【レコードジャンキー富和】第32話「新しい仲間の登場づら!」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】、独自の視点で推薦盤を紹介する【秘密レコード~ レコ屋がこっそり教える、ヒミツのレコメンド】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏による、漫画連載が【レコードジャンキー富和】です。得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにお届け!
第32話では、レコ屋帰りでご機嫌の富和が町中で不思議な鳴き声の捨て猫(?)に遭遇。その愛らしいルックスにビビッときてしまい、育ての親にして同居するシルおばさんからペット厳禁と言われているのは分かりつつも、自宅に連れ帰ってしまい…。
重度の動物アレルギーだった(!?)シルおばさんになんだかんだでバレてしまい、レコ部の部室へと連れてこられたマローン。授業のため、富和たちが目を離したすきに無垢な小動物ゆえの過ちを犯してしまうのか…? と思いきや、1人(1匹)でもレコードを愛でるレコジャンぶりを見せ、見事レコ部のアイドル誕生と相成ったのです…。
★今回のレコードMEMO★
レア度:★★★★★☆(5/6)
今回は久々にレコードのご紹介です。
作中にも出てきたPussy『Pussy Plays』は、英国アンダーグラウンド・ロック・シーンの最重要レーベルの一角、Morgan Blue Townから1969年にリリースされています。
猫があしらわれたアートワークよろしく、その鳴き声で幕を開けるオルガン・サイケ・ナンバー「Come Back June」を皮切りに、鋭利なサウンドと妖艶で暗鬱としたムード、そして適度なポップさが塗り込められた、英国サイケにその名を刻む名作です。みなさんも一度、聴かれてみてはいかがでしょうか?
では、レコード・コレクター的ポイントにも触れておきましょう。本作の英原盤はただでさえ非常に希少な1枚ですが、テクスチャーが施されたノン・コート・フリップバック・タイプ、さらにダメ押しで黒っぽいカラーリングと、この上なく非常にナイーヴなジャケットのため、美品探しの入手難度はS級です。
市場価格はもはや言い値の世界ではありますが、美品とくれば最低50万円、場合によってはさらにプラスでウン10万。英国サイケ・シーン屈指の高額盤として、その頂に鎮座しているのです……ってまぁ、私たちは再発盤で楽しみましょうかね(笑)!
ではまた次回!
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
マローン
富和の相棒の猫。
レコード部のアイドル。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友(レコード友達)。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
シルおばさん
富和を幼少の頃から見守り続けてきた育ての親。
マック店長(テンチョー)
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千