ギタリストが知っておくべき用語をすべてカバー! Go!Go! 音楽用語辞典 第5回 す・せ・そ【Go!Go! GUITAR プレイバック】

 

日本語や英語、はたまたイタリア、ドイツ、ラテン語まで入り交じっている音楽用語。本来の意味や語源を知ることで君たちの音楽人生はより豊かになる! これは、ギタリスト、バンドマン目線で書き下ろした至極の音楽用語辞典である!


解説/平川理雄

 目次一覧  > 
 

さ行

吹奏楽
スウィング
スウィープ
スキッピング
スケール
スコア
スタッカート
スタッカート
スティールギター
ステレオ
ストラップ
ストラップピン
ストラム
ストリングポスト
ストローク奏法
スプルース
スラー
スライド
スライドバー
スラッキー
スラップ奏法
スリーコード
スリーフィンガー

 


セッション
絶対音感
接点復活剤
セーニョ
セーハ
セブンスコード
セミアコースティック
全音
セント

 


装飾音
相対音感
即興
ソリッドボディ
ソロ

 


 


 

吹奏楽

 音楽用語   編成 
 

木管楽器と金管楽器を主体とし、これに打楽器を加えた演奏形態のための音楽。これを演奏するのが吹奏楽団(ブラスバンド)。本来は文字通り「吹いて奏でる」音楽だが、曲によってはコントラバスやピアノ、電子楽器などが加わることもある。

 

スウィング

 音楽用語   リズム 
 

ジャズ演奏の躍動的なリズムを形容する用語。1拍の中の2つの8分音符の1つ目の音価を伸ばし、2つ目を短くすることで跳ねるように演奏するリズム。バウンス、ハネ。本来は「揺れる」という意味で、ビッグバンド形式のジャズを「スウィングジャズ」と呼ぶようになった。

👉4ビート
 

Go!Go! 音楽用語辞典_01

 

スウィープ

 ギター   奏法 
 

ギター奏法の一種。ほうきで掃く(スウィープ)ようにピックを複数弦にまたがって大きくアップ/ダウンさせる奏法。弾き終えた音を伸ばすアルペジオとは異なり、1音ごとに独立して鳴らすのが特徴。2つの弦を連続して一度のピッキングで鳴らすエコノミーピッキングの発展形。

Go!Go! 音楽用語辞典_02

 

スキッピング

 ギター   奏法 
 

ギター奏法の一種。ストリングスキッピング。複数の弦にまたがるスケールやコードフォームにおいて、隣接する弦を順に鳴らすのではなく跳弦(スキップ)させてピッキングすることでより複雑なフレーズを構築することができる。スキップする際、上側の弦を下から、下側の弦を上からピッキングするのがインサイドピッキングと呼ばれ、上側の弦を上から、下側の弦を下からピッキングするのがアウトサイドピッキングと呼ばれる。

Go!Go! 音楽用語辞典_03

 

スケール

 音楽用語   コードスケール   構造 
 

①音階。高さの順に並べられたオクターヴ以内の階段上の音列。ドリアンスケールやオルタードスケールなど様々な種類があり、これを覚えていくことがソロを上達させる1つの手段でもある。
②弦楽器の弦長を意味し、ナットからブリッジまでを指す。

👉音階

Go!Go! 音楽用語辞典_04

Go!Go! 音楽用語辞典_05

​​​​

スコア

 音楽用語   記譜 
 

総譜。様々なパートをひとくくりにし、全体の動きがわかるようになっている楽譜。オーケストラスコア、バンドスコアなど。スコアはページ数が膨大になるため、実際に曲を覚えたり譜面台に置いて演奏するときには各楽器ごとに抽出した「パート譜」を使う。パート譜がなければ、スコアから自分で書き起こす。

👉パート譜


Go!Go! 音楽用語辞典_06

 

スタッカート

 音楽用語   演奏指示 
 

音を短く切って演奏すること。一般的には半分の音価で演奏することだが、楽器の発音特性によっては更に短く演奏することもある。「レガート」の対語。stacc.と略記。楽譜では符頭の上下どちらかに(・)を付けて指示する。

Go!Go! 音楽用語辞典_07

 

スタックアンプ

 ギター   アンプ 
 

ギターアンプの種類。プリ/パワーアンプがキャビネットから分離され、スピーカーケーブルで接続されたものを指す。スピーカーが飛ぶなどの故障にも、キャビネットを差し替えることで即座に対応できるメリットがある。またキャビネットを別の種類に変える場合には、指定されたインピーダンスを守る必要がある。

👉コンボアンプキャビネット

Go!Go! 音楽用語辞典_08

 

