ギタリストが知っておくべき用語をすべてカバー! Go!Go! 音楽用語辞典 第8回 な・ね・は・ひ【Go!Go! GUITAR プレイバック】

 

日本語や英語、はたまたイタリア、ドイツ、ラテン語まで入り交じっている音楽用語。本来の意味や語源を知ることで君たちの音楽人生はより豊かになる! これは、ギタリスト、バンドマン目線で書き下ろした至極の音楽用語辞典である!


解説/平川理雄

 目次一覧  > 
 

な行

 

ナインス
ナチュラル
ナッシュビルチューニング
ナット

 

ネック

 

は行

 

倍音
倍音列
ハウリング
ハ音記号

パート譜
ハーフディミニッシュトセブンス
ハムバッキングピックアップ
ハーモニクス奏法
速弾き
バレーコード
パワーアンプ
パワーコード
半音
バンジョー
バンプ
パンポット
ハンマリングオン

 

ピアニッシモ
ピアノ
ピエゾピックアップ
PA
ビス
ピッキング
ピック
ピックアップ
ピックアップセレクター
ピックガード
ピックスクラッチ
ビッグバンド
ピッチ
ピッチシフター
ビブラート
拍子

 


 


 

ナインス 

 音楽用語   コード・スケール 
 

テンションノートの中で、基音から数えて9度の高さにある音。またそれを含めたコード。ナチュラル9th、フラット9th、シャープ9thの3つがある。

👉テンションノート

Go!Go! 音楽用語辞典_01

 

ナチュラル

 音楽用語   記譜 
 

臨時記号や調号で使用されているシャープやフラットを取り消すための記号。同じ小節内であればこの記号から次の小節線までの間の同音はナチュラルで演奏される。

👉シャープフラット臨時記号

Go!Go! 音楽用語辞典_02

 

ナッシュビルチューニング

 ギター   チューニング 
 

ギターの変則チューニングの一種。EADGBEという通常チューニングの3〜6弦を1オクターブ高くチューニングするのだが、通常弦を使うことはできない。このための専用弦を使うか、または12弦ギターの副弦を利用することになる。

👉チューニング

 

ナット

 ギター   パーツ 
 

弦楽器で、ブリッジと対を成して弦を張るためのパーツ。ギターやベース用では牛骨やプラスチック樹脂、ブラスなどの材質でできている。また、開放弦(=0フレット)を出すパーツでもあるため、この材質を替えることでサウンドやサステインが大きく変化する。

 


 

ネック 

 ギター   パーツ 
 

弦楽器の棹の部分。弦の張力を支える部分であるため、硬い木が使用される。より強固にするためにラミネイト材が使われることもある。エレクトリックギターやベースでは、ネックの反りを矯正するためのトラスロッドが挿入されている。

👉トラスロッド

 


 

倍音 

 音楽用語   理論・作編曲 
 

高調波、ハーモニクス。ある音(基音)を鳴らした際、実は同時に1オクターブ上(2次倍音)、その上の完全5度(3次倍音)、その上のオクターブ(4次倍音)……も同時に鳴っている。これらが混ぜ合わさった響きがその楽器独自の音色(ねいろ)となる。倍音成分が豊富に響く楽器は煌びやかなサウンドとなり、少ない楽器はこもった音がする。

👉倍音列ハーモニクス奏法

 

倍音列

 音楽用語   理論・作編曲 
 

弦や管の性質として、基音波長の1/2、1/3、1/4……といった整数分の1の波長に現れる倍音を順に並べたもの。音程の取れる倍音としては16次倍音までが規定されている。

👉倍音ハーモニクス奏法

 

ハウリング

 ギター   奏法 
 

スピーカーから出た音がマイクに入り、再度アンプで増幅されスピーカーから出る。この無限ループが瞬間的に発生してしまうことで大音量が鳴ってしまう現象。フィードバック。これが発生してしまった場合には、速やかにマイクの向きをスピーカーの方向から外すこと。この現象を積極的に利用したギターの奏法がフィードバック奏法である。

👉フィードバック

 

ハ音記号

 音楽用語   音部 
 

五線上のハ音(=C)の位置を決める記号で、ソプラノ、メゾソプラノ、アルト、テノール、バリトンの5種類がある。Cクレフ。

👉音部記号

 

 音楽用語   理論・作編曲 
 

ビート。楽曲の中で等しい間隔で打たれる単位。音楽の中では絶対的に存在する経過時間の単位であるため、たとえば全休符の中にも拍は存在する。また、何拍で1小節を形成するかを表したものが拍子記号である(例:4分音符が3拍で1小節を形成するなら4分の3拍子)。

