パワーコードから卒業!サウンドが劇的に変わる!やさしく覚えるテンションコード8【Go!Go! GUITAR プレイバック】


今回は、ルートから11度上(1オクターブ+4度上)にあたる11th(イレブンス)のテンションを含むコードの中から、比較的使われることの多い“マイナーイレブンスコード”と、11thの半音上にあたる♯11th(シャープイレブンス)を含むテンションコードを紹介しよう。

【Vol.8 イレブンスコード】

解説/浦田泰宏

やさしく覚えるテンションコード(1)

マイナーイレブンスコードは、マイナーセブンスコードに11thのテンションを乗せた5音構成のコードだ。前回紹介したマイナーナインスコード(マイナーセブンスコード+9th)の9thの代わりに11thを加えた構造。11thは4度音のオクターブ上にあり、9thと並んでマイナー系コードのテンションとして用いられる。マイナーセブンスコードの広がりのあるひびきに不安定さをプラスしたような感覚が特徴。コードネームは例によって「セブンス」を略して呼ぶ。

 

やさしく覚えるテンションコード(2)

 

やさしく覚えるテンションコード(3)

マイナーイレブンスコードの5音を全部含んだコードフォームは、実はそれほど多くない。図1(a)はEm7コードを母体とするオープンコードで、Em7の3度音にあたる3弦開放を、2フレットの11thに変えたもの。そのままでは3度音が含まれない(E7sus4と同じフォームになる)ので、1弦を3度音にあたる3フレットのG音にしている。

(b)はF♯音をルートとするコードで、2弦開放が11thになる。(c)(d)はB音をルートとする2種類のフォームで、(c)は2弦が3度音、(d)は2弦がルートにあたる。(b)〜(d)はいずれも5度音を含まないフォームだ。

(e)(f)は、3度音を含まないフォーム例で、同じ音をルートとするセブンスサスフォーコードと同じ押さえ方になる。ギター単体では区別がつかないが、バンドなどで演奏する場合は、他の楽器が3度音を弾くことで、アンサンブル全体としてマイナーイレブンスコードのひびきが形成される。

 

やさしく覚えるテンションコード(4)

 

やさしく覚えるテンションコード(5)

EX①は、11thのテンションを他のコードとの共通音として使用したコード進行の例。どちらもメジャーキーの循環コードの高音弦を、テンションを含む共通音で揃えたコードアレンジの例で、(a)はDメジャー、(b)はAメジャーキーの進行だ。

(a)はDadd9の9thにあたる1弦開放がそのままBm7の11thにあたる。Dadd9とBm7(11)は2〜4弦の音も共通でルートのみが別の音だ。2小節目のG6(9)も1〜4弦の音は同じ。次のAsus4コードとは、1〜3弦の音が共通だ。

(b)も同じように共通音を多く含んだ進行例で、F♯m7(11)、Bm7(11)という2種類のマイナーイレブンスコードを使用。ここでのBm7(11)は、1弦と2弦の開放弦を他のコードと共有するため、(a)とは違う2弦開放を含むフォームをチョイスしている。

このようなコード同士の共通音を“ペダルトーン”などと言って、特にアコギやクリーンなエレキのコードアレンジには不可欠な要素となっている。今回実例として紹介する「Girl」もその一例だが、本誌のスコアでもたびたび目にするので、気に入ったパターンは覚えておくといいだろう。

 

やさしく覚えるテンションコード(6)

 

やさしく覚えるテンションコード(7)

11thのテンションのバリエーションとして、その半音上にあたる♯11th(シャープイレブンス)をテンションとするコードを紹介しよう。11thがマイナー系コードに加えられるのに対し、♯11thはメジャーセブンスまたはセブンスコードに加えられる。この音を加えたテンションコードの中でも代表的なのが、譜例②のような2種類だ。

譜例(a)の“アドシャープイレブンスコード”はメジャーコード、(b)の“メジャーシャープイレブンスコード”はメジャーセブンスコードに♯11thを加えたもの。どちらも土台となるコードの基本的な性格を受け継ぎながら、より漠然とした不安定なひびきを作り出している。図2は各コードの代表的なフォーム例。どれもそれほど多く使われるフォームではないが、それぞれの音の重なり方とコードのひびきを確認しよう。

EX②は、メジャーイレブンスコードを使用したストロークプレイの例。1〜2小節目はコードチェンジに伴う♯11th(1弦2フレット)→3rd(1弦開放)」という音の動きがポイントだ。CM7(♯11)の不安定なひびきがCM7にコードチェンジすることで落ち着いた雰囲気が生まれることを確認しよう。このように「テンションからコードトーンに解決する音の動き」を“テンションリゾルブ”と呼ぶ。この例のようなバッキングだけでなく、曲のメロディやギターソロのフレーズなどでも日常的に使われているので覚えておこう。3小節目のFM7(♯11)コードは、FM7コードの2弦を開放にしたもので、2弦が♯11thにあたる。6弦は次に弾くFM7コードとのバランスを考えて6弦はミュート。FM7へのコードチェンジも、♯11th(2弦開放)→5th(2弦1フレット)」というテンションリゾルブになっている。

 

やさしく覚えるテンションコード(8)

やさしく覚えるテンションコード(9)

やさしく覚えるテンションコード(10)

 

やさしく覚えるテンションコード(11)

今回はマイナーイレブンスコードを使用した実例として、秦基博の「Girl」から、Aメロ部分(0:35〜)でのアコギのストロークを紹介しよう。EX③はEadd9onG♯というオンコードと、今回紹介したF♯m7(11)という2つのコードを使用したストロークパターンだ。

1小節目前半のEadd9onG♯は、1〜2弦を開放とするオープンハイコードの一種で、その3〜6弦を4フレットから2フレットに移動させたフォームが、今回紹介したマイナーイレブンスコードのひとつであるF♯m7(11)だ。左ページの図1では3度音にあたる5弦開放の音を含む形を紹介しているが、ここではEadd9onG♯に合わせて、6弦を押さえた中指のハラで5弦をミュートして弾く。コードチェンジに伴う1小節目のブラッシングはあまり強調する必要はなく、左手で押さえていた弦をミュートした状態で移動させながら、低音弦を中心にストロークしよう。

 

やさしく覚えるテンションコード(12)

 


 

■INFORMATION
この連載は『Go! Go! GUITARブックス パワーコードから卒業!ギタリストのためのやさしく覚えるテンションコード』とリンクしています。

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●ISBNコード:978-4-636-94595-9
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● 仕様:B5変型判/128ページ/CD付
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https://www.ymm.co.jp/p/detail.php?code=GTB01094595

 


(Go!Go! GUITAR 2018年1月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

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