【レコードジャンキー富和】第28話「一番デカいジャケってなんづら?」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】、独自の視点で推薦盤を紹介する【秘密レコード〜 レコ屋がこっそり教える、ヒミツのレコメンド】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏による、漫画連載が【レコードジャンキー富和】です。得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにお届け!
第28話では、レコ部の面々が「デカジャケとは何か?」について会話する場面からスタート。ヴァシュちゃんの疑問に勢い勇んで答えようとしたキューくんですが、富和がイメージしているものとは違うようで…果たしてその答えとは?
「一番デカいジャケとは?」という問いへの答えを求めて、変形ジャケ研究家のもとを訪れたレコ部の3人。さまざまなコレクションを堪能した末にたどり着いたのは「デカジャケ人生ゲーム」に、「デカジャケ研究所」…。そもそも「これってジャケなのか?」という疑問はさて置きつつ、世界最大のジャケを探す旅は続くのです…。
★今回のレコードMEMO★
確かに世の中すこぶる便利になりましたが、その反面、フィジカル勢が何かと苦戦を強いられている今日この頃。ただ、21世紀に入ってもう四半世紀ほど経つ今現在になって、そんな世界線を逆にたどるかのようにアナログでフィジカルなレコードが大きな注目を集めています。
もちろんそうなったのにもさまざまな理由はあると思いますが、この人気復活を紐解く上で外せないのは、レコードならではのジャケットの存在です。
大きなサイズ感、独特の手触りや趣向が凝らされた造り、そして時代を感じずにはいられない紙に染みついた匂い……。アートワークに実体のないサブスクはもちろんのこと、CDでも実現し難かったレコードならではのジャケットの魅力は、今でも懐かしくも新しいものとして、老若男女に響いているようです。
そして、ジャケットと一口に言っても、実に多種多様なタイプが存在しています。特に1970年代にイギリスを中心としたヨーロッパ諸国で制作されたジャケットたちは、趣向を凝らした加工や仕掛けが施され、ただのレコードの器としてではなく、12″サイズの中で目一杯アートしていたのです。
まだレコードに触れたことがないアナタも、そんなジャケットを実際に手に取り眺めながら、そのサウンドに耳を傾けてみれば……気づいた頃にはレコードの虜になっちゃうかも?
ではまた次回!
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
マック店長(テンチョー)
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千