👉強拍弱拍

​​​​

パート譜

 音楽用語   記譜 
 

スコア(総譜)から特定のパートのみを抽出した楽譜。実際の演奏ではスコアではなくパート譜が使われる。

👉スコア

 

ハーフディミニッシュトセブンス

 音楽用語   コード・スケール 
 

マイナーセブンスコードの完全5度を半音下げたコード。表記は「Ø」。[ルート/短3度/減5度/短7度]からなる4声和音であるため、そのコードトーンがより直接的に認識できる「マイナーセブンフラットファイブ」という呼び方をすることも多い(その場合の表記は「m7–5」)。

👉マイナーセブンフラットファイブ

Go!Go! 音楽用語辞典_03

 

 

ハムバッキングピックアップ

 ギター   パーツ 
 

ギターに取り付ける電磁式ピックアップの一種。2つのシングルピックアップを磁石とコイルが逆向きになるように組み合わせることで、ケーブルを伝わって発生するハムノイズを除去する仕組みになっている。高音成分が削られた、甘くて厚みのある音色が特徴。

👉シングルピックアップ

 

ハーモニクス奏法

 ギター   奏法 
 

弦楽器特有の奏法。弦長の1/2、1/3、1/4……の位置にあるハーモニクスポイントに指をあて、ピッキングしてからすぐに指を離し、特定の倍音を強調する。ギターではナチュラルハーモニクス、ピッキングハーモニクス、人工ハーモニクスの3種類がある。

👉倍音倍音列

Go!Go! 音楽用語辞典_04

 

速弾き

 ギター   奏法 
 

文字通り、速く弾くこと。ギターにおいてはスケールやフレーズに関する豊富な知識と練習が必要不可欠だ。また、速弾きをするには身体は脱力していなければならず、これも訓練で身に付くものだ。さらに、弦高を下げるなどの楽器の調整も欠かせない。

 

バレーコード

 ギター   奏法 
 

ギターの演奏時、左手1本の指で4本以上の弦を同一フレット上で押さえるテクニック。セーハ(ceja)はスペイン語で、英語ではバレー(barre)と呼び、これを用いたコードフォームをバレーコードという。

👉セーハ

 

パワーアンプ

 ギター   アンプ 
 

電力増幅器。プリアンプからの信号を増幅し、スピーカーを駆動する電力(パワー)を得るために使用される。ギターアンプの場合、トーンコントロールを行うプリアンプと信号を増幅するパワーアンプが一体化しているものが多い。ギターを直接パワーアンプに接続しても、トーンコントロールを行うプリアンプ部がなければまともな音は鳴らない。また、増幅素子の種類によって真空管アンプとトランジスタアンプに大別される。

 

パワーコード

 ギター   奏法 
 

ルート/5度の2音、あるいはルート/5度/ルートの3音のみで演奏されるコード。メジャーかマイナーを指定する3度の音が入っていないため、力強いルート感が得られる。そのためベースラインと同じ動きをすることが多い。3度を省略することから「omit3」や「5」という表記がされる場合もある。

Go!Go! 音楽用語辞典_05

 

半音

 音楽用語   コード・スケール 
 

オクターブを12に分割したときの1つ分の音程。ギターでは1フレット分に相当し、平均律では100セントという単位で表される。
Go!Go! 音楽用語辞典_06

 

バンジョー

 他楽器  
 

カントリー音楽やブルーグラス、ディキシーランドジャズなどで多く用いられる撥弦楽器。4〜6弦のものがある。

 

バンプ

 音楽用語   記譜 

曲中で、特定のメロディーが示されずにリズムパターンが主体となった部分。ピアノを主体とした即興的な演奏(バンピング)に由来し、間奏と扱われることもある。

 

パンポット

 機材   録音・PA・ステージ 
 

ミキサーなどに付随する機能で、1つの音をステレオ左右のどの位置(定位)に配置するかを決定するツマミ。パンと略称。 DAWではL64〜Center〜R63という数値で設定。ギリシャ神話のパーン(ピーターパンのモデル)を語源とし、そこから派生した言葉にパノラマ、パニックなどがある。

 

ハンマリングオン

 ギター   奏法 

弦楽器の奏法の1つ。ある音を弾いた後、同弦上のより高い音を左手の指でハンマーのように叩いて発音させるテクニック。楽譜上はスラーと「H」の記号で表記。プリングオフと組み合わせて連続して行えばトリルとなる。

👉プリングオフトリル

Go!Go! 音楽用語辞典_07

 


 

ピアニッシモ 

 音楽用語   強弱 
 

とても弱く。「pp」と記譜。

 

