総合エンターテイメントユニット ENVii GABRIELLA(エンヴィ・ガブリエラ)が、令和の時代に8cmシングルをリリース

メンバー全員がゲイ・オネェであることを武器に、音楽をメインにバラエティ、ショー、ファッション、アートなど様々なエンターテインメントを創り出している「エンガブ」ことENVii GABRIELLA。
コスメ紹介やお悩み相談、やってみた動画などを発信するYouTubeチャンネル「スナックENVii GABRIELLA」はチャンネル登録者数19万人を突破(2022年9月現在)し各界から注目されており、2021年10月にはキングレコードより待望のメジャーデビューを果たした。
そんなエンガブが、初の5大都市ツアーを目前に控えた2022年10月26日に、シングル「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」をなんと8cmCDでリリース!?
令和の時代になぜ8cmシングルなのか。その経緯と制作の裏側を聞いた。
「8cmシングルを出さないとメジャーアーティストにはなれない」っていう感覚が残っていて(笑)
――まず、令和の時代にあえて8cmシングルをリリースするに至った経緯を教えてください。
Takassy 私たちはアラサーユニットとしてやっているので、発売日の朝にCDショップへ駆け込んだり、ミュージシャンに憧れたりしていたのがちょうど8cmシングルの時代なんです。だから「8cmシングルを出さないとメジャーアーティストにはなれない」っていう感覚が残っていて(笑)。
――全盛期でしたもんね。
Takassy 当時は今みたいにネットもないから、たいていどんな曲が入っているのかわからないままCDを買うじゃないですか。アーティスト名や作曲家で判断して「produced by tetsuya komuro」って書いてあったらとりあえず買っておくとか、エイベックスのロゴマークがついていたら買うとか(笑)。そういう、知らない曲に対して1000円を払って、でも1000円を払っているからこそ、十数年経った今でも歌詞を覚えているほどたくさん聴き込んで……という時代に育ってきたわけです。私たちのファンは同年代や少し上の世代の方が多いのでそのファン層ともマッチしていますし、キングレコードのスタッフさんも「面白いですね」と言ってくださったので、今回 “令和の時代にあえて8cmシングルをリリース” という企画をさせてもらいました。でも初めは「どうしよう、今どき8cmシングルなんてプレスできるのかな」みたいな感じでしたね(笑)。
――なるほど。ジャケットが長方形というのもマキシシングルと大きく異なるポイントです。
Takassy 「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」というタイトルは絶対に縦書きにしたいと思っていました。WANDSのCDみたいな(笑)。撮影時は縦長なぶんポーズの試行錯誤が多かったですけど、普段からグッズやCDジャケットのデザインを自分たちでやっていることもあって、とてもスムーズに進みました。
――皆さんそれぞれの思い出の8cmシングルというと何でしょうか?
HIDEKiSM 私は、初めて買った浜崎あゆみさんの「Depend on you」ですね。シングルを全部揃えていたくらい浜崎さんのことが大好きでした。あとはMAXもすごく好きで。かっこいいデザインのジャケットが多くて、中でも「Grace of my heart」や「あの夏へと」は、特にお気に入りです。
Kamus 私はDA PUMPの「Feelin' Good -It's PARADISE-」です。学生時代にCDショップでジャケ買いをしたというか、DA PUMPの文字を見て購入した1枚ですね。「男はカラオケでDA PUMPを歌え!」みたいな時代だったので(笑)。
Takassy 私は華原朋美の「I'm Proud」。すごく嫌なジャケットでしたね。
――嫌!?
Takassy ジャケットが観音開きになるから綺麗にケースに収納できないんです。もともと大好きなアーティストのシングルは、聴く用と保存用で2枚買うことが多かったんですけど「I'm Proud」に関しては、それが「超ムカつく!」と思って3枚買いました。聴く用と、袋から出さずに保存しておく用と、ケースに入れる用の。
――好きすぎて嫌だったと(笑)。
Takassy ほかにも、globeが4枚連続リリースしたとき、1枚目の初回限定パッケージには4枚とも収納できるようになっていたんですけど、あれは衝撃でしたね。8cmシングルのコンパクトさ故に実現できた企画だったのかなと。

Takassy

「実は表題曲とカップリング曲には共通点があるんです。」
――収録楽曲についても、ぜひお聞かせください。表題曲の「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」はTakassyさんがsouljuiceとして作詞と共作曲を担当されていますが、制作の出発点はどういったところだったのでしょうか?