スティールギター

 ギター   種類 
 

エレクトリックギターの一種。オープンチューニングに調律した楽器を座った太ももの上や台の上に横に寝かせ、スライドバーによるグリッサンドで演奏する。太ももに乗せる小型のタイプをラップスティール、ベンド機能などを備えた大型のものをペダルスティールと呼ぶ。ハワイアンやカントリー音楽などで多用される。

Go!Go! 音楽用語辞典_09

 

ステレオ

 機材   録音・PA・ステージ 
 

左右で異なる音や僅かにずらした音を鳴らすことのできる音響システム。コーラスやディレイなど空間系のエフェクターをステレオで鳴らせばより音の広がりを演出できる。ステレオの2本の回線を1本に混ぜ合わせる場合には、位相が相殺されて音がほとんど鳴らなくなってしまうこともあるので注意。

👉モノラル

 

ストラップ

 ギター   ツール 
 

ギターやサックスなどを演奏する際に肩や首から吊り下げるための用具。ギターやベースの場合には、左右の腕の動きを自由にさせるという利点があるため、立って演奏するときだけでなく座って弾くときでもストラップは使用したほうがよい。

 

ストラップピン

 ギター   パーツ 
 

ストラップをギターに固定するためのピン。演奏中にストラップが外れてしまうことを防ぐため、ゴムやプラスチック製のアクセサリーを装着するのが無難。またこのストラップピン自体にロック機能を持たせた製品もある。

👉エンドピン
 

Go!Go! 音楽用語辞典_10

 

ストラム

 ギター   奏法 
 

ギターの奏法の一種。ギターやバンジョーなどで弦をかき鳴らしてコードを鳴らす。ストローク奏法と似ているが、ストロークが安定的なリズムでコードを刻み続けるのに対し、ストラムはパーカッション的に一発鳴らしたり、ジャカジャカと掻き鳴らしたりする。ストラミング。

👉ストローク奏法

 

ストリングポスト

 ギター   パーツ 
 

ギターの糸巻き(ペグ)の、弦を直接巻きつける部分。複数回巻きつけることでナット部分で弦に角度がつくが、これが浅めだとサステインは長くなるが、チョーキングの際に弦がナットから外れやすくもなる。ロック式のものは半周程度でも固定される。

Go!Go! 音楽用語辞典_11

 

ストローク奏法

 ギター   奏法 
 

ギター奏法の一種。ピックや指でコードを弾き下ろしたり弾き上げたりすることでコードを鳴らす奏法。低音弦側から高音弦側へ腕を下ろす動作をダウンストローク、その逆をアップストロークと呼ぶ。

👉ストラム

 

スプルース

 ギター   素材 
 

マツ科トウヒ属の常緑針葉樹。白色から淡い黄褐色。軽く弾力性のある材で、アコースティックギターやバイオリンの表板やピアノの響板などに使われる。

 

スラー

 音楽用語   演奏指示 
 

高さの異なる複数の音符に付ける弧線。まとめて滑らかに演奏することを示す。フレーズのまとまりを示す場合にも使われる。ギターではスライド、ハンマリング、プリングなどで演奏する。

Go!Go! 音楽用語辞典_12

 

スライド

 ギター   奏法 
 

弦楽器でひとつの音を鳴らしたあと、押弦した指を同弦上の別の音へ移動させる奏法。高い音へ移動させればスライドアップ、低い音へ移動させればスライドダウンとなる。ギターでは、開始音と到達音の両方の音が確定しているものをスライドと呼ぶ。

👉グリッサンド
 

Go!Go! 音楽用語辞典_13

 

スライドバー

 ギター   ツール 
 

スライド奏法の際に使用する金属やガラス製のバー。元々はボトルネックと呼ばれ、瓶の口の部分を切り取って使っていた。スティールギターで使用するような棒状のものと、中空で指を入れて使う筒状のものがある。

👉ボトルネック奏法

Go!Go! 音楽用語辞典_14

 

スラッキー

 ギター   奏法 
 

ハワイ発祥のギターの奏法の一種。ハワイアンスラッキー(スラックキー)。様々なオープンチューニングが存在し、開放弦を多用するためにとても豊かな響きが特徴。

 

スラップ奏法

 ギター   奏法 
 

ドラムレスのユニットで活動していたベーシストのラリー・グラハムがリズムを補うために開発したとされるベース奏法。バスドラムに相当するサムピングとスネアに相当するプラッキングを組み合わせることで、ベースライン上にドラムのようなリズムが再現されている。「チョッパー」や「サム&プラック」とも呼ばれるものもすべて同じ。

Go!Go! 音楽用語辞典_15

 

スリーコード

 音楽用語   コードスケール 
 

トニック、サブドミナント、ドミナントという3つの主要和音、またはそれのみによるコード進行のこと。ブルースやロックンロールの基本パターンはスリーコードで作られている。