ピアノ

 音楽用語   強弱 
 

弱く。「p」と記譜。

 

ピエゾピックアップ

 ギター   パーツ 
 

楽器の振動を電気信号に変換する、圧電素子を用いたピックアップ。ギターではブリッジ部分に装着されているため、電磁式ピックアップと比べると硬質な音がする。またノイズやフィードバックに強いため、アコースティック楽器にも多く用いられている。

👉ピックアップ

 

PA

 機材   録音・PA・ステージ 
 

パブリック・アドレスの略。ホールやライブハウス、屋外などで大衆に呼びかけるための拡声装置。ステージ上のマイクや楽器類は全てPAミキサーに集約され、全体の音量やエフェクター、定位のバランスが取られる。この操作を行う専属エンジニアを「PAさん」と呼ぶこともある。

 

ビス

 音楽用語   記譜 
 

短い小節の反復に用いられる記号で「Bis」と表記。本来は指定区間の小節を2回繰り返すための記号で、3回なら「ter」、4回なら「quater」という表記が存在するのだが、現場での慣習として3回以上繰り返す場合に「3Bis、4Bis…」と使われることが多い。

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ピッキング 

 ギター   奏法 
 

弦を爪弾くこと。一般的にはピックで弦をはじくことを意味する。そのピック操作の種類としてダウン〜、アップ〜、アウトサイド〜、インサイド〜、オルタネイト〜、エコノミー〜、などの呼び方がある。

 

ピック

 ギター   ツール 
 

ギターやバンジョーなどの弦楽器を演奏する際に用いる小片。ギター用としては、右手親指と人差指で持つフラットピック、親指に装着するサムピック、人差指と中指に装着するフィンガーピックの3種類があり、それぞれ大きさや形、厚さ(硬さ)に種類がある。

 

ピックアップ

 ギター   パーツ 
 

ギターなどの弦振動を電気信号に変えるパーツ。磁石とコイルで構成される電磁式(シングル/ハムバッキング)と、圧電素子を用いたピエゾ式の2種類がある。ピックアップを交換するとサウンドも大きく変わるので、ギターをカスタマイズする際には真っ先に交換が検討されるパーツでもある。

👉シングルピックアップハムバッキングピックアップピエゾピックアップ

 

ピックアップセレクター

 ギター   パーツ 
 

複数のピックアップを切り替えるスイッチ。ピックアップはブリッジ〜ネック間で配置された場所によってサウンドが異なるため、それを切り替えることにより1本のギターから異なるサウンドを出すことができる。

 

ピックガード

 ギター   パーツ 
 

ギターのボディ表面に取り付けられ、ピッキングでボディが傷つかないようにするための板。

 

ピックスクラッチ

 ギター   奏法 
 

ピックをラウンドワウンド弦表面のギザギザに沿って擦りつけることで「ギャーン」というサウンド(効果音)を出す奏法。

 

ビッグバンド

 音楽用語   編成 
 

大編成のジャズバンド。ブラス、リード、リズムの3セクションからなり、ヴォーカルが加わることもある。ここでのギターはリズムセクションに分類される。

 

ピッチ

 ギター   チューニング 
 

音の高さ。チューニングをする際には周波数(単位=ヘルツ[Hz])で示される。バンド内でチューニングを合わせる場合には標準ピッチと呼ばれる標準振動数が指定され、バンド系音楽ならA=440Hz、吹奏楽やビッグバンドではA=442Hzが使われることが多い。また、アコースティックピアノが入る場合にはピアノの調律を標準ピッチとしなければならないので、現場ではチューナーを使ってピアノの調律を確認する必要がある。

 

ピッチシフター

 ギター   エフェクター 
 

エフェクターの一種。入力された音に対して3度上下や5度上下など別の音を加えることができる。製品によっては、キーを設定すればそのキーに沿った度数ハーモニーを加えられるインテリジェントピッチシフターと呼ばれるものもある。オクターバーは1〜2オクターブ「下」のみを加えるものであるので、ピッチシフターの一種でもある。

👉オクターバー

 

ビブラート

 ギター   奏法 
 

音の高さをわずかに揺らしながら演奏するテクニック。ギターではチョーキングを細かく反復することで得られる効果。

 

拍子

 音楽用語   理論・作編曲 

一定数の拍の集まりで、一般に強拍と弱拍が規則的に現れる。ビート。例えば4分音符が3つで1小節を構成するものは4分の3拍子と呼ばれる。

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(Go!Go! GUITAR 2015年9~10月号に掲載した内容を再編集したものです)

 


 

Edit:溝口元海

 

 

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