【レコードジャンキー富和】第29話「レコード探偵団結成づら!」

mysoundマガジン読者の皆さまにはもうお馴染み、レコードの深遠なる魅力をお伝えする【レコにまつわるエトセトラ】、独自の視点で推薦盤を紹介する【秘密レコード〜 レコ屋がこっそり教える、ヒミツのレコメンド】。その著者であるディスクユニオン新宿ロックレコードストア店長の山中明氏による、漫画連載が【レコードジャンキー富和】です。得意のイラストを武器に間口はより広く、しかしディープな内容をポップにお届け!
第29話では、まるでサスペンスドラマを彷彿とさせるような不穏なオープニングからスタート。レコ部の部室を訪ねた雰囲気ありすぎの刑事(?)の唐突な依頼により、“少年探偵団”よろしく“富和レコード探偵団”が結成されたわけですが……。
ヴァシュちゃん&キューくんと共に事件現場に、さっそうと到着した富和。被害者のレコードラックに居並ぶコレクションの中から掘り出したダイイングメッセージから浮かび上がる名推理の結末とは…、“レコ部の正式承認”というハッピーエンドでしたとさ……。
★今回のレコードMEMO★
モノをディープに蒐集することにおいては、考古学者や探偵のように、物事をどこまでも深く追求する姿勢っていうのが大事になってきます。
これをレコードの世界に置き換えてみると、とある大量生産されたアルバムの中から、秘密めいたプレス・ロジックを解き明かして、最も早い段階で生産されたロット(いわゆる禁断の果実、マトリクス)を探すというような行為が挙げられます。
もちろん、普通の人(?)はそこまで掘り下げる必要なんてないのかもしれませんが、こういった先人たちの努力が道を切り拓き、新しい価値観を深耕してきたという事実を忘れてはいけません。
また、人知れず埋もれてしまった秘蔵音源を発掘する際には、探偵ライクな捜索スキルが必要になってくることでしょう。
裏ジャケのクレジットを頼りに、日本全国の同姓同名の人にハガキを送りまくって、死蔵されたデッドストックのレコードを探すツワモノもいます。これを(ごく一部では)「和物の掘り師」なんていうふうに呼んだりもしますが、これって探偵そのものですよね?
まぁ、どこまで掘り下げるかは人それぞれですが、それだけレコードの楽しみ方って千差万別かつ無限大。自分ならではの楽しみ方を見つけて、思いっきりレコード・カルチャーを楽しんじゃいましょう!
<登場人物 プロフィール>
富和(とみかず)
3度の飯よりレコが好き、ナチュラル・ボーン・レコード・ジャンキー。
好きな音楽はブリティッシュ・ロック。高円寺在住。
ヴァシュちゃん
レコード初心者なオテンバ娘。
レコ部の紅一点.。
キューくん
富和の同級生。
顔も趣味も度を越しているが、根は優しい富和の良き友達。基本CD党。
フレディのおっちゃん
富和の一番のレコ友。
QUEENに全てを捧げる漢。
ボビー
クールに決めるレコード仕事人。
数少ない富和憧れのディガー。
マック店長(テンチョー)
富和行きつけのレコ屋、ディスクオニオン高円寺本店の店長。
フリップ先生
レコ部の顧問。音楽は詳しいがレコードには疎い。
Text&Comic:山中明(ディスクユニオン)
Edit:大浦実千