👉トニックサブドミナントドミナント
 

Go!Go! 音楽用語辞典_16

 

スリーフィンガー

 ギター   奏法 
 

①アコースティックギターの基本奏法であるフィンガーピッキングの一種。親指、人差指、中指の3本で演奏するためこう呼ばれる。親指にサムピックを装着する演奏者も多い。
②ベースのツーフィンガー奏法に薬指を加えて3本で行うフィンガーピッキング。これをフォーフィンガー、ファイブフィンガーまで発展させる演奏者もいる。

 


 

セッション

 音楽用語   理論・作編曲   編成 
 

合奏。固定メンバーではない者同士が臨時にバンドを組んで演奏する場合にこう呼ばれることが多い。また、厳密なリハーサルをせずに即興的に何かの曲を合奏(ジャムセッション)する場合にも使われる。

 

絶対音感

 音楽用語   理論・作編曲 
 

ある音を聴いたとき、記憶の中にある音の高さと瞬時に照らし合わせて絶対的な音名として認識する能力。ほとんどの場合幼少期からの訓練で身につけられる。

👉相対音感

 

接点復活剤

 ギター   ツール 
 

電子部品の金属接点が酸化や汚れで接触不良を起こしたときにそれを解消するための薬剤。ギターのジャックやケーブル端子は定期的にこれで洗浄しておきたい。

 

セーニョ

 音楽用語   記譜 
 

進行した楽譜のダルセーニョ記号(D.S.)からセーニョ記号(𝄋)の部分に戻って演奏を続け、to Codaからコーダに飛ぶ。

👉ダル・セーニョダ・カーポ

Go!Go! 音楽用語辞典_17

 

セーハ

 ギター   奏法 
 

ギターの演奏時、左手1本の指で4本以上の弦を同一フレット上で押さえるテクニック。セーハ(ceja)はスペイン語で、英語ではバレー(barre)と呼び、これを用いたコードフォームをバレーコードという。

👉バレーコード

Go!Go! 音楽用語辞典_18

 

セブンスコード

 音楽用語   コードスケール 
 

メジャーコードに短7度を加えた4声和音(ルート/長3度/完全5度/短7度)。属七の和音、ドミナントセブンスとも呼ばれる、解決のための強い欲求を起こさせる響き(トライトーン=3全音)を含むため、完全4度上(あるいは短2度下)のコードに進行しやすい性質を持つ。しかしブルースではすべてのスリーコードがセブンスコードであるため、この限りではない。

Go!Go! 音楽用語辞典_19

 

セミアコースティック

 ギター   構造 
 

構造はアコースティックギターだが、ボディはより薄く、その中央部にセンターブロックと呼ばれる木が詰められている。ソリッドギターのシャープさとフルアコースティックギターの暖かさがミックスされたサウンドが特徴。略称はセミアコ。セミホロウ。

👉アコースティックギターソリッドボディホロウボディ

 

全音

 音楽用語   コードスケール 
 

半音2つ分の音程。長2度と同じ音程。1オクターブは6全音で構成されるが、この場合の音階がホールトーンスケール(全音音階)と呼ばれる。

 

セント

 ギター   チューニング 
 

平均律の半音を100等分した理論上の微分音程。半音=100セント、1オクターブ=1,200セント。チューナーの精度を示す指標としても一般的に使われている。

 


 

装飾音

 音楽用語   演奏指示 
 

旋律を飾るために付加される音。楽譜では小音符や記号(トリル、ターン、モルデントなど)で指示される。

Go!Go! 音楽用語辞典_20

 

相対音感

 音楽用語   理論・作編曲 
 

基準となる音との相対的な音程を聴き分ける能力。絶対音感の対語。この能力があれば移調に強くなる。

👉絶対音感

 

即興

 音楽用語   演奏指示 
 

楽曲の一部または全部をその場で創作しつつ演奏すること。インプロビゼーション。

👉アドリブインプロビゼーション

 

ソリッドボディ

 ギター   構造 
 

1枚もしくは何枚かの板を接合して作られた、空洞のないギターのボディ。アコースティックギターに比べて重く、フィードバックしにくい。エレクトリックギターの主流。ボディの一部を繰り抜いて空洞を作ったものがセミソリッドと呼ばれる。

👉ホロウボディフルアコースティックセミアコースティック

 

ソロ

 音楽用語   理論・作編曲   編成 
 

①アンサンブルの中での独奏パート。ギターソロ、ドラムソロ、ベースソロなど。
②独奏。1人で演奏するスタイル。ソロギター、ソロピアノ、ソロベースなど。

 


 

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(Go!Go! GUITAR 2015年8月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

 

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