【レコードジャンキー富和】第8話「キューくんの初恋づら!」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏が、なんと今度は漫画の連載をスタート!? 得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにご紹介していきます。
第8話では、「レコ部」の活動に夢中で一緒に下校もしてくれない富和に、ちょっと不満げな友達・キューくんの様子からスタート。落ち込んだまま、帰宅途中に立ち寄った高円寺の名店「子分」(笑)で、ミルクの水割りで一杯やっていると同じような思いを抱えた仲間がいて…。
フレディのオッチャンと共に、「レコ部」の部室へ偵察に出かけたキューくん。部室の裏窓からのぞいた先にいた女の子に、まさかの胸キュンが…!? CD派のはずだったキューくんが思わずヴァシュちゃんに手渡したものがどう見てもレコードなのはさておき、無事に部員が1名増えた模様でめでたしめでたし(?)。
★今回のレコードMEMO★
レア度:★★☆☆☆☆(2/6)
最後のページで少し写っただけですが、今回のレコードは、McDonald and Gilesが'71年に発表したアルバム『McDonald and Giles』です。
メンバーのイアン・マクドナルドとマイケル・ジャイルズは、King Crimson『In the Court of the Crimson King』リリース直後にバンドより脱退。2ndアルバム『In the Wake of Poseidon』にはゲストとして参加するも、その後すぐに本作の制作に取り組んでいます。
ピンク色に染め上げられたアートワークさながらに、本作ではKing Crimsonの桃源郷的サウンドは純粋培養され、さらに極限まで磨き上げられたリズムが鮮烈な印象を残し、今では不朽の名盤として語り継がれています。
ちなみにですが、最後にレコード・コレクター的な豆知識の話もしておきましょう。
通称「PINK-iラベル」が英初版の条件となる本作ですが、通常盤のマトリクスは全て「2U/2U」。ただ、テスト・プレスでのみ「+A/+B」が存在しますので、ディープなファンは要チェックですよ!
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千