【レコードジャンキー富和】第27話「RATTに参加するづら!」
mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】、独自の視点で推薦盤を紹介する【秘密レコード〜 レコ屋がこっそり教える、ヒミツのレコメンド】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏による、漫画連載が【レコードジャンキー富和】です。得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにお届け!
第27話では、部活に向けて準備にいそしむキューくんの姿からスタート。でも今日は富和が出張のため、お休みだというのです。そんな富和が向かう先とは「RATT」。ヴァシュちゃんのツッコミにもあったLAメタルの代表的バンドではないとすれば……、その言葉に隠された意味とは?
「RATT」=「レコードに合う食べ物大会」に向かった富和。世界中からトミー・ドームに集結したレコジャンたちが、負けず劣らずの一品を繰り出していく中で最後に全てをかっさらっていったのは、富和憧れのディガーでもあるボビーでしたとさ……。
★今回のレコードMEMO★
レコードをディグることとご飯を食べることって、すごく関係性が深いもの。
今日は1日どっぷりレコードを掘るぞと決めたら、まずはオープンと同時にお気に入りのレコ屋に突入してひと掘り。ガガッと手早く飯をかっこんでエネルギーを充填してから、また別の街のレコ屋に向かって思う存分掘り掘り掘り。そして、最後の締めにと帰りの道すがら、戦利品を肴に勝利の美酒に酔いしれるのです……。おっと、レコの忘れ物には気をつけて!
とここまで読んで、具体的にいつか買ったレコードと、その時食べた料理を思い起こしませんでしたか?
なんだかレコードって不思議なもので、買った何年後かに棚から取り出した時「このオリジナルって、○○の店でたったの○○円で買えたんだよなぁ……あと、あの時近くで食ったハンバーグ美味かったな〜……」なんて塩梅で、たとえ普段はメチャクチャ物忘れが激しくても、全てがセットになって「体験」として五感に刷り込まれているものなんですよ。
え? そんなことない? 私なんかは店でレコードを見ているだけで、ジャケから味がする気がしますけどね!
まぁとにかく、国内でも海外でもそうなんですが、初めての街のレコード屋に行く時は、その界隈のご飯屋さんなんかもあわせてチェックして、自分のレコード・ディグにピッタリなご飯を探すのも楽しいですよ、というお誘いでした!
ではまた次回!
※補足
一応蛇足ですが、今回登場する「宇田川町の吉牛」は、かつて通称「シスコ坂」のところにあった吉野家さんのことです。かつてのレコードブームの際は、渋谷をまわるレコジャンたちの空腹を満たす御用達のお店でした。あしからず。
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
マック店長(テンチョー)
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千