【レコードジャンキー富和】第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」


mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】、独自の視点で推薦盤を紹介する【秘密レコード〜 レコ屋がこっそり教える、ヒミツのレコメンド】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏による、漫画連載が【レコードジャンキー富和】です。得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにお届け!

第39話は、前回に続いて「春のレコード短期集中講座」の後編……のはずなのですが、リンゴを食べながらレコードをギョロッと見つめる富和の姿からスタート。そしてラベルと音溝の間に刻まれた文字を見るなり、なんだかヤバそうな表情で昇天してしまい……。

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(1)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(2)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(3)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(4)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(5)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(6)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(7)

 第39話「春の短期集中講座を開催するづら!(後編)」(8)


本当に“禁断の果実”的な何かを食べてしまったのではないかと不安にさせる始まりから、急に持ち直して“マトリクス”についての講義を行なった富和。“気のせい”と片付けるのは簡単ですが、自分の気持ち次第で聴こえ方が変わるのもまた音楽の魅力の1つ……そこまで含めて楽しむのもレコジャンならではかもしれませんね。
 

 

 

★今回のレコードMEMO★

 

今回はマトリクス、そしてマザーとスタンパーにも触れましたが、レコードの盤にはそれらの制作順を示す記号が刻印されています。そして、その記号には国やレーベルによって各々のルール付けがあるんですが、ある種の暗号のようになっていて複雑怪奇な様相を呈しています。

もちろんここですべての解説はできませんが、最も有名なレーベルのひとつ、Parlophoneについて少し触れておきましょう。
Parlophoneではマトリクスとマザーはシンプルに数字で表記されていますが、問題はスタンパーの読み解き方です。表記自体はアルファベットなんですが、単にABC順とそう簡単にはいかないのです……。ただ、ここでは簡潔にネタバラシしてしまいましょう!

GRAMOPHLTD

(1234567890)

具体例を挙げるとすると、「GR」であれば「12」番目のスタンパー、「RHD」であれば「270」番目のスタンパーを使用した盤ということを表しているのです。

まぁ、ネタさえ分かってしまえばなんということのない暗号なんですが、こういうのは一度知ってしまったのが運の尽き。たとえがっぷり四つとはいかずとも、「どうせなら……」と若いマザー&スタンパーを求めてしまう身体になるものなのです……って、それは人次第ですかね?

ではまた次回!

 

 

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<登場人物 プロフィール>

 

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富和(とみかず)

3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。

 

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マローン

富和の相棒の猫。
レコード部のアイドル。

 

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ヴァシュちゃん

レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。

 

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キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。

 

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フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友(レコード友達)。
QUEENに全てを捧げる漢。

 

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ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。

 

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シルおばさん
富和を幼少の頃から見守り続けてきた育ての親。

 

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マック店長(テンチョー)
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。

 

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フリップ先生
レコ部の顧問。音楽は詳しいがレコードには疎い。​​

 

 


 

Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千