Takassy 「自分のためにやっていることなのに、なんで誰かのためって思われなきゃいけないんだろう?」みたいなこと考えていたときに、ふとこのタイトルが頭に浮かんで。それで、コスメのCMで使われるような、ビッグバンドや、スウィング・ジャズを盛り込んだ曲をこのタイトルで作ってみたいなと思ったのが最初でした。
――ゴージャスでラグジュアリーなイントロから始まり、途中で「あれ?終わりかな?」と思ったらビッグバンド風のサウンドが耳に飛び込んできて、面白い曲でした。
Takassy 「人生」や「一日」をビックリハウスみたいな曲で表現したい、というのがコンセプトなんです。だから、急に3拍子になったり、ラテンっぽい曲調になったり、「目まぐるしく変わっていく日常」をイメージして作っています。一回終わってまた始まるというのも、一日が終わったらすぐ次の日が始まるじゃないですか。やっと土日が来たと思ってもすぐ月曜日が始まるじゃないですか。
――その繰り返す日常をアレンジで表現したと。
Takassy そうですね。体感時間がすごく短い、目まぐるしい曲になっています。
――M-Cardにはミュージックビデオとそのメイキング映像が収録されるそうですね。
HIDEKiSM ミュージックビデオもぜひ楽しみにしていただきたいです。
Kamus ちょうどダンスのリハーサルをしているところで。最後のビッグバンドっぽくなっているところがすごく楽しくて、「踊りたい!」「一緒になって暴れたい!」というグルーヴ感があるので、見てくださったらきっとすぐに好きになってもらえると思います。
Kamus
――カップリングは「オリビアを聴きながらを聴きながら」ということで、また曲調ががらっと変わります。こちらもTakassyさんの作詞・作曲によるものですね。
Takassy 10代のとき、カラオケで友達が「オリビアを聴きながら」を歌っているのを見ながら、「今、自分は『オリビアを聴きながら』を聴きながらデンモク※をいじってるんだ。『オリビアを聴きながらを聴きながら』って曲クソウケる」と思って(笑)。そこから十何年、絶対にその曲を作りたいと思ってたんですよ。で、ここ数年のレトロブームだったり、杏里さんの楽曲が再評価されたりしている状況に「出すなら今じゃないの?」と思い、ゆったり聴けるシティポップを目指して作りました。
――歌詞のストーリーは「オリビアを聴きながら」のオマージュになっていますよね。
Takassy 私の解釈ですけど「オリビアを聴きながら」の主人公って、彼が自分に対して理想を抱いているから、彼の前ではその「理想の彼女」を演じて取り繕っているんです。だから家に帰ると本当の自分になれてほっとする。で「オリビアを聴きながらを聴きながら」の主人公も、やっぱり彼に好かれたいから自分を偽っていて、でもそれがだんだんつらくなってきちゃって「別れようかな、でも好きだしな……」と思いながらタクシーでデートの待ち合わせ場所に向かっているんです。でも、彼が遠くに見えてきたところで「オリビアを聴きながら」というドンピシャな曲が流れてきたことによって、いよいよ「そうだ別れよう」と心が決まるっていう。実は表題曲とカップリング曲には共通点があるんですよ。
――共通点?
Takassy どちらの主人公もすごく自分本位で、わがままな人なんです。表題曲は、自分の好きなように生きている主人公。カップリング曲も、自分がつらくて別れたくなったから、今まさに向かっているデートで別れを切り出そうとしている主人公なんですよね(笑)。人によってはまったく共感できない歌詞だと思いますけど、今の時代だからこそ、表題曲みたいな主人公が共感を得るんじゃないかなと思いますし、カップリング曲は昭和のマインドなので、まさに現代の日本を体現した2曲です。曲調が全然違うのもその対比を表しています。
HIDEKiSM
「 すごく自分とマッチした部分があったので、楽しく歌えました。」
――レコーディングはいかがでしたか?
