りでDJするづら!」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】、独自の視点で推薦盤を紹介する【秘密レコード〜 レコ屋がこっそり教える、ヒミツのレコメンド】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏による、漫画連載が【レコードジャンキー富和】です。得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにお届け!
第31話では、猛暑の中を溶けそうになりながら歩く富和の姿からスタート。しかし、部室のドアを開けると、急に表情が引き締まってレコ部の面々に重大発表を。なんと阿波踊りに合わせて、DJをすることが急遽決まったようなのですが……。
まさかの一夜漬けで「阿波踊り(ダンス)DJ」に挑んだ富和。とはいえ、初のプレイで失敗…! なんてことも思いのほか、踊っている側は気づかないものなんですね。自分のプレイで楽しそうに踊る姿と周りからの反響に、DJの楽しさを実感した富和でした。
★今回のレコードMEMO★
みなさんはDJの経験ってあるでしょうか?
DJの存在って、年代によって捉えられ方がずいぶんと違うものだと思いますが、大先輩のオールドスクールなレコード愛好家の中には「DJ〜?」って眉をひそめる方もいるかもしれません。
というのも、DJのパブリック・イメージって「キュッキュ」とレコードをこすってプレイするもので、レコードを酷使しているような印象が強いのでしょう。
まぁ確かにそういう側面もないワケじゃないんですが、DJと一口に言っても千差万別。レコードに負担をかけずにフェイドイン&フェイドアウトで優しく流れるような音空間を演出したり、繋いだりしなくても恐ろしくレアな原盤をプレイして聴く人をビビらせてみたりと、DJによってそれぞれのスタイルがあると思います。
で結局、何が言いたいかっていうと、DJイベントでも試聴会でも品評会でも名前はなんでも良いんですが、みんなで集まってお酒でも飲みながらレコードをかけたりする、つまり誰かと音楽を共有するのって最高に楽しいですよっていうことです。
別にスポーツでもないんで、10才でも60才でも始める年齢なんて一切関係ありませんし、特別な技術だってなくても全然OKだと思います。プレイする音楽も、ジャズでもプログレでもノイズでもなんだってアリ(TPOはありますが)。
DJをするようになると、レコードの聴き方や買い方にもまた違った幅が出てきますし、いろいろな音楽に触れるので新しい音楽との出会いだってあるものです。
そして、こういったことは自分のためだけじゃなくて、まだレコードのことをよく知らない方たちのためにもなるワケで、レコードが恒久的なカルチャーとして根付いていくための草の根運動でもあると思うのです。
まぁとやかく言いましたが、まだやったことがない方や、ちょっとした偏見みたいなものがある方にこそ、一度試してほしいと思います。シンプルに楽しいですよ!
ではまた次回!
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
マック店長(テンチョー)
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千