HIDEKiSM エンガブって本当にいろんなジャンルの楽曲に挑戦していて、今回も今までにはなかったミュージカルっぽい楽曲とムーディな楽曲だったので、すごく歌いごたえがありました。
Takassy 短期間でこの2曲をレコーディングしたので、歌うほうは急にこれを渡されて大変だったと思いますよ。
HIDEKiSM あははは(笑)。挑戦な一方で、聴いてすぐ自分の中にぐっと入ってくる感じもあって。
――共感できるポイントや過去の経験とマッチする部分があった?
HIDEKiSM はい。好きな男に好かれたいがために痩せたりした経験があるんですけど、この2曲を聴いたときに、「好かれたいから綺麗になったけど、でもそれって男のためではなく自分のためで。……そうだ、私って自分のことが好きなんだった!」っていうのを改めて感じて。
――つながってきましたね。
HIDEKiSM 自分磨きって、誰のためでもなく自分のためにやっていることなんですよね。「自分のために綺麗になる」という意味では、この曲を聴いた方たちを勇気づけることができれば、それもこの曲の本質ではあるのかなと思いますし、そういうすごく自分とマッチした部分があったので楽しく歌えました。
Takassy 歌ってるときのHIDEKiSM、ヴィランズ(悪役キャラクター)みたいだったもん。
HIDEKiSM いや、どちらかというとプリンセスだったと思うんですけど(笑)。プリンセスっぽく歌っているようなパートもあれば、ヴィランズっぽく訴えかけるように歌っているパートもあるので、ぜひ歌い方の変化も楽しんでいただけたら嬉しいです。
※デンモク 電子目次本、略してデンモク。デンモクは、第一興商(DAM)の登録商標です。
【プロフィール】
アーティスト・作家としてメジャーアーティストにも楽曲提供をしているTakassy(souljuice)・ アーティスト、タレントとしてTVやイベントで活躍するHIDEKiSM・ダンサーとしてイベント、バックダンサーとして活躍するKamus。
それぞれが違うフィールドで活動していたが、2016年夏にTakassyがHIDEKiSMにユニットの構想を持ち掛けた事から、プロジェクトが始動。同年、2人の共通の知り合いであったKamusに白羽の矢を立て、正式に3人体制として活動が始まる。
翌2017年3月1日にプロジェクトの開始を発表。同日より、YouTubeチャンネルにて動画で 楽しむ新宿二丁目をコンセプトに、動画配信「スナックENVii GABRIELLA」を開始する。
2022年5月現在、登録者数は17.6万人を越え、独自の観点から発信する情報やコスメの紹介、お悩み相談などYouTube界でも注目されている。
ゲイ・オネェである事の全てを武器に、音楽をメインとし、バラエティ・ショー・ファッション・アートを創り出す、オネェによる総合エンターテイメントユニット ピンヒールをトレードマークとしており、ヒールでのステージパフォーマンスも大きな特徴である。
2021年10月にキングレコードより待望のメジャーデビューを果たした。
エンヴィ・ガブリエラ HP: https://engab.jp/
Twitter:https://twitter.com/EnviiG
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC2C2al2XqmLm1sDadyMF_sw
Instagram:https://www.instagram.com/enviigabriella/?hl=ja
【リリース情報】
「あなたが私を綺麗にする訳じゃないの」
C/W「オリビアを聴きながらを聴きながら」
2022年10月26日 Release ※KING e-SHOP 限定販売商品/数量限定
ECB‐1501 8,000円(税込)
8cmCD+M-CARD+オリジナルサコッシュ・オリジナルキーチャーム
キングレコード: https://www.kingrecords.co.jp/cs/artist/artist.aspx?artist=46177
<先行配信>
「オリビアを聴きながらを聴きながら」
2022年9月21日より配信スタート
https://mysound.jp/song/8645088/
Interview:藤田太郎
Text:友